SAB Workshop Performance 2022
あっと言う間に6月!
アメリカでは9月から新学期が始まるので、6月は一年の締め括りの学期末。そしてこれから長い夏休みが始まります。今週末はニューヨーク・シティ・バレエ(以下NYCB)の付属バレエ学校 School of American Ballet(以下SAB)のWorkshop Performance に行ってきました。リンカーンセンターのThe Peter Jay Sharp Theater にて開催されました。トップ写真のBroadway と65ストリートの角、The Alice Tully Hall を正面に、左手に曲がって劇場へ到着します。
劇場エントランスはこんな感じ。↓
観客席には元NYCBプリンシパルで現在Associate Artistic Directorを務めるWendy Whelanをはじめ、現プリンシパルでパンデミック中に出産そして本の出版も手掛けたMegan Fairchildの姿も。アメリカン・バレエ・シアター付属バレエ学校JKOの講師 Harriet Clarkの姿もありました。
また今回の公演はSABで講師を務めるSuki Schorerの50周年。彼女の素晴らしいキャリアを称賛するアナウンスが流れます。彼女が舞台に呼ばれると大きな拍手で迎えられました。ステージ上で愛らしくレベランス(バレリーナのお辞儀)をする姿は、劇場全体を温かな気持ちにさせてくれました。
今回の公演のプログラムはこちら ↓
↓ プログラムの中で彼女のキャリアについて紹介ページがありました。
その中でも特に印象に残ったのが、
振付家そしてNYCB創設者であるGeorge Balanchine がいかに彼女に信頼を置いていたかが感じられる引用でした。
第一部はSABの卒業生であり、まだ20代最年少振付家 Gianna ReisenのWorld Premiere ”Signs”で幕が開きます。今回の公演で特に目を惹いたSABのOlivia Bellがそっとピアノに寄り添い、ピアノの生演奏と共に舞台がスタートしました。男女の難しいパートナリングから、繊細な動きとダイナミックな舞台展開、"March of the Mourning Dove", "To Being Again" , "Dragonflies"の3部構成は観客を魅了しました。音楽はPhilip Glassの素晴らしい楽曲です。
第二部は"A Suite for Kay"と題して、講師の一人Kay Mazzoの今年度の引退を祝した4つのバリエーション構成でした。くるみ割り人形の金平糖の精、"La Source" からの第1バリエーション、"Cortège Hongrois"より男性のバリエーション、そしてライモンダの第6バリエーションでした。10代半ばの生徒達の踊りはとても新鮮で、一生懸命に踊る姿に観客席からは大きな拍手が送られました。
舞台も後半、第三幕はJerome Robbinsの振付、そして音楽はIgor Stravinskyの "Circus Polka"です。パステルカラーの爽やかな色合いのチュチュを着た生徒達が年の大きい順に舞台へ登場します。
水色、黄緑、そして一番小さいグループはピンクの小さなバレリーナ達。小さいグループの生徒達が舞台に登場すると、観客席の私達も彼女達の可愛らしさに、笑みがこぼれます。年齢層幅広く、大人数のグループの中、立ち位置や場所移動なども多く、強い意志を持って踊る生徒達の姿に心が打たれました。
そして一番最後の演目は私も大好きなBalanchine の "Symphony in C"です。キラキラと輝く衣装は、このパンデミックの中、練習を続けてきた生徒達を称えるかのように、生徒達の踊りをより一層輝かせていました。特に目を惹いたのが、作品の最初に登場したKali Kleiman、安定したテクニックと華のある美しさ。そして後半にThird Movement を踊ったPhilip Duclosは、デンマークのThe Royal Danish Balletと契約が決まっている様で、今後注目のダンサーです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?