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心電図が読みたい<経過観察編>

対象読者:心電図をミニマム学び、その後の対応まで知りたい医学生

佐藤弘明先生の「レジデントのためのこれだけ心電図」を読みました。心電図の波形を理解するのに必要な病態の説明。心電図を読んだ後の対応まで書かれていてとても実践的だなと感じました。

自分の勉強を兼ねてアウトプットとして記事を書かせて頂きます、本の内容を自分なりにさらに凝縮してまとめます。

今回は経過観察で良い不整脈を4種類紹介します。その4つとは洞性頻脈洞性徐脈心室期外収縮上室期外収縮です。

経過観察の不整脈を学ぶ意義

経過観察なら学ぶ意義は少ないのでは??と思った方もいるかもしれません。ただし、この4種類の不整脈を学ぶことによって心電図の理解が深まります。洞性頻脈と洞性徐脈を学ぶことによって心筋の興奮が洞結節から起こっていることがわかります。2種類の期外収縮を学ぶことによってQRS波の幅によって興奮が起こっている場所がわかるということがわかります。

洞性徐脈と洞性頻脈

洞性徐脈と洞性頻脈は、どちらも洞結節から興奮が起こり、心筋まで興奮が伝導します。したがって、P波もQRS波も正常な形をしています。異常なのは、洞結節の興奮の頻度です。正常な心拍数は50~100です。これより心拍数が少なかったら洞性徐脈、多かったら洞性頻脈となります。どちらも原因の結果として発生します。なので、この2つの心電図をみたら原因の検索を行います。

タキってるとブラディとは??

よく、タキってるとかブラディとかを心電図を読んでいると聞くことがあるかもしれません。タキってるとはtachycardia(頻脈)からきています。ブラディとはbradycardia(徐脈)からきている略語です。

期外収縮

期外収縮とは、正常なタイミングではないところで心拍が発生することです。タイミングは必ず正常なタイミングより必ず早いタイミングで発生します。上室期外収縮と心室期外収縮の異なるポイントはQRS波の形です。上室期外収縮ならQRS波の幅は狭く、心室期外収縮ならQRS波の幅は広いです。

心室から興奮が発生している場合のQRS波が広い理由ですが、心筋の仕事は収縮することであって、興奮を伝導することが仕事ではないこと。心筋の筋肉量が大きいことです。興奮の伝導に時間がかかり、かつ、心筋の量が大きいため興奮の伝導に時間がかかります。よってQRS波の幅が大きくなるのです。

ただし、注意して経過観察する必要のある心室期外収縮があります。心筋梗塞の患者でT波に重なっている時、2連続の時、形がバラバラの時は心室頻拍に移行する可能性があるので注意して経過観察しましょう。

今回は以上です。次回は虚血性心疾患の総論を紹介します。最後まで読んで頂いた方は本当にありがとうございます!!もしよろしければnoteのフォローやtwitterのフォローよろしくお願いします。

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