「個」の責任とは。
直木賞受賞作品『ファーストラヴ』を読んだ。
本父親を殺した罪に問われる子供の責任について
臨床心理士のヒロインの視点から見ていく話だ。
『「家族」という名の迷宮に立ちすくむ。』
という宣伝文句は中々正鵠を得ていると思う。
ネタバレになるので、詳細は省くことにするが
家庭の責任について、考えさせられるものだ。
人それぞれ、大人になるまでの経験は異なる。
それでも、成人すると社会的に大人として
共通のルール(法)のもとで生きることになる。
個人主義の中で、家庭の役割は軽視されがちだ。
それでも、前回の投稿にて結論付けたように、
家庭には弱者を守る役割(責任)があるのだ。
子供が社会で責任を持った「個」として、
物事を自身の頭で考え言動に移させる為に。
そんな「個」を再生産する場である家庭は
「個」の人生に対して半永久的にある種の
責任を担うことは間違いではないだろう。
肝心なのは、その責任の範疇だ。
このことを考えること自体に価値があり
決して、爼上から降ろされるべきでない。
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