やさしい気持ちで目覚めた朝は
生まれてからこの方スポーツに一切興味がない。
ないと言うのに、池江璃花子さんのツイートを見てからはずっとうなだれている。
「未だに信じられず、混乱している状況です」という飾らない言葉に胸を打たれたのか?それだけではない気がする。
どこかのバカがバカを言って炎上するのは予想できてた。予想できてたのは、心のどこかで自分もそう思っていたからか。出所不明の自己嫌悪、心自体も迷子。
「世界一の実力と可能性を秘めた10代のアスリートが自国のオリンピック前に病気を告発される」クソ邦画でも書かない最悪のシナリオを、『難病モノ』というコンテンツとして扱ってほしくない、扱いたくない。
でもそれはもう手遅れ。実際に会って話している人でない限り、画面越しのすべての人は虚像だ。画面越しの人の思いは想像できるけれど、なにを言ったって責任なんて何一つ取れない。どう取り繕っても、悲劇のヒロインに影を重ねて偽善者ぶるためのコンテンツでしかない。
そこまで分かっているんだけど、できることなんて何一つないんだけど、なんだかこの件だけはそれだけで自己完結したくない。
名前しか知らない人間が、彼女がどれだけ水泳に情熱を注いできたかも知らない人間が、家族と同じように水泳なんて止めてもいい、生きてさえくれればいい、なんて言うのはあまりにも軽薄で何の意味もないだろう。
いや何を言っても意味なんか何一つないのだけれど、せめて、彼女が朝目覚めた時に、昨日よりも少しだけやさしい世界が広がっていればいい、と祈る。
【やさしい気持ちで目覚めた朝は 大人になっても奇跡はおこるよ】
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