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麻雀店でチヤホヤされるために先輩巨乳女を丸裸にして撃破した話②

 巨乳は当時、ちょうど20歳。
 わたしよりも2つ年齢が上の先輩でした。

 実名を出すのも憚れるので、いつもピンクっぽい色の服を着ていたから『ピンクちゃん』と呼ぶことにしましょうか。

 ピンクちゃんは年齢こそ上であるものの、この店で働き始めたのは、およそ半年ほど前。歴でいえば、さほどアドバンテージを取られているわけではありませんでした。

 なんのアドバンテージかと問われれば、もちろん、この店でチヤホヤされるためのアドバンテージです。

 なんでそんなにチヤホヤされることに拘るのかと問われれば、もちろん、女の子だからです。

 女の子はみんな、お姫様扱いされることに無償の喜びを憶えるものなのです。
 どんなに澄ましたガールも例外はありません。 
 これは理屈でなく本能なのですから。
 非モテ男子諸君は、よく憶えておいてください。

 逆にわたしは、男の子のことはよく知っています。
 男というものは、皆おっぱいが好きです。
 さらに大きいおっぱいだと、とっても喜ぶのです。

 いえいえ。別に軽蔑なんてしていませんとも。
 女性らしさの象徴に男性が興味を惹かれるのは当然のことだし、そういった気持ちが存在するから、もてはやされる姫も生まれるのです。

 そして姫は二人もいりません。

 しかし、そうなると困ったものです。
 悲しかな、わたしのおっぱいは、お世辞にも大きいとは言えません。
 ピンクちゃんと並べると、それはもう『無』と表現しても差し支えないでしょう。
 顔の偏差値のほうは、御察しください。
 お読みいただいている皆様の想像におまかせしますね。
 ただピンクちゃんのご尊顔は、はっきり申し上げますと、『めちゃくちゃ可愛い』です。

 ズルイです。天は彼女に二物を与えておりました。
 おっきいやつをふたつも、です。

「それじゃあ、とりあえず今日は初日だし、ラストだけ取れるようになろうか。あ、そうだ、きみ麻雀も打てるんだっけ?」

 そう声を掛けてくれたのは、バイト面接のときもお世話になった店長さん(男性。30歳くらい)。
 面接時にアピールポイントとして、麻雀が打てる旨は、お店に伝えておりました。

「よかったよ、麻雀できる女の子が入ってきてくれて! ピンクちゃんは打てないからさ」

店長は屈託ない感じで、そう言いました。

「え? ピンクさんって麻雀打てないんですか? 麻雀店でアルバイトしてるのに?」

「うちは女の子だったら麻雀知らなくても雇ってるんだよ。レジと接客さえできれば問題ないしさ。そういう店、麻雀業界だったら多いよ」

 ほう? 

 女子の需要が高いことは知っていましたが、そこに麻雀の出来る出来ないは無問題だったとは。
 当時のわたしは驚きましたが、同時にピンクちゃんよりも、もてはやされるチャンスだと思いました。

 なにせここは麻雀店。 
 右を向いても左を見ても、そこに居るのは麻雀好き。 
 そんな彼らとわたしなら、麻雀話に花を咲かせることができるのです。
 牌を通しての対話ができるのです。
 そしてそれはピンクちゃんにはできない。

 古今東西より異性間の良好な関係に、共通の趣味はかかせません!(いちおう、その日から麻雀はわたしにとって『趣味』ではなく『仕事』になるわけですが)

 これなら、あの巨乳とも勝負になる!!
 そう思ってわたしは心を奮わせました。

 チラリと、キッチンに目をやるとピンクちゃんがお客様のフードを作っているようです。
 そんな呑気に焼きそばを作っていられるのも今の内だぞ。
 わたしはそう呟き、初めてエプロンに袖を通しました。



数週間がたちました。


「ラストありがとうございます! 優勝は〇〇様です、おめでとうございます」

 そこには、だいぶ仕事がこなれてきたわたしと、

「ピンクちゃん。最近よくシフト入ってくれるから助かるよ」
「ピンクちゃんも麻雀覚えなよ。俺が教えてあげるからさ」
「え~、無理だよ~。わたし頭悪いもん」

 その後ろで男子スタッフと談笑し、ピョンピョン跳ねてるピンクちゃんがいました。



 潜在的陰キャを発揮し、ロクに男子と話せなかったわたし!!
 案の定と言わんばかりにモテはやされている巨乳!!


 現実はそうそう甘くない!!!
 謎の小ジャンプをかる繰り出される、バルンバルンのおっぱいを背景に!!!
 唇かみしめ、牌を握るメンバー生活の始まりです!!!

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