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みなさんの普通と、対話がしたい

4時30分起床、風呂に入り目を覚ます。
5時30分出発、電車に乗り目を閉じる。
6時30分到着、朝食をとり準備をする。
7時00分始業、いつもの仕事が始まる。

16時00分終業、いつもの残業が始まる。
17時00分終了、少しだけ街をブラつく。
18時00分出発、満員電車に乗って帰宅。
23時00分就寝、うつぶせで明日を待つ。

自分の生活の「普通」。時間に前後はあれど、この「普通」の生活を数年送っている。
さて、8月24日からパラリンピックを音で観戦。果たしてそれは自分にとって「普通」だったのか。

企画メシ第4回「対話の企画」

企画メシの第4回、対話の企画。課題は

目を閉じてパラリンピックを「音」で観戦してきてください。そこで発見したことを「40秒」で話してください。

というものだった。正直パラリンピックをしっかりと観戦した経験はなく、もちろん目を閉じて観戦したこともない。ラジオでスポーツ中継を聴いたことはあり、それに似たようなものかと考えていた。

いざ目を閉じて観戦を始めてみる。
水泳は、スタート時の入水の音こそ聴こえるものの水をかいて進む音はほぼ聴こえない。卓球は、球を打つラリー音は聴こえても展開が全く分からない。陸上競技に至っては、解説がなければ状況を想像できない時間すらあったと思う。
これまでは、テレビに映るフィールドや舞台全体を広く見渡して。選手がプレーをすれば、プレー音が一緒に聴こえてくる気がして。状況や展開を逐一追うことができて。自分が「普通」に観戦していたものとは、明らかに違っていた。

ただそれも数日繰り返すと、目を閉じての観戦が「普通」になってくる。まずはプールや陸上競技場など、舞台を想像。実況や解説のアナウンスで、特定の選手にフォーカスしていく。口でラケットをくわえてプレーをする卓球選手、同じ水泳のレースで両手を使って泳ぐ選手と両足を使って泳ぐ選手。選手同士の接触や追い抜く瞬間などは、接触の瞬間を近くで、何なら追い抜く選手の後ろから自分も追いかけていくように想像していた。

今まで経験のなかったものが、自分の普通になっていく。と同時に、これまで自分の普通だったものも使って、新しい普通を補う。
でも、きっと音での観戦が普通の人もいるはずで。今回課題に取り組んだ企画生の中に自分と同じことを考えた人がいるかもと思うと、自分の経験も案外普通のことなのかもしれない。
新しい経験をしながら、実は誰かの「普通」に触れているのだろう。これが課題を通した自分の発見だった。

対話はラリーで、共同作業。どこに行くかという道のりを楽しむもの

課題を提出して企画生のみなさんの課題を聴いたときに、強く自覚した点が1つあった。
それは、自分の提出した課題は「意見の表明」にしかなっていなかったのではないかということだ。
40秒の中で何度も録り直し、言葉を削り、それでも伝えたいことをなるべく残す。結果、自分の伝えたいことだけが優先されすぎて、対話をしようという思いが置き去りにされていたかもしれない。

対話はラリーで、共同作業。どこに行くかという道のりを楽しむもの

自分の発見したものをなるべく伝えようとした結果、講義で出てきたこの言葉が、自分の課題にどれほど込められていたかと反省した。
「ひやまっちさんが対話の始まり」ともあった。けれど、それでも呼びかけや問いかけをあの40秒に入れられたら、もっと自分から対話する気持ちをひやまっちさんに伝えられたかもしれない。

対話をしてくださいと言われたら、まず「何について対話しましょうか」から始まるはずで。それすら自分は課題のなかで問いかけられていなかった気がする。

ひやまっちさん、自分は課題を通して、ひやまっちさんが思う「いろいろな普通」について対話がしたいと思いました。

講義をしているひやまっちさんの顔は朗らかで。自分も不思議と笑顔で話を聴いていた。TV番組は「見る」という表現を使って話をすること。ダイアログ・イン・ザ・ダークのアテンドをしていて、暗闇に入ると世界の法則性が変わると話されていたこと。ひやまっちさんが「普通」の部分について考えていることを聴けたようで、自分にとってはそれが新たな発見にもなって嬉しかった。

みなさんともっと「対話」がしたい

チームの企画や、企画メシから派生するいろいろな出来事で、少しずつ企画生のみなさんと話をする機会が増えてきた。企画の話はもちろん、他愛ない話や、離れて住んでいる年齢も違うみなさんの普段の話を聞くのは、とても楽しい。
みなさんが普通にしていることは、案外自分にとっては普通に感じていない場合が結構ある。それが刺激になったり、新しい発見になったりする。

企画のことや課題については、変わらずお互いに楽しんで一生懸命取り組んでいきたい。
それと同時にもっとみなさんと、何でもない普通のことでいい。たくさん「対話」をする機会があればいいなと思う。

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