3分で分かる阪神ダート2000mの狙い方
特殊条件は独特でリピーターも走る
当たり前の話ですが、他にないコースだったり、年に数回しか行われないレースは特殊性が高いです。
例えば、先日フェブラリーSが行われた東京ダート1600m。
このダート1600mはJRAでは唯一のコース。
なので、フェブラリーSも舞台巧者やリピーターがバシバシ来ます。
結果的に今年のフェブラリーSも、カフェファラオの連覇でした。
他にも東京ダ2100m、新潟の千直、札幌芝1500mなんかもJRAでは唯一の施行距離。これらのレースも独特ですよね。
また、中山芝3600mのステイヤーズS、東京3400mのダイヤモンドSも年に1度しか行われない特殊距離なので、リピーターがバシバシ来ます。
ステイヤーズSのアルバートなんかは3年連続勝利、合計4連対と無双してたのも記憶に新しいです。
阪神ダート2000mもJRA唯一のコース
今回のメインテーマでもある阪神ダート2000m。
この舞台も、まー独特です。
JRA唯一の施行距離であることはもちろん、芝スタートだし、コーナーは4回あるし、直線に坂もあるし、非常に独特です。
じゃあ、具体的には、どんな感じで独特なのか。
これは個人的に、直近のリーディングサイアーなんかを見れば一発だと思っています。(あくまでも個人の見解ですが)
1位ルーラーシップ
2位ジャスタウェイ
3位エンパイアメーカー
4位ブラックタイド
5位ハーツクライ
6位キングカメハメハ
7位ディープインパクト
8位エスケンデレヤ
9位キズナ
10位オルフェーヴル
これが、2019年以降の直近3年ちょいの阪神ダ2000mのリーディングサイアーランキングです。
わりと衝撃の並びです。
10頭中8頭は、父サンデーサイレンス系かキングカメハメハ系の種牡馬。
それから、もう少し掘り下げると、大半の馬が芝の中距離G1レース勝ち馬で、種牡馬としても生涯成績がダートよりも芝の勝ち鞍のほうが上回る種牡馬です。
ダート大国の本場アメリカ系の種牡馬は、エンパイアメーカー、エスケンデレヤの2頭しかいません。
ちなみにエンパイアメーカーも、母方は芝のスタミナ指向が強い欧州型で、日本でも秋華賞3着のカイザーバル、中山金杯や中山記念を勝ったフェデラリストを輩出したりと、芝指向の強い米国種牡馬だったりもします。
はいそうなんです、阪神ダート2000mは芝指向なんです。具体的には芝中距離指向ですね。
先にも記載したように、そもそもが芝スタートであることも大きいでしょうし、コーナー4つ、直線の坂の要因などもあって、問われる才能の方向性が、他のダート戦とは全く持って異なる、くらいは言えるかもしれません。
もう一度、上のリーディングランキングを見てもらいたいんですが、阪神ダート2000mと同じように、小回り&右回りでコーナーを何度も回る有馬記念とか、小回り&右回りの芝中距離重賞に実績を持つ種牡馬が多い、みたいな見方もできます。
有馬記念血統、芝の小回り重賞巧者系てきな、そんなアプローチが阪神ダ2000mではフィットします。
そう考えると、ディープインパクトよりもブラックタイドの産駒のほうが期待値が高い点も腑に落ちます。
現役時代は直線の長い主要コースで、異次元の末脚で勝ちまくったディープインパクトとは異なり、兄ブラックタイドの勝ち鞍は全て小回り&右回りコースの中距離戦でしたし、唯一の重賞勝ちも小回りコースの中山芝1800mのスプリングS。
種牡馬としても、有馬記念で3年連続で3着以内に好走したキタサンブラックを輩出するなど弟のキャラとは全く異なり、コーナーを何度も回る小回りの中距離巧者みたいなノリがブラックタイドの強みだと思うので、そんな特性を持つ兄が偉大な弟を凌ぐコースというのも、血統マニア的には興味深いデータだったりします。
今週の仁川Sについて
今週はちょうどいいタイミングで、土曜メインに阪神ダート2000mの仁川Sが組まれています。
上記の内容を踏まえた上で、参考までに注目馬をさらっと挙げてみます。
ダノンハーロック、ユアヒストリーは、2019年以降の当舞台でリーディングサイアーランキング1位のルーラーシップ産駒。
どちらも阪神ダート戦では複勝率100%、阪神ダ2000m戦にも勝利実績を持つ2頭。
ヒストリーメイカーは、先に取り上げた米国種牡馬ながらも芝の中距離指向が強いエンパイアメーカー産駒。
この馬も阪神ダート戦では4戦して連対率100%。一昨年の仁川Sを勝っているように、乾いたダートの阪神2000m戦であれば絶好条件でしょう。
また、繰り返しになりますが特殊条件はリピーターもバシバシ走ります。
そして、こちらも先に触れたブラックタイド産駒も1頭いました。
エブリワンブラックです。
この馬は、自身の勝ち鞍4勝中3勝が阪神ダ2000m戦という、典型的なブラックタイド譲りの舞台巧者。
全兄にキタサンブラック。
前述したように、コーナーを何度も周回する内回り、小回りの芝G1レースを勝ちまくった稀代の名馬。
キタサンブラックが現役時代に阪神ダート2000mで走ったらめちゃめちゃ強かったのでは?みたいな見解はさすがに暴論だと思いますが、今後ブラックタイドの特性を受け継ぐキタサンブラックの産駒が、阪神ダート2000mで頭角を表してくる、みたいな読みは割とオシャレな思考かも知れません。
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