日本ダービー 出走馬 全頭徹底?解説


1番サトノインプレッサ
父:ディープインパクト
母:サプレザ
デビューから3連勝、そしてその勢いまま期待されたNHKマイルカップでは馬場も展開も向かずに初敗戦
一度も速い時計を経験していなかったこと、初の遠征競馬等不安材料自体はあったのでこの敗戦自体に驚いている方はそこまで多くはないでしょうね。
引き続き舞台は東京で速い時計が想定されます、クリアしなければいけない課題は依然多く高く評価しにくいのが現状ですね。
母サプレザも距離適性はマイルにありましたし、先週のオークスの結果を見てもわかる通り速い時計に対する対応は要求されるものの
クラシックディスタンスなので、血統的なスタミナの裏付けも必要で地力重視の馬場状態。前走から評価を上げる事はしにくいですね。

2番アルジャンナ
父:ディープインパクト
母:コンドコマンド
新馬戦の派手なパフォーマンスから東スポ杯時点ではコントレイルと遜色ない評価をされていた馬ですが、蓋を開ければ圧倒的な差
それでも重賞で安定したパフォーマンスを発揮しているように能力の高さは伺えます。
前回対戦したサトノインプレッサとの比較だと距離的な融通もこちらの方が利くように思えます。ただスピード競馬への対応はやはりカギになるかなと。
様々な条件で相手なりに走ってきた実績があるので、この馬に対する評価は直前までしっかり考える必要がありそうです。

3番ワーケア
父:ハーツクライ
母:チェリーコレクト
早々とダービーを目標にローテーションを切り替え、ルメール騎手もサトノフラッグではなくこちらに騎乗と期待度の高さが伺える馬
実際に新馬戦、2戦目と左回り東京でのパフォーマンスは素晴らしいものでしたし当時からダービーを意識させる走りをしてくれていたのには違いありません
ここ2戦の中山戦では本来の切れ味は息を潜めてしまっていますが、冬枯れの中山に重馬場の中山と東京で33秒代前半の上がりを連発していた馬にとっては
不向きな条件だったことも確かです。ベストな条件を狙い万全の調整をしてきたというのは評価できますし
近年のダービーは皐月賞以外から参戦している馬も十分に好走できています、枠順も良い所を引けたので評価する必要がありそうな一頭。

4番レクセランス
父:ディープインパクト
母:エクセレンス2
こちらも皐月賞までは無敗で進んできていた馬で、レース自体は流れに乗れずも直線は脚を伸ばしていましたし良い所がないわけではありませんでした
それまでのレースは全てタイム差ナシの僅差で勝ち上がってきたように勝負強さはありますが、裏返せば抜群な決め手を持っているタイプでもなく
このメンバーでいうならアルジャンナに似ているタイプの馬ですね。元々右回りで内にササる癖等があったように左回りに変わるのはいいですし
前目で競馬を運べれば見せ場くらいはあっても。と思います。思い切りの良い鞍上ですしワンチャンスに期待するのもありなのかなと。穴党の方は要注意。

5番コントレイル
父:ディープインパクト
母:ロードクロサイト
真打ち登場ですね。無敗で皐月賞を制しましたし、その内容も今までに経験してこなかった厳しい競馬を力でねじ伏せるような形
元より中山向きではないことは確かでしたし、仕上げ自体も万全に持ってきているようには見えない中であのパフォーマンスを発揮されてはお手上げでした。
母ロードクロサイトはダート短距離で活躍していた馬ですし、実際にコントレイル以外の2頭残している産駒も路線的には母と同じ道を歩んでいます
その中で父ディープインパクトにかわり、圧倒的なスピード能力を感じさせつつ芝の中距離までは能力でなんとかしてしまうような形
正直距離延長は歓迎とは思いませんが、馬体を見た時に思い出したのが性別は違えど、皆さまご存知の名牝ブエナビスタでした。
かの名牝も見栄えのする素晴らしい体をしていたわけではないですが、コントレイルも同じように無駄が削ぎ落とされたような体をしています。
血統的なモノとレース振りから心配されていたスピードが勝ちすぎて、単調な逃げ先行馬になってしまう。のような事もなかったですし、ここは素直に評価するべき舞台ですね。

6番ヴェルトライゼンデ
父:ドリームジャーニー
母:マンデラ
スタミナが勝っていて切れ味に劣る馬なので距離が延長される事自体は歓迎です。ただ馬がまだ良くなりきっていないのは事実で
ディープインパクトを付けた兄ワールドプレミアも3歳春時点では力を付ききっていませんでしたし、基本的に晩成の血統と判断していいでしょうね
父のドリームジャーニーも2歳G1こそは制していますが、本格化を示したのは5歳だったようにまだこれからの馬です。
現時点でも時計がかかり、スタミナが要求される展開になれば台頭の可能性は秘めてますがやはり期待したいのは秋以降。菊花賞でまた注目したいですね。

