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春夏秋冬是好日#2

~仲間と留学生活~

 姉妹校への留学は、試験を受けて合格した8人と引率教授1人と行った。
 留学準備の最終確認をしてるときに、最後に教授が「あなたがリーダーね」と笑顔でとんでもないことを言って来た。
 『何で私?!』
 『えーーっ!』
と、パニックに…😱
でも教授はパニくってる間に笑顔で去って行った…。
話したことがない人もいて、「リーダーなんて絶対イーヤーだぁぁぁっ」と思っているうちに、出発の日になった。
 成田空港に集合することになっていて、前にふと「スーツケース重いよね?」って愚痴ったら「そうなの?私は全部成田に送るから手ブラだよ、一緒に送ろうか?」とサラッと言う友人。
そのお誘いには2つ返事で乗っかりました!
 こんなことをサラッと言う彼女は、有名なチェーン店のお嬢だった。
 さすがお嬢。普段から豪快で、オーストリアでの買い物も桁違い。
 「欲しいバッグがあるんだけど、買っていい?」
 「すごい安いの!」
かなり気に入ったのか、お母さんに電話で相談。
 「ありがとう😆!」
許可が出て、帰る日の午前中に◯十万するバッグを手に入れてニコニコだった。
 ある子は“ニンニクが大好き”過ぎて、たんまり持って来ていた。寮で生活していたんだけど、毎晩生のにんにくを“チン”して食べていて「おいしいよ、みんなも食べてみてよ!」と薦めてくれる。ありがたい。うん、優しく分けてくれてありがたかったんだけど…
 やっぱり…ね。 
 どうしても…ね。
立ち込める“ニンニク臭”が…ね😂
 出発する前に、ある子のお母さんに頼まれたことがあった。それは…
 「◯◯子はまだ子供で自分では荷物も準備できないのよ。」
 へ~…そうなんだ。
 うん。で、だから?
「この子のことをよろしくお願いしますね。」
 この「よろしくお願いしますね。」の言葉の意味を本当に理解するのに時間はかからなかった。
 機内では食事以外ずっと寝てる。荷物が重いとその場で泣く😭。
 そして彼女は部屋に入ったきり、勉強のときも観光のときも、食事のときはもちろん、一度も部屋から出て来なかった😱💦当番制で決めていた食事の準備やパンの買い出し準備も、全くやらなかった💢
 確かにお母さんは、ああ言っていたけどまさかね~
一度も部屋から出て来ないって、そんなことある?わざわざ何しに来たんだろうか?
 でも仕方がないから、せっせせっせと彼女の部屋の前に食事を置いていた。
30分くらいしたら取りに行くと、キレイに食べていた。…何かわからんが、モヤモヤする。引きこもりの人の世話を何故私達がやらなければならないの?
やっぱりモヤモヤした…。
そして極めつけは、帰る前日に“のろ~”と表れて一言。
 「荷物ってどうやってしまうの?」と…。
 お母さんの言う通りでした。
 もちろん楽しいことはいっぱいあった。あちこちでワルツが流れていて、優雅だった。
 毎日のようにオペラ講演があったので見に行った。料金は数百円のものから数万円のものまであった。
 オペラには皆さんオシャレをして出掛ける。ロビーにはワインやお菓子が並るべられていた。
ワクワクしながら会場に入ると安い席だったので、4Fで垂直に舞台が見えるような座席だった。しかも私達の座席がみんなバラバラで、隣はオーストリアの方だった。
 前にも言っただろうか…。オーストリア人はとにかく大きい。
どう考えても、座席の面積よりご婦人の◯◯◯の面積の方が明らかに大きかった。
 座席も狭く、前後の間も狭く、立つと落ちて行きそうな恐怖があった。
 それでもお隣の席に来たら、全員が立つという習慣、礼儀だったのかな?とにかくみんな一斉に立つ。
そこに“のそのそ”と、明らかに面積が違うご婦人がいらっしゃった。
 何とか席までは到着したが、座席に◯◯◯が入らない…。だろうね、入んないよね?と思っていると、ご婦人は自分の◯◯◯をムギュムギューと入れ始めた。
試行錯誤の末にご婦人はようやく座ることが出来た。良かった、よかった。そして私は私の座席の3分の1をご婦人に捧げる状態で最後までオペラを楽しんだ。
ちなみに翻訳機みたいなものが配られるので、言葉の心配はいらなかった。
 ただ隣の方によっては、あまったお肉と香水の香りにやられます😂
《ヨーロッパあるある》
①水がとにかく貴重。だいたい家の屋根にタンクがあり、そこに雨水を貯めるらしい。そうして貯めたお水をシャワーや洗濯などの生活用水になる。だからシャワーも毎日なんて浴びれないし、浴びれた日も細~いお湯らしき水がチョロチョロって出てくる程度だった。
②公衆トイレは便器が長細くて、大きい。もちろんウォッシャブルでもない。
それだけでも入りずらいのに、ドアは3分の2しかない。下の3分の1は隠れていないトイレットペーパーなんて、あるわけない。
何なら、チップ目当ての人が必要ないのに空いているトイレに指を差してくれる。指を差したトイレに入ると、出るときに必ずチップを取られる。そして大概の便器は壊れているし、壊れていなくても汚なくて除菌シートで拭いても座るには勇気が必要だった。
 日本のトイレは世界一キレイと言われるのは本当だと思った。
成田に着いておトイレに行ったら、きれいすぎて感動した。
 そんなこんな泣き笑いの留学は無事に終わった。
 帰りももちろんスーツケースは、自宅まで送ってもらった。チェーン店のお嬢様にね✨

 このドタバタ留学生活を楽しんでいるときに、母から電話で教員採用試験に合格と知らされたんだ。
 私が合格ですと?!
 何かの間違えでは?
母にもう一度聞くと、
「B採用ってなってるから合格なんじゃない?」
その頃は、同じ合格者でもA~Dに分けられていたらしい。
そんなことも知らなかった無知な私…。
A採用は必ず赴任校が決まる。
B採用は多分赴任校が決まる。
C~D採用はほとんど赴任校が決まったあとに、人数が足りない学校に赴任。
という感じだった。
今はこんなふうに分かれてはいないそうです(知らんけどね)。

 こうしてギリギリのラインで合格し、いよいよ赴任校が決まったのである。


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