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介護の話3 -施設への入居を考えたときは-

施設の利用を少しでも考えたとき

ご本人の身体はもちろんのこと、介護者の状況によっても施設への入所という選択肢が上がることは少なくありません。
できるだけ家族間で介護をと考えている方も、いつか施設への入居が必要になる日が来るかもしれない。
介護の話2でも書きましたが、情報はたくさん仕入れていて損はないのです。いざというときの保険でもあります。
何も知識がなくて慌てるよりも、少しでも知識があったほうが行動がとても楽になるはずです。
知っていれば自分以外の、周りの人を少しだけ手助けすることができるかもしれません。
今から書くことは私の知識や経験の中での話になるのでちょっとしたことではありますが、少しでもご参考になればいいなと思います。

施設を探す方法

いざ入居を考えた時、どうやって施設を探していいのか悩むこともあるかと思います。
個人的に施設探しはとても特別なことというわけではなく、不動産探しの延長のような気持ちでいくのが良かった気がします。
家族が少しでも快適に過ごせる場所を探す。それが第一。
長く住むことになる場所になるかもしれませんので、パーフェクトなものは難しくても、少しでも居心地の良い空間を探すのがベストだと思います。

施設の探し方ですが方法はいくつかあると思います。

1・ネットで探す
2・近所の入居者募集と掲げている施設に連絡する
3・紹介センターに相談する
4・役所(包括支援センター・高齢者支援センター)に相談する
5・知り合いに聞く

他にもあるかと思いますが、ざっと思いつくのはこの辺りでしょうか。
私が良いと思ったのは3と4の混合技(?)
包括支援センターで紹介センターの紹介をしてもうらうという方法です。

紹介所を使わず自分で探すのも悪いことではないけれど

今はネットで調べると施設を紹介しているサイトがたくさんあります。
私もネットで調べて自力で探そうとしたのですが、壁に当たりました。

施設というものの知識が全くない

今まで施設を探したことなどなかったので当然です。
私の場合は母が入院中に、病院の先生から施設を探すように言われ、退院の時期もあるのでなるべく早めに探すように言われました。
施設が見つからない状態ですぐに追い出すようなことはしないけれども、できるだけ急ぐようにという感じで。
事前知識もない状態で自分でネットで探してもなかなか良いところは見つからず、まずどこが良いところなのかがわからず、数日悩んでから包括支援センターに相談。
とても親身になっていただき、2か所の施設紹介センターとちょうど1週間後くらいに行われるセミナーがあったのでそちらへの参加も良ければと紹介してもらえました。
区が開催しているセミナーで変なものではないだろうし、知識が必要だと思った私はそのセミナーにも参加予約をし、紹介所にも連絡をし、そちらも予約をとることに成功。
区の紹介だと電話で告げるととてもスムーズだったので、最初に包括センターに相談をしたのは正解だったとその時点でも強く思いました。

プロの知識の重要さ

セミナーや紹介センターで勉強や相談をすると、難しく考えていたことが現実可能な範囲なんだなと思う反面、やはり金銭的な部分で悩むことも出てきました。
東京の施設に入るのは月額が高すぎてまず無理、遠くに行けばかなりお安いところもありますが、それだと何かあったときに私が行けないのと、母本人が遠くは嫌だというのでそれも無理。
私一人だと頭を悩ませて実現できなかったであろうことも、紹介所の方に母の状態や病院から急ぐように言われていること、あまり遠くでは厳しいこと、月に払いきれるだけの金額を嘘偽りなく全て伝えたところ、急ぎだと厳しいけれど探してみますとのことでご案内いただくことができました。

出来れば施設は余裕を持って探しておく

急に探すとなかなか良いところは見つかりません。
この辺は施設ではなく不動産物件なども同じかと思います。
前もって専門家に相談をしておいて、良い部屋が空いたら教えてくださいとお願いをしておく。
まだ大丈夫と思っていると、いざというときに困ることになりますので、元気なうちから前もって、情報だけは仕入れておいたほうが良いです。
セミナーでは介護者やご家族ではなく、入居を考えているご本人が勉強のために来ているのを拝見しました。
熱心に講師の方にご質問もされていて、うちの両親はそういう考えを持つ人ではなかったこともあり、自分たちの万が一を考えている方たちをうらやましく思ったりもしました。

料金の問題は重要!

施設入居にあたって一番に考えなければならないことは間違いなく
月額料金
これだと思います。
無理に払う金額にしてしまうと後々困ったことになるため、理想は施設に入る方の貯金、年金などで足りる金額の施設を探すのがベターだとか。
介護者の負担が多すぎて生活をあまりにも圧迫することは避けるべきです。
介護者がいない、もしくは介護者が自身の生活でいっぱいいっぱいでどうにもならなかったり、天涯孤独でお金もないけれど施設に入らねばならない…など事情があるときには生活保護で入居できる施設もあります。
このような場合は条件的に限られてくるものが多いので、まずはお役所に相談を。ケアマネさんがすでにいらっしゃるならケアマネさんにまずは相談をするのも良いかもしれません。

自力で、特にネットで検索するときは介護度も必ず考慮に

入居条件の介護度についてはどこのサイトも比較的わかりやすく記載があるのですが、料金に関しては少々わかりにくいかもしれません。
私は最初よくわかりませんでした。
月にかかる費用ですが、ネットで条件検索をかける際は払える金額より数万円安い施設を検索してください。
なぜかというと、そこには介護サービス料やその他実費が含まれていないから。
これは介護度によって使える月額が異なるからのようで、
基本的月額の費用は

施設の利用料+介護サービス費+その他実費

のような形になるかと思われます。
介護サービス料はデイサービスや入浴などのケアに使うおかね、実費はもし病院にかかったときの治療費や生活に必要なお金です。
基本的に光熱費は施設の利用料に含まれていることが多いようです。

この辺の計算はきちんとした見積もりをもらった方が良いので、個人的にはやはり紹介所などのプロにお願いをしたほうが安心な気がします。
自分でおおまかな計算をして取り掛かると、思ったよりも月額費用が高い…ということにもなる可能性があるのでご注意を。

介護者の家との距離も考慮

もし何かあったとき、契約の時、など。
何かの形で介護者が呼ばれる場合があります。
通院などもその施設が契約をしていない医療機関にかかる場合は介護者の動向が必要になります。
どうしてもというときは代行もしていただけることも多いですが、その場合はお金がかかります。
入院などは特に介護者、家族などが手続きを行わなければいけないでしょう。
その際にあまり遠いところにある施設で、いざという時に駆けつけるのに飛行機に乗らないといけない!みたいな事態になるのだけは避けたいところです。
電車で行ける、車で行ける、そんな範囲が無難かと思います。
これも個人差がある問題ですので(車の有無や住んでいる地域の違いなど)月額の料金の兼ね合いと調整をして、あまり無理のない距離での施設探しをするのが良いと思います。

これ以上細かく書くと難しくなりすぎますので大まかなお話を書かせていただきました。
何もかも100点の施設は存在しないと思います。
このくらいはまあ…という妥協点を持って探しつつ、絶対的に優先させたい部分だけは妥協しないで探す。
不動産探しと一緒ですね。
探して、紹介してもらって、内覧して納得のいくところを探す。

世の中の人みんなが施設に入るわけではありませんが、もしその時のために少し調べておくのは悪いことではありません。
施設をすでに探されている方の参考にはならなかったかもしれませんが、少しでも皆様が納得のいかれる施設が見つかるように祈っております。

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