ジャパンC 全頭診断

ムイトオブリガード

東京2400〜2500の距離実績はあるものの、戦ってきたメンバーが今回と比べて低すぎる。また追い込み馬なので展開次第だが、ほぼノーチャスだろう。トニービン持ちで1枠となると少し狙いたくなる気持ちも分かるが、ここでは厳しいと判断。

コントレイル

巷では「最弱無敗の3冠馬」と言われているが、それはこの馬の事を全然理解できていない。世代でみると確かにレベルは高くはない。3冠を取れた理由も世代レベルの低いことによるものだと言われても仕方ない。しかし全レースの質は、強い馬にしか成し得ない程のレベルにあり、「最弱の馬」には到底不可能な次元にいる。恐らくここ3走で勝ててない点で評価が下がっているのが現状だろう。

'20 ジャパンC 2着 

3000mの菊花賞から参戦して、ジャパンCはすでに秋3戦目。ホープフルSから馬体重も増える事なく、ジャパンCの時には−8キロも減っていた。休み明けが良いタイプで、状態面やおつりを考えてもこのローテーションはきつかったはず。その中で、アーモンドアイには敗戦したものの2着と素晴らしい結果を残した。負けて強しである。

大阪杯 3着

休養明け1戦目で、距離舞台すべてが整っていた。しかし重馬場だけがこの馬にとって最悪の状況だった。矢作調教師も「すぐにでも出走を取り消したかった」と言う程だ。3着には負けたものの、1・2着とは適性の差であり、力負けではない。むしろ、グランアレグリアを差して良く3着に来たなというべきである。

天皇賞(秋) 2着

大阪杯から立て直して、状態はかなり良かった。しかし直線終始内にもたれ、上がり最速を出すも差し切れずに2着。負けたエフフォーリアは日本競馬界をリードする馬であり悲観する程ではない。ここでもグランアレグリアよりは先着しているので、相手が悪かった。しかし本音はここで勝ってほしかった…距離に融通が効かなくなっているのだろう。10回やっても7回はエフフォーリアが勝つと思う。それくらい強い馬に負けた。

以上負けた3レースを振り返ってみたが、高いレベルにいるのは間違いないと言える。「最弱無敗の3冠馬」とは甚だしい。しかし先ほども述べたように、距離に不安が残る。最後甘くなり、この馬より強い馬がいた場合は差しきれないもしくは、差されてもおかしくない。ただ、メンバーレベルは昨年よりも低く、力を出し切れれば勝てる。福永騎手とコントレイルの最後のレース。しっかり目に焼き付けたい。

ブルーム

前走は、ラブズオンリーユーが勝利した同じ競馬場で2着と健闘。デルマー競馬場は「馬場が固い」という特徴があり、日本の競馬場に近いものがある。例年海外馬が苦労する馬場という点に関しては、それ程問題ないだろう。血統的にもジャパンC3着ウィジャボードの血が入っていることから、話にならないという事はないと言える。枠も内枠に入ったので、好位追走できれば楽しみがある一頭。ただ、この後香港も視野にあるそうで、凱旋門賞を走っていることなどを考えれば不安。

シャフリヤール

最強世代のダービー馬で言うまでもなく強い。前走は不良馬場で度外視。この馬のベストパフォーマンスは毎日杯・ダービーである。毎日杯は1000m通過57.6というペースで、その後緩む事なく11秒台のラップが坦々と続いた破格のラップ。また今年のダービーの後半1000mのタイムは他の年と比べても早く、かなりレベルの高い一戦だった。瞬発力とスピードの持続力の両方が求められた強い馬が勝つというレース。その2つのレースを勝利しているのが当馬であり、初古馬戦でも不安はない。神戸新聞杯組は反動の影響で次走結果が振るわないが、当馬はしっかり休養を挟みここを目標にしてきた。状態面の心配もなく、持ち前のスピードの持続力を活かせればここでは勝ち負けだ。

キセキ

陣営のコメントから恐らく今回逃げるだろう。瞬発力やスピードの持続力は確実に衰えているので、自分の得意な消耗戦に持ち込みたいはず。前走は11.8-13.0とかなりラップが落ちる展開でこの結果マカヒキやキセキは好走できたと推測する。昨年よりレベルが落ちる今回、自分の競馬に持ち込んでどこまでやれるかだろう。

グランドグローリー

馬場が悪い中で結果を出している馬だが、血統的にはAlzaoやLyphard、Machiavellianなどキレという部分で海外馬の中では1番注目している。しかし長距離輸送・牝馬は、さすがにここでは厳しいだろう。

オーソリティ

東京競馬場3-1-0-0と良績で、距離も不安がない。今回と同舞台の青葉賞でもラスト3F11.6-11.5-11.5と止まることなくスタミナ豊富さや持続力見せつけた。この時の勝ちタイムも悪くなく、今回同舞台であれば期待したい。叩き2走目で追い切りからも上昇度を感じられる。このメンバーでどこまでやれるか今回は楽しみだ。

ウインドジャマー

芝で結果を出してないため厳しい。

アリストテレス

スタミナが豊富で上腕や前胸などの大きさは心肺機能の高さを示す。持続力勝負の方が力を発揮できるが、瞬発力勝負にも対応できるバランスの良い馬。菊花賞ではコントレイルと接戦を繰り広げたので期待したいが、前走の負けが気になる。京都競馬場でしか上がりを最速を出せていない点も気になる。東京では致命的なのでは?状態は前走よりも良さそうなので、横山武史の積極的な先行策でどこまでやれるか。

ロードマイウェイ

距離も長く、近走かなり後ろからになるのでここでは厳しい。

シャドウディーヴァ

前走やっと牝馬限定戦で勝てた馬が牡馬相手に通用するとは思えない。得意な東京×ハーツクライ距離延長でどこまでやれるか。

サンレイポケット

前走は騎手がロスなく内を選択したことで、4着と激走。東京巧者であり、成長力のあるジャングルポケット産駒という点は魅力的である。調教では前走のように、本番を想定した走りを見せており本気度が伝わってくる。しかし、かなり間隔の詰まったローテーションで秋3戦目。調教は長めから追えているがはたしておつりはあるのだろうか。前走くらい走ることができれば、見せ場はあるだろう。

モズベッロ

大阪杯・・・重馬場 2着
宝塚記念・・・稍重 3着
イメージ通り馬場が悪く消耗戦になったときに好走する馬。右まりでこそであり、今週はCコースで馬場もそれ程悪くないとなれば厳しい。

ユーバーレーベン

今年のオークス馬で舞台設定は良い。斤量も53キロと魅力的である。瞬発力に長けている馬だが、後方からの競馬になるため展開が向くかどうか。

マカヒキ

前走は11.8-13.0と特殊ラップ。キセキがつくるペースなら面白いかもしれないが、瞬発力が問われる展開になると厳しい。

ユーキャンスマイル

前走より距離が伸びるのはプラスだが、2400は現状短い。この馬もキセキがつくるペースなら一発あってもいいが、ピークは過ぎているだろう。

ワグネリアン

東京では堅実で、6歳の割にはまだ16戦しかしていないので衰えという点ではまだピークアウトはしていないはず。距離適性はバッチリで復活するならここだろう。ただ外枠はマイナス。

ジャパン

血統背景や前走固い馬場でブルームに負けている点を考えれば日本の馬場は合わない。海外馬の中では1番ノーチャンス。

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