7番ブラックホール
父:ゴールドシップ
母:ヴィーヴァブーケ
札幌2歳ステークスの勝ち馬で体は大きくない馬ですが、その後休ませて成長を促した効果もありある程度のボリュームアップには成功しています
ただこの馬も時計勝負に限界があるタイプで、勝ち鞍2つは洋芝ですし以降健闘した弥生賞も時計のかかるコンディションでこの馬にとってプラスに働く状況でした
決まった形での競馬しか出来ない中で前走も相当頑張ってはいますし地力自体は高い、まだ成長の可能性もある馬ですが期待する舞台はここではなさそうです。

8番ビターエンダー
父:オルフェーヴル
母:ビタースウィート
プリンシパルSで権利を獲得しダービーに駒を進めてきた馬ですね。プリンシパルS組だとコズミックフォースが大穴を開けたのが記憶に新しい所で競馬の形も似ているのが当馬
先行馬でどこか地味なイメージのある馬ですが、まだ東京では馬券を外したことがありませんし立ち回りも上手な馬で実は絶好の舞台。
トライアルから皐月賞に挑んだ馬ではないのでローテーションの見た目以上にまだ余力もあるのかなと考えてよさそう。
ダービーの大番狂わせは先行馬から起こるので(近年だけでもロジャーバローズ、コズミックフォース、アポロソニックなど)穴党の方は頭の片隅に残しておいた方が良い馬かもしれません。

9番ダーリントンホール
父:New Approach
母:Miss Kenton
前走時も追切の動きがとてもよく、穴馬としての評価をしていた馬ですが結果は中山が合わなかったのかなという形で力こそは見せるもという内容
ただ今回に向けて何も割り引く必要がないような走りでしたし唯一東京を経験した共同通信杯の内容はかなり強かったこともあり、まだ奥がありそうな馬に思えます。
共同通信杯の勝ち馬がダービーでも活躍するのが何も珍しくないですし、この馬もビターエンダーと同じくトライアルを使わずに皐月賞に直行した組なのでローテーション的にも余裕があります
血統的にも馬体的にも将来はマイルからミドルディスタンスで活躍する馬なのかなと思いますが、現状の完成度や走りも素晴らしいので皐月賞に続き印を打つ事になると思います。

10番コルテジア
父:シンボリクリスエス
母:シェルエメール
母シェルエメールが短距離馬だったので短い距離からの使い出しになりましたが、結果的に1800のきさらぎ賞で重賞初制覇
前走の皐月賞もかなり馬場の悪い内側を通って追い上げてきたもので着順、着差以上に評価して良い走りでした。
それでも走りと血筋的に本来の適性はマイル寄りなのかなという嫌いはありますが、想像以上に芯が入っている馬なので印を回すか検討する必要がありそうです。

11番ガロアクリーク
父:キンシャサノキセキ
母:ゴールドレリック
マイラーという評価だったのですが皐月賞では3着。ある程度の融通が利く点は見せてくれましたが終始馬場の良い所を通りロスがなかったのも事実です
血統的な先入観ではなく、重心が高く素直に回転するフットワークなので本質的にクラシックディスタンス向きではないのは確かなポイントで
スローの瞬発力だけが要求される展開になった場合は台頭の可能性があるのかなと。近年のダービーは距離適性の誤魔化しが利きにくいので前走の着順通りの評価は危険かなと。
馬を見てもダービーへ向けてフォルムチェンジした感じもしませんし押さえ以上の評価はしにくいですね。

12番サリオス
父:ハーツクライ
母:サロミナ
先程フォルムチェンジという言葉を出しましたが、こちらはダービーへ向けてしっかりと2400メートルに対応できる体つきに仕上げてきました
さすがは堀厩舎と言わざるを得ませんね、重厚感のある走りっぷりから将来的にはモーリスのような路線を歩むのではないかなと想定していますが
ダービーへ向けた仕上げに関してはほぼ完璧に近い形で持ってこれています。大型馬ですが決して重苦しくないですし
マイルでレコードVをしているように時計勝負にも対応可能な馬です。東京コースへの適性は既に示していますしコントレイルと同じくこちらも高く評価しなければいけないでしょう。

13番ディープボンド
父:キズナ
母:ゼフィランサス
かなりキツイローテーションで臨戦してきていますが、一戦ごとに確実に馬が良化しているのは間違いありません。
皐月賞は終始馬場の悪い所を走る苦しい形で見せ場を作れませんでしたが、京都新聞杯はこの馬向きの展開にはなったとはいえ一皮剥けた走りを披露してくれました
この馬に対する評価は秋以降本番かな、菊花賞で面白そうだと考えていたのですが馬自体は思ったより早く成長してきてます。
父キズナなので父子3代ダービー制覇という偉業がかかっていますし馬自身もダービーへ向けて整ってきました。
不安点を挙げるとすれば持久力タイプで瞬発力に欠けている点、決め手比べになってしまうと分が悪いので理想はハイペースの消耗戦です。展開次第でチャンスはありそう。

