“ふーくん”と“あーたん”
「あーたん！おっきくなったら ぼくのおよめさんになってくれますか」
「ふーくんのおよめさん…？ うん、いいよ！」
🎶ゆーびきーりげーんまん
うーそつーい…………
昔々あるところに
ふーくんとあーたんがおりました
2人はとっても仲良しで
いつも一緒に遊んでいました
ふーくんとあーたんは
お互い大好きだったので
“けっこんの約束”をしたのでした…
めでたしめでたし
青く光る夏空に
キミとの思い出
並べて つなげてみたの
これから何年も何年も
時を刻んでいくけれど
この想いは心の中にずっと残ってる
いつしか2人は成長し
“ふーくん” “あーたん”と
呼ばなくなりました
今は“いい奴”と呼ばれ
親友だって言われるたびに
密かに傷付いていたんだよ
“あなた”と“あの子”を応援するフリをするたびに
泣かないように頑張ったんだよ
あの“約束”は
ふーくんとあーたんだけの
“遠い記憶”になりました
時が流れ 季節が巡り
旅立ちのときになりました
私の頭に手を置いて
「じゃーな！」とポンポン
叩きました
そして
あなたは笑顔で手を振って
故郷を離れていきました
あの“約束”は置いてきぼりになっちゃった
何度夢に見ただろう
何度諦めただろう
何度恋して
何度泣いただろう
わたしの“秘密の恋”でした
今日ポストに白い手紙が
届きました
あなたからの
「結婚招待状」でした…
“出席します”に◯をつけ
あの約束はアルバムの中に
そっとしまい込みました
