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大晦日

朝、結露した窓を開けると向かいの屋根に雪がうっすら積もっていた。
昨夜お風呂場で洗ったルームシューズを外に干して寝たので、それはベランダで凍っていた。
寒い寒い大晦日だ。

日頃より丁寧に、普段行き届かないところまで掃除をする。
掃除に飽きたら書類の整理をする。
懐かしい物が出てくるたびに作業の手が止まる。
勤続の表彰状を捨てた。
厄払いの時に頂いた一式は、来年すぐに神社に返しに行こう。

いつも通りのようでいつもと違う年末。

今朝のゴミ出しの時吸い込んだ冷たい澄んだ空気。
外で思い切り深呼吸したのはいつぶりか。
今日で2020年が終わる。

こんな未来がくることを予測できるほど賢くないので、年の始まりは呑気なものでした。
今年は楽しみなライブがいくつもありました。
新しい形の人形が出来たから、絶対に実物を見てもらいたいと意気込んでいました。

いつも通りの、当たり前の日常がベースにあり、その上で成長したり挑戦したり息抜きしたり、していけるものだとばかり思っていました。

こんな世の中だからこそこれまで以上に、四季に触れると美しいと感じ、人の優しさが滲み入り、傍にいてくれる人、在る物のありがたさや大切さ、何気ない日常を噛みしめることが出来たように思います。

来年は個展を控えているのでそれ以外のことは何も考えられません。
この新しい時代の中で、自分はどう生きるのか。
進むべき道を作り上げて行く日常を、ただただ積み重ねていくだけです。

今年も本当にありがとうございました。
来年も、どうぞよろしくお願い致します。
笑顔で会える日を楽しみにしています。
それでは良いお年を!

大西けい


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