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【桐生市福祉事務所の続編】小林美穂子氏(つくろい東京ファンド)の記事を読んで思うこと

桐生市福祉事務所の生活保護の不適切業務に関連し、つくろい東京ファンドの小林美穂子さんによるインタビュー記事が注目を集めています。

「9年が経ち、やっと話せるようになった」とめぐみさん(仮名)。
彼女の父親は市営住宅で単身生活を送っていたが生活に困窮。桐生市福祉事務所との生々しいやりとりが記録されています。

個人的には「読むたびに対応に腹が立つ」「同じCWだが嫌悪感すらある」と率直な感想を持ちました。皆様にもぜひ、一度確認していただきたい記事です。

以下、ポイントを抜粋

  • 父自ら2度生活保護相談に行くも申請には至らず

  • 「家族で支え合え」「実家へ戻れ」一点張りで市営住宅は退去

  • 実家は不仲のため父は母屋で生活。心不全と栄養失調を抱える

  • 保護申請意思を伝えるも「家計簿(1か月分)」を渡さる水際作戦

  • 唯一収入のある夫の資産状況を収集し、援助するように迫る

  • 司法書士を通じてようやく保護申請を受理

  • 保護決定時に来所しためぐみさんに対し、父の人間性を非難する罵声

  • 手術後すぐに前橋市(桐生市の管轄外)への施設入所を勧める

  • 施設入所との交換条件に「保護辞退届」を提出させる

  • 桐生市が他市へ転居するよう伝えたことは口止めさせられる

  • 保護辞退を取り下げたいと伝えるも応じてもらえず

  • 前橋市福祉事務所へ保護申請。

不適切な内容をおさらい

上記でポイントはまとめました。
が、「すべての過程が不適切行為と違法行為で構成されている!」と言っても過言ではなく、出来事のすべてを列挙したいくらいの気持ちです。

  1. 保護相談時
    【不適切】父が困窮状態にありながらも放置。追い返しor家族へ丸投げ。
    【不適切】複数回相談ある中で悪化の一途を辿るも、手を差し伸べない。

  2. 保護申請時
    【違法】申請意思を明確に伝えているのに応じない。
    【不適切】緊急性がある中、家計簿を手渡して金銭管理を助言。
    【不適切】安価で生活するよう指示し、家族へ資産調査して支援要求。

  3. 保護決定時
    【不適切】司法書士が介入してようやく申請書を受理。
    【不適切】保護決定時には人間性を非難する罵声を浴びせる対応。

  4. 保護受給中
    【不適切】転居を勧められるも、その転居先が市外の施設。
    【違法】保護が切れないよう「移管」するのではなく、保護辞退を迫る。

  5. 保護廃止後
    【違法】保護辞退の取り下げを伝えるも、応じない。

桐生市の保護率低下は「自然現象」?!

  • 申請時:申請を何度も跳ね返す、鉄壁の水際対策

  • 受給中:本人や家族への精神攻撃と他市への転居誘導

これだけの不適切な運用をしていれば、当然、生活保護を受けている人は減少すると考えられます。誰もが「桐生市で生活保護を受けたくない…」と思うのではないでしょうか。

しかしながら、令和5年12月の桐生市記者会見時に、小山福祉課長は「生活保護世帯数の目標数はありませんので、あくまでも自然現象と思っております」と回答。また、平成23年当時に保護課係長として配属された助川部長は「課長のお答えしたとおりで、数字等のコントロールをしたということは一切ございません」と断言しているから驚きです。

桐生市では内部調査チームが結成され、さらには第三者による検証委員会も設立されますが、どのような報告がなされるのでしょうか。

最後に

福祉事務所は国民のセーフティーネットである「生活保護」を担う重要な窓口であることは言うまでもありません。しかしながら、このような運用を平然としてしまうのには、何か理由があるのでしょうか。これは私自身の研究材料にもなりそうです。

生活保護を担う窓口であるため、その相談者は全員がそれぞれに悩みを抱えて来所します。そこで親身になって耳を傾けるからこそ「もしかしたら生活保護よりも良い手段があるかもしれない…」と考えられるのであって、決して追い返すように対応するものではありません。

当然、申請意思があればこれを受けてから対応するのも、職員としては当たり前の職務です。当たり前のことが当たり前にできる職場は、これほどにも難しいものなのでしょうか。



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