鼻が詰まる
生まれて初めての入院がこんな形で良かったと思う。
そもそも入院なんて1回もしないのが一番。
緊急事態宣言が漸く解かれた6月21日、窓の外の新緑を眺めながら、
ああ、窓際で良かったな、と思う。
内視鏡下鼻内副鼻腔手術
鼻中隔矯正術
下鼻甲介粘膜切除術
僕の行う手術名であるが、要するに『鼻の中の異物をとって、鼻の骨を真っ直ぐにして、鼻の中をキレイにする手術』である、と理解している。
もともとアレルギー性鼻炎を持っているが、恐らくハウスダストに一番反応する。残念ながら、我が実家はハウスダストが多いので、実家を出る大学卒業までは鼻のムズムズに悩まされていた気がするが、そもそも実家がハウスダストが多い事に気付いていなかった。大人になって帰省するようになってから、この家はやばいな、と気付いたものである。
小さい時から運動が好きな理由の1つとして、運動している時だけは鼻がよく通る、という理由もあった。大学生の時は常に鼻セレブを持っていた。
鼻が通らず、口で息をするので、すぐに喉を痛めて、年に4、5回風邪を引いていた。こう書くとなんとも可愛そうな子に見えるが、特に人に迷惑をかけるわけでもなく、人から非難されるわけでもなく、自分が少しだけ辛いだけの事なので、点鼻薬でごまかしていたし、実際点鼻薬でごまかせていた。
このまま一生、この鼻を付き合っていく事もできるし、手術をしたからと言ってアレルギーが治るわけでもないのもわかっていたが、35歳を過ぎた頃からなんとなく、今までよりもティッシュの量が増えたような気がする事と、寝つきが悪すぎるので、2021年は健康年とすると決めた事もあり、手術を受ける事にした。
ちなみに、2020年は全ての歯の治療を受けた。多分、15回くらい歯医者に通ったと思う。またジムにも週2行き始めて、もうすぐ1年経つ。こんなに健康志向になれたのは皮肉にもコロナ渦による在宅勤務のお陰である。
さて前日に入院して、翌日朝には早速手術。初めての全身麻酔に少しドキドキ。
手術台に寝転んで、上から掛けたれるエアーマットがやけに暖かくて気持ち良い。点滴と入れて、マスクを付けて・・・・・もう手術は終わっていた。
全く記憶もなく、夢も見ていない。
終わったのは昼過ぎなのだったが、結果的にここから夜までが一番辛かった。
鼻への違和感はもちろん、唾に血が絡むので、何度も唾を吐かないといけないし、鼻の綿を変えないと血が出続けるし、頭痛もあり、熱も出る。
痛み止めを2回程、点滴してもらってマシになったけど、その後はやはり口呼吸を続ける事に対するストレスが半端なく、無性に家に帰ってゆっくりとした家庭料理を食べたい、食べれた日が本当に有難い事であったというのは再認識するほど弱っていた。とにかく、副鼻腔にも詰めている綿をとってほしい、鼻で少しでも呼吸したい一心であった。
先生に、綿をとりたいです。と伝えるも案の定、それは我慢して下さいと言われた。更に言われたのはこの綿は退院までとれないという事。。
今思えばこの時の絶望感が一番辛かったが、人間というのはすごいもので、口呼吸しかできないと思えば、うまく口呼吸ができるようになるもの。
口でスーハーするのではなく、口の上を舌で舐めるようにすれば、喉の乾きもなくなるし、同時に息もできる事に気付いたのが夜の10時頃でそのまま寝れた。
翌日、先生から、なかなか寝れない人もいるので、よく寝れて良かったですと言ってもらえ、あーあと4日間も鼻は通らないのか。。ま、頑張るかという感じである。
僕の手術は合計で5泊6日。ネットで鼻中隔湾曲症とか調べると日帰り手術ともかあるみたいだけど、全く程度が違うものらしい。実際先生にも、こんなに鼻の中が曲がっている人は見たことがない。昔喧嘩でもしましたか?と言われたほど。
(恥ずかしながら喧嘩はしたことはない)
鼻血に関しては、術後2日後からかなりマシにはなっていたのだけれど、鼻の綿をとると血が少し出る状態は続いており、退院の時まで鼻血は出ていた。と考えるとなかなか鼻にストレスがかかる手術をしたのだなあと思う。
お陰様で今はよく鼻が通るようになった。
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