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夫が「くも膜下出血」 vol.5

夫が緊急搬送されてから16時間後帰宅

家に着くと、玄関から見える長男と次男はゲームをしていました。
それはいつもと同じ光景。
そんな子どもたちにどう話したら良いか思い浮かばず、私も平静を装って帰宅。

しかし、パパが救急隊に運ばれるところを見ていた長男(当時14歳)は、私のところにやってきて、「パパどうしてあんなことになっちゃったの?」「怖かった」って言ってきました。

搬送された時、寝ぼけていた次男(当時11歳)は朝には記憶がなく、「パパ10日間くらいしたら帰ってくるんでしょ」と言う。

そりゃそう思うよね。病院に行ったら良くなるって私も思ってたもん。
でも、私も母も「うん、そうだよ」と言えなかった。現状を思いっきり軽く表現しても、すぐ治るなんて言えなかった。

長男は中2、次男は小6。
気休めなことを言うより、言葉を選びながら、少しずつ本当のことを伝えました。すると、次男の表情から笑が消え、真剣な顔つきになりました。

10代前半の2人にとってこの事実はかわいそうだけど、現実を受け止め、乗り越えて生きていく。子どもたちに本当のことを伝えたことが正しいかどうか私にもわからなかったけど、嘘ついて期待させても、いつかガッカリすることになると思いました。

もしかしたら、自分の抱えている不安が大きすぎて、隠せなかっただけかもしれない。子どもたちに本当のことを伝えるのは早かったかもしれない。そうとも思う。どんな状態でも子どもに不安を与えないのが良い母親なのかもしれない。

お風呂は、まだ両親がいる間に入った方がいいと、もしもの着信を気にして入り、ほとんど寝ていないから眠いのに、寝ようと思うと電話が気になって、寝ても気づくと着信を確認してしまう。

緊急搬送されて緊急手術して夫は生きているけど、それでも全然安心できることはない。これから先2週間が勝負という。夫はいつどうなるか誰もわからない。
まだ2週間も続く・・・2週間がものすごーく長く感じる。

何をしても全然安心できない。いつもやっていることは、勝手に手や体が動くけど、ふと止まると、気が夫の方へ行く。

起きてしまったことへの悔しさ悲しさ。でも、こうなってしまったタイミングとしては良かったこと。幸運が重なって生きていることから、夫は生きる運命なんだと思ったり、いろんなことが頭の中ぐるぐるしていました。

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