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ドラマ「踊り場にて」をFODで観ました

現在人気のフジテレビドラマ「silent」の脚本家、生方美久さんの作品を、FOD(フジテレビ配信サービス)で観ました。よかった。
コンテンツ語りラジオ「無限まやかし」(芸人大島育宙さんと脚本家高野水登さんによる番組)の紹介で知りました。有難や。
FODは、うっかりしていて無料お試し期間を超えてしまい、あ~しまった!と思っていただけに…これが観られただけでも、いっか~って思えました。
作品は、生方さんがヤングシナリオ大賞を受賞した「踊り場にて」です。テーマはストレートに「夢を諦める」ということについて。
主な舞台は高校。主人公(演じるのは瀧本美織さん)は、プロのバレエダンサーの夢を諦めきれず教師の仕事を離れ海外で挑戦していましたが、諦めてまた国語教師に戻ります。しかし…夢を諦めた不甲斐ない自分、いやほんとに諦めきれたのか、という自問自答を繰り返す毎日。悶々とした気持ちがすっきり消えることはない。
そうした中で、3人の高校生…同じ人に何回も告白し断られ続けている女子、バレーを続けるかどうかを迷っているバレー部キャプテン女子、入部する気満々だった軽音楽部に入っていないギターの上手い(らしい)男子…に出会う。いずれも、それぞれの人生の中で、自分の夢との関りを考えて行動している。
主人公は、彼らと、また、家庭での母親との会話を通じて、時間と共に、自分の気持ちを少しずつ落ち着かせていく。
主人公先生は、鬱屈した深い悩みを抱えてはいるけれど、生徒との対話から、いい先生なんだな~っていうのが十分感じられます。
結末がとっても爽やかでした。高校生の今後の展開を想像してにやにやしてしまう。
世の中、夢を叶える人より叶わない人の方がずっと多い。叶わなかったときの折合いのつけ方は人それぞれだけど、夢を追いかけたことが、何にも役にたってないってことはない。けれど、本人自身がいつまでも、夢を叶えられなかったと忸怩たる思いに悩んでいては、次のステージの夢を描けなくなってしまう。
昔、読んだ、内館牧子さんのノンフィクション「夢を叶える夢を見た」を思い出しました。内館さんが取材したのは、脚本家、俳優などを目指していたけど諦めた人。
内館さん自身は、事務職に就きながら脚本家になるという夢を実現した人であり、取材に応じた人たちは、大なり小なり切ない気持ちが去来したんじゃないかな。
そうした人生の苦味を知っているのは、きっと悪いことばかりではないのです。

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