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iPad mini 6からGalaxy Z Fold5に移行したが、たった1年で出戻ることになった話

いまからちょうど1年前、iPad mini 6からGalaxy Z Fold5に移行しました。

が、今になってiPad mini 6に出戻りすることになりました。

「ポケットに入るコンパクトな作業環境を実現できる!」と息巻いていたものの、実際に使ってみると気になることが多かったんですよね。

この記事が公開するちょっと前にGalaxy Z Fold6が発売されたこともあり、そちらを検討している人も多いと思います。

それはおそらく「ポケットに収まる大画面のメリット」を感じて検討している人が大半だと思いますし、私自身もその1人でした。

そこでこの記事では、過去にiPad mini 6からGalaxy Z Fold5に変えたものの、うまく移行できなかった理由を紹介していきます。


前提として、私はApple製品が好きでメインスマホは昨年までiPhoneでした。PCはWindowsもありますがもっぱらゲーム用、メインの作業や暇つぶしにはMacやiPadを使っていました。

Android端末は2014年のNexus 9を最後にほとんど触っておらず、2022年にPixel 7を購入して出戻りしたレベルです。現時点でのメインスマホはGalaxy S24 Ultraを使っており、他にGalaxy Z Flip5、Pixel 8を使用しています。



端末自体が高価かつシビア

ケースで保護した上で丁寧に扱う必要がある

Galaxy Z Fold5を使って何より気になってしまうのが、端末の取り扱いがシビアなこと。というより、シビアに感じてしまうことです。

「折りたたみディスプレイは普通のディスプレイより弱い」

この先入観が抜けないんです。

おかげで「落とせないしぶつけられない。どんなに大切にしていても、万が一が起きてしまうこともあり得る。」と、いろいろ考えているうちに敬遠気味になっていました。

実際のところ、ディスプレイやヒンジは20万回の開閉耐久試験をクリアしているので、パカパカするだけならそこまで気にしなくて良いはず。

ただ、剥き出しのヒンジなのに防塵等級がないことやディスプレイ中央に黒帯が入って使えなくなる故障報告。壊れても修理する場所が限られているかつ高価。それなのに本体価格が25万円もすること。

普通のスマホならよほどのことがない限り壊れないのに、折りたたみスマホなら通常の使い方でも壊れるのではないかと邪推を生んでしまうんです。

Galaxy Z Fold5をこんな使い方をして海にドボンしたらもう大変(筆者でなく友人)

先日、沖縄旅行に行ったんですが、その際にはGalaxy Z Fold5を持っていきませんでした。

旅行中は非日常になるので落としたりする可能性も上がりますし、ビーチの砂が入り込んでしまったらマズいと思ってしまったんですよね。

飛行機内や現地では大画面を活かして活躍できそうだと思ったんですが、もし何かあったらと思うと「持っていく」という選択はできませんでした。

ズボンのポケットに入れていたのにヒンジに凹みができた。なんと、買ってたったの1週間。

ちなみにですが、私のGalaxy Z Fold5はヒンジに凹みができていたり、メインディスプレイの保護フィルムに薄い線キズができていたりと、多少なり使用感があります。

元が高い端末だけあって大切に扱っているものの、上記のような折りたたみスマホ特有の部分までキレイに扱い続けるのはなかなか厳しいなと感じています。

表示がスマホ

Galaxy Z Fold5は開くことでミニタブレットサイズの大画面が使えるのがメリット……なんですが、開いてもなぜかスマホ表示になってしまうアプリが多々あります。

画面比率がスクエアに近いので、縦の情報量が少なくなってしまうんですよね。
ウィンドウモードにするなどの回避方法もありますが、この仕様のおかげで大画面をうまく活かせるかは五分五分です。

OneUIの画面レイアウトはマルチ表示にしてあるのタブレット表示にならないことが多々ある。

ちなみにですが、OneUIの倍率表示は「マルチ表示」にしていますし、フォントサイズは左から4番目くらいの小さめサイズにしています。

それでもタブレット表示になるアプリとならないアプリがあるんですよね……。ディスプレイ表示の横幅pxが基準だと思うんですが……。

現状、私がよく使うアプリでは以下の3つが特に使いづらさを感じています。

  • Google Chrome

  • Amazonショッピングアプリ

  • Gmail(縦持ちの場合のみ)

実際のスクリーンショットはこちら。

Chrome

タテ画面
ヨコ画面

Amazonショッピングアプリ

タテ画面
ヨコ画面

Gmail

タテ画面
ヨコ画面(ヨコでは2カラムになって快適になる)

開いてそのままノンストレスで大画面のメリットを享受できると良いんですが、開いて普段通りに使おうとするとちょっと困るという感じ。

いろいろ設定を見直したりしたものの、どうしてもスマホ表示になってしまうので諦めてます。

もちろん、大画面に最適化されているアプリもあります。

Notion(タテ画面)

たとえばNotion。

PCのようなサイドピーク表示はできませんが、縦向きの表示では特に文章の表示量がちょうどよく見やすい感じになります。
スマホで見るより段違いで見やすいのでお気に入りです。

Kindleライブラリ(タテ画面)

Kindleもちょうど良い感じ。

ライブラリには8冊+4冊の表紙が表示されていて選びやすく、本も実物と同じような印象で表示できて読みやすいんですよね。

固定レイアウトのKindle本(タテ画面)
固定レイアウトのKindle本(ヨコ画面)

