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【中山記念2024】中山芝1800mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

中山記念の好走傾向=内先行有利

中山記念(中山芝1800m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:4.5頭目÷大外平均:8.4頭目=馬群内直線位置:54%
4角平均位置:4.1番手÷出走平均数:12.8頭=馬群内道中位置:32%
好走馬上がり3F平均タイム=34.92秒

春の中山開催開幕週に行われる古馬重賞で、毎年実力のある強豪馬が春のGⅠに向けた始動戦として挑んでくるレース。今年も例に倣って重賞馬が揃っている。
直線進路は頭数が少ないためにパーセンテージはそれほどでないものの平均4.5頭目で数値自体は低く内有利、4角位置は4.1番手で圧倒的な先行有利である。

それではコースや馬場について詳しく見ていこう。

内回りのコンパクトなコース

中山内回りコースレイアウト

中山芝1800mは直線半ばからスタートをし、205mですぐに1角を迎える。コースは内回りを使用するため小回りとなりとてもコンパクト。主場に分類される中山だが、東京/京都/阪神の芝1800mは全てワンターンでツーターンの周回コースはこの中山だけであり、これだけでも特殊な舞台であると言えるだろう。

内有利のトラックバイアス


<トラックバイアス>
2019年 日曜:5.2/月曜:4.1
2020年 土曜:4.9/日曜:2.8
2021年 土曜:3.5/日曜:4.8
2022年 土曜:3.5/日曜:4.3
2023年 土曜:4.3/日曜:4.4

※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

中山記念が行われる中山第3回初週の過去5年馬場傾向を見ると、毎年数値が低く「内有利」の傾向が強い。中山開催は12月から1月まで年末年始を挟んだ約2ヶ月間連続開催となるが、年末はAコース、年明けはCコースと使い分けがされている。
その後2月はほぼ1ヶ月間が東京開催となって休養されて2月末~3月頭に3回開催が開幕を迎えるため、馬場はBコースより内側(約6m分)だけCコースから外側よりも1ヶ月長く養生されていることとなる。

中山記念過去10年枠順別成績(~2023年)

しかしながら、過去10年の枠順別成績を見ると決して内枠の成績が良いようには見られない。このデータだけを見てしまうと「内側の芝が綺麗だから内有利」という理論は矛盾しているように見えてしまう。これについて紐解いてみよう。

過去10年外3枠好走馬一覧

過去10年で外3枠から好走できたのは14頭と過半数にあがるため、枠順だけで評価をすると一見外枠と評価されてもおかしくない。しかし、それら大半は4角4番手以内の先行馬なのである。
先行馬は外枠発走だからと言って終始外を走るわけはなく、先行位置を取るときはそれと一緒になるべく内のポジションを獲得しようとするため、先行馬のほとんどは内を走るわけである。
先行有利であるからこそ、これに伴って内有利でもあるわけだし、「内先行有利」という傾向に間違いはないだろう。

秋冬と春の馬場造りの違い

中山冬~春の馬場傾向

前章では「先行有利」であると述べたが、これには馬場状態の作り方にヒントがある。中山開催は年間5回開催があるが、2度は連続開催となるため3度の開催開幕のタイミングがある。
9月と12月の開幕には開催直前に馬場を解して生育を促しながら競走馬の負担を少なくなるようにエアレーション作業を施している。この作業によって起こる副産物は「差しが決まりやすい」こと。

馬場が解れていると馬場の反発係数が減ることで道中に体力を大量消費をしている先行馬が直線で脚が止まってしまい残りにくくなる。これによりエアレーション作業後は差有利になりやすい。
反対にエアレーション作業をスキップすると馬場が硬いために先行馬が馬場からの反力を生かして最後までスピードを持続するために「先行有利」になりやすいのだ。

例年3月(2月末)の第2回開催開幕前は他の開催開幕前とは異なり、エアレーション作業を施していないため開幕週の中山記念は先行有利の馬場状態で行われているのではないかと考えるのだ。

注目馬

◎エルトンバローズ
近2~3走は小回りの福島芝2000m/大箱ワンターンの東京芝1800mという異なったコースで先行押切の連勝→前走は他馬に押し込められて窮屈な競馬だった。
2走前の毎日王冠は、東京GⅠを勝利している差し馬のソングライン、シュネルマイスターから先行して押し切った勝利は高いレベルを証明できるだろう。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。


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