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奈留島へ/瞳を閉じて

4月、五島列島福江島から奈留島へ

穀雨訪れ雨はGWの中頃まで続く
五島の時間も半分は雨だった

天候でフェリーへ出ず中々奈留島へ向かう事が出来なかったが、風がない日に行く事が出来た



小さな港が3分くらいすると見えてきた
小雨の中徒歩で奈留島まで向かった


島は日曜日の雨
乗客も人の気配も少なかった
数台すれ違う車があるくらい通りを見渡しながら歩く

途中世界遺産センターでスタッフの方とお話しする

潜伏キリシタン関連の集落天主堂は2018年に世界遺産に登録された

一際人の目を避けて暮らし信仰した歴史の通り
アクセスの悪さもあって観光客というものはかすかも見えない

多いのは釣り客

江上集落と教会は礼拝の日で見学はできなかった
今は2世帯3人のみが暮らす

静かな島でよりひっそりと暮らす


1時間ほど雨宿りがてらにお話を伺い
先を目指した


島の高台に奈留島高校がある
中々の坂で雨と汗が混じった

他に小中学校
更に保育園も併せてある
少子化による空教室を生かして同じ場所でいろんな年齢の子供たちの教育が行われているのは温かいものを感じる

誰もいない日曜日の学校の静けさ
雨の音
少し潮の匂い

まだ咲いていた桜は雨で花を散らせている

雨は激しくなり
少し雨宿りをさせてもらった

晴れていたら
遠い昔なら
グラウンドでは子供達が賑やかに遊んでいたのだろう

新学期という事もあり
掲示板には新入生へのことばが書かれている

とっくの昔に置いてきた学校の記憶を所縁もない学校から蘇ってくるのは不思議なもので面白くなった

1960年代に1万人以上が暮らした島の人口は2,000人を切った

島の子供達はここで育ち学び
都市へと旅立っていく

多くはないが帰ってくるものもいるが
戦後からしっかりと若者を島外へ送り続けた現実を今に見た

帰り道に少し道をずらして歩いた両側も空き家に空き地にお店らしきものを営業はとっくにされていない模様

世界遺産センターのスタッフさんに尋ねて
やっているかも知れないお店の前へ行くと看板も何もない
ドアを引くと数組の客がいる

皿うどんを注文
雨で濡れていたが快く座敷へ上げてくれた

雨は更に激しくなる
帰りのフェリーは出るのかなと
少し心配しながら少し早めに乗り場に行くとチケットを買えた

滞在時間は4時間の奈留島の空気は少し寂しく
懐かしかった

ユーミンは瞳を閉じてを学校の生徒から送られた一枚のハガキをきっかけに制作

校歌のない奈留島高校の生徒達だけでなく
送る人島の人
出て行った卒業生達が都市で住みながら島を思い出してほしいという気持ちで送ったという


愛唱歌「瞳を閉じて」

作詞・作曲 荒井由実(松任谷由実)

風がやんだら 沖まで船を出そう
手紙を入れた ガラスびんをもって
遠いところへ行った友達に
潮騒の音がもう一度届くように
今 海に流そう
 
霧が晴れたら 小高い丘に立とう
名もない島が 見えるかもしれない
小さな子供にたずねられたら
海の碧さをもう一度伝えるために
今 瞳を閉じて
今 瞳を閉じて

言葉を直接届ける機会をいつか何処かで作れたら!