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土曜の朝

見上げれば海の手前、電車が通過していく。
その下を川が流れていく。
道からはるか下を見下ろすような川。流れの幅は3メートルもあるかないか。幅跳びの得意な人なら飛び越えられそうだ。
けれど助走をつけられるほどの河原はない。
ここを散歩するには、どこから降りていけばいいのだろう。黒い鳥が長い首を前にかしげ、ゆったりと泳いでいる。
と思う間もなくするりと潜る。
浮かんでこない。

鵜(う)?

わざわざ鵜飼いを見にいくまでもない。
鳥は其処此処にいる。
おまけに彼の鳥は獲物を吐き出す苦悩もない。
土曜の朝。
いつも通るこの通り。こんな日常があったとは。
今まで見落としていたのかもしれない。

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