14番マイラプソディ
父:ハーツクライ
母:テディーズプロミス
昨年末時点ではコントレイル、サリオス、続いてマイラプソディの3強というのがクラシックへ向けた大方の評価だったのですがこの馬だけ脱落して伏兵の扱いになっていますね
走りがどうこうというよりは陣営も挙げているように気持ち面の問題なようで、今回はそれを工夫する形で調整してきています。
なかなか見れない栗東CWを左回り、レースでも着用予定のチークピーシーズをつけて追い切り。最近のこの馬に見れなかった引っ掛かるくらいの行きっぷりの良さを見せていました
ここへ向けて出来る事はしてきた形ですし、乗り替わりの鞍上が横山典弘騎手というのも不気味さを感じさせます。
元より皐月賞よりダービーというタイプでしたしハーツクライ産駒なのでこのまま終わるとも考えにくいです、今年に入ってからの走りがクラシック候補と呼ぶには遠いのも事実ですが
走られた時にああやっぱり…ってなるくらいなら、ダービーへ向けた工夫をしてきていますしまだ見限らずに注目するのもありなのかなと思っています。

15番サトノフラッグ
父:ディープインパクト
母:バラダセール
私の皐月賞時の本命はこのサトノフラッグでした。それまでのパフォーマンス、追切の動きから間違いなく好勝負すると判断していたのですが結果は5着
直線入り口までは突き抜けるかのような手応えで回ってこれていただけに追ってから案外で、陣営側も敗因がわからないといった形のレース
そもそも力負けなのであればあの手応えで回ってくるのは無理でしょうし、こちらも気持ちの問題だったのかなということで陣営はあえて余裕を残す調整を選択しました
それでも相変わらず追切の動きは抜群にいいですし、手前替えも非常にスムーズだったので久々の左回りも問題なさそう。
今回のレースはコントレイル、サリオス、サトノフラッグが上位人気という事前の想定ですが、この3頭の共通点は2歳時に東京の2歳レコードを各自違う距離で更新している点
能力の裏付けがありそれらの馬が集まるのがダービーだったというのは自然の流れでしょうね、この馬に対する評価は変わりませんしコントレイルを逆転できる候補と見ています。

16番マンオブスピリット
父:ルーラーシップ
母:サンデースマイル2
前走の京都新聞杯は綺麗に流れが向いた形でディープボンドにこそ負けてしまいましたが、以下はしっかりと抑えたといっていい2着
ただこの馬もそれまで時計の裏付けがなく、京都しか走ったことがないというのもダービーに出走してくる馬ではかなり珍しい部類なのではないでしょうか
決め手はありますしまだ伸びしろのありそうな馬ではありますが、現状未知な部分が多く京都新聞杯組ではディープボンドを一番高く評価するのが自然な流れなので
この馬に回す印があるかと言われたら…といった形です。枠的にも立ち回りに誤魔化しが利きませんし苦戦を強いられるのではないかなと見ています。

17番ヴァルコス
父:ノヴェリスト
母:ランズエッジ
直前に皐月賞を使ってない組ではワーケアの次に評価したいのがこのヴァスコスですね。前走の青葉賞は東京でマクる戦術を選び、まともな馬なら最後まで脚が続くことは考えにくい中で2着
相当なスタミナを秘めているといっていいでしょう、そして時計的にも優秀なレースだったので時計に対する裏付けも持ってきたのがトライアルの青葉賞
父ノヴェリスト母父ダンスインザダークと機敏さには欠ける血統ではありますが、あのディープインパクトを排出している母系ですし考えている以上に奥が深い可能性があります
秋にはダービー以上に現実的な目標になりそうな舞台が残されていますが、前走のパフォーマンスからここでも印を打ってみたくなるような走りだったので厳しい枠ではありますが注目しています。

18番ウインカーネリアン
父:スクリーンヒーロー
母:コスモクリスタル
前走はあっと驚くダービー権利獲得の4着。馬券にこそ絡めませんでしたがコースへの適性の高さを示したといっていいでしょう。
ここは東京に替わり、距離も延長、枠も大外でこの馬にとってポジティブに考えられる要素が一つもないかもしれないくらい厳しい条件になってしまっています
真っ向勝負では恐らく厳しいので、奇策を仕掛けるというのが一つの可能性としてありますが、この枠だと選択肢は一つになってしまうので鞍上がどう乗るか注目ですね。

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