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自覚のないヘイト発言について

先日の昼下がり、ずっと気になっていた喫茶店に入りました。内装もメニューもいい感じ。大規模店じゃないのに入口も通路も広々、車いすもラクラク通れる。
カウンターとテーブル席があり、カウンターには車椅子の、常連らしき年配女性が一人おられました。店員は若い女性が一人。お客とは顔見知りのようで、にこやかにおしゃべりをされていた。
微笑ましいな、うん、高齢者が人とおしゃべりする時間て大事だもんね…と思いながら、入り口付近のテーブル席についた私。それから40分くらいの間、お客は私とその女性の二人きりでした。そして…このお客の女性が間断なくずーっとわりと大きな声で話し続けていて、それは、ちょっとアンラッキー(少し静かに過ごしたかったから)。でも、それだけならよかったのです。楽しいおしゃべりに夢中になってしまうのは、お互い様だからね。
そのお客さんの年配女性が、無自覚に、ひやひやするヘイト発言をされるのが、すごくすごく気になってしまった。そして、ひとかけらも、ご自身の発言を悪いこととは思っていない、のがわかるので。
たとえば、「日本の職人の技術はほんと凄い。私感動しちゃって。でも、○○や△△の国の人に教えちゃだめよ。すぐ技術が盗まれちゃうんだから」…というような調子。本人は、自分は公平な心の持ち主と信じてる。そういう意味では、悪気があるより質(たち)が悪いのです。
日本人の自分に、人間としての優位性があると確固として信じている。…そういう人ときどきいるなあと、今まで見聞した嫌な経験も思い出してしまったよ。
しかも、今回はそのときの店員さん…店主?…の日本語に若干たどたどしさがあり、もしかして、○○や△△の国の人でもあるんじゃないかと、ひやひやしました。どんな嫌な気持ちだろうと、申し訳ない…。
暴力的なヘイト発言するような人たちよりも、こういう、一見善良な人たちのほうが、問題の根が深い。そして、注意しにくいのが困る。
こうした人がにこやかな話の端々で、それヘイトになるよ?って話や言い回しをはさんできたとき、なかなか指摘しにくい状況が多くて。あとから、きちんとうまく抗議できなかった自分に、自己嫌悪してしまうのです。
絶対に自分の考えを曲げない。強固な自信に満ちている。こういう方、けっこういるよなあなあ…と、思い出してしまったのでした。

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