漫画や雑誌などの固定レイアウトの本も、縦持ちでは1ページですが横持ちでは見開きになるので、読んでいる本の内容に合わせてすぐ向きを変えられるのも良い感じです。

YouTubeのようにただ大きくなるだけで見やすいものもあるが……。

「最適化が多くのアプリで進めば、よりFoldタイプの折りたたみも使いやすくなるのに……」と思います。

Foldタイプの折り畳みスマホは普通のスマホと異なる画面比率なことに加えて販売台数が少ないので、アプリ開発者からしたらわざわざ調整・開発するのが割に合わないんですよね……。

せっかくの大画面を活かせるソフトウェアが増えれば使い勝手が向上してより魅力的になるはずですが、こればかりは解決にすこし時間がかかりそうな問題です。

いちいち広げない

ぶっちゃけ、あんまり開かなかった。普段使いならサブディスプレイでも十分。

Galaxy Z Fold5を使っていて思ったのが、思ったより広げて使わないことです。
体感では「9割は閉じて、1割は開いて」くらいの感じです。

これには前述のアプリの最適化の問題もありますが、多くは私の環境が原因かなと感じています。

  • 家 / 会社ともに目の前にPCがある

  • 車移動が99%

電車移動が多かったり、フリーアドレスのデスクで仕事をしていたり……といった環境であれば、もう少し開く頻度も高くなるはずです。

開いてデスクに置いておいてカレンダーやリマインダーとして使っていた時期もあったんですが、その役割がしっくりこなかっただけでなく、先日購入したiPad Pro 13インチに役割を奪われてしまいました。

Galaxy Z Fold5はサブディスプレイがそこそこ実用的なサイズになっているかつ片手で持ちやすい幅なので、油断していると閉じたまま使ってしまうんです。

初代Galaxy Foldくらいのサブディスプレイサイズ(4.6インチ)だったら、率先して開いていたのかもしれません。

重いし、まだまだ分厚い

ガラスフィルムと純正Sペンケースをつけただけで310gもある。

Galaxy Z Fold5の重量は253g。純正Sペンケースやガラスフィルムなどをとり付けると、約300gほどになります。

ハッキリ言います。重いです。
片手で使うと10秒後には筋肉痛になって、1分後には腕が肩から外れて落ちます。

「片手で持つから重いんでしょ?開いたら両手で持つよね?」と思いきや、意外と開いたときも片手で持っているのが大半なんですよね……。

ズボンのシルエットを気にする人はポケットに入れちゃいけない。

厚みもケースをつけてしまうと18mmほどになってしまうので、ポケットに入れた際にはポッコリと膨らんでしまいます。

「バッグに入れれば?」と思いますが、むき出しのヒンジを考えるとそうもいかなかったり。

せめてスマホ単体でGalaxy Z Flip5くらいの重さになって欲しい。

Galaxy Z Fold5に限らず、スマホは200g後半になると手軽さがなくなる感じがするので、できれば本体のみ200g以下になってくれると助かるんだけどという感じ。

現時点ではFoldタイプの折り畳みスマホはvivo X Fold3(219g)が最軽量なので、200g以下になるのはあと2~3年かかりそう。もっと薄く、軽くなってほしいな……。

DeXモードで外部キーボード接続時にIMEがSamsungキーボードになってしまう

DeXモードでは使いづらいSamsungキーボードしか使わせてもらえない。

かなり限られた環境での話なんですが、Galaxy Z Fold5でDeXモードをオンにして外部キーボードを接続すると、IMEが強制的にSamsungキーボードに変更されてしまいます。

普段はGboardを使っているのにも関わらずです。

Samsungキーボードは変換精度がイマイチだったり英字/かなの切り替えがなぜか「カタカナひらがなキー」だったりと快適さに欠けるので、「もはや文字入力には使いたくない」というのが本音。

設定項目などを見直してもGboardでの入力ができなかったので、もうあきらめムードだったりします……。なんでなの……。

まとめ:検討しているならよく考えてほしい

たしかに大画面スマホ(S24 Ultra)より大きく表示されるけど、本当に必要?

Galaxy Z Fold5はスマホとミニタブレットの2-in-1だからこそ、よほど明確な目的とそれに沿った強い想いがないと中途半端になりがちな気がしています。

折り畳みスマホはいわゆる「トーストスチーマー」のようなもので、「ひと手間加えるとおいしく焼けます!」のその"ひと手間"をどう感じるかで評価が大きく変わります。

正直、普通のスマホでもまったく同じことができますからね……。画面サイズの差はともかくとして。

「折りたたんで持ち運べる大画面」というメリットをストレスなく享受できれば最高なんですが、現状では上記で語った様々なことから「うーん?」と気持ちが強く、わざわざ折りたたむ必要はなくて良いかなって思ってしまいました。

iPad mini 6のほうがわずかに画面も大きいですし、セルラーモデルなら単体でも通信できます。
IMEの使いづらさもあまりなく、アプリの対応も一枚上手です。
その上、圧倒的に安いですし、壊れた時の対応も全国区なので安心です。
しいて言えば持ち運ぶのに小さいバッグが必要なくらいです。

私自身ももちろん、買うときはウッキウキだったので折りたたみスマホ特有のデメリットも「何とかなる」と思っていたんですが、実際に使ってみると「意外と……」といった感じでした。ちょっと残念です。

Galaxy Z Fold5を使い始めてそろそろ1年、Galaxy Z Fold6が発売されたこのタイミングで、感じたことをつらつらと書き連ねてみました。

もしこのnoteが、いまFoldタイプの折り畳みスマホを検討している人の検討の参考になれば幸いです。

以上、ケイカク(𝕏:@KakutaKei)でした。


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