566 東京都区部消費者物価 7月上昇率は低下 利下げ先延ばしか?
注意点が二つ。
・電気・ガス料金の補助金が削減されたり、復活したりで、ノイズになる。
・高校授業料無償化の影響で、4月から来年3月まで、前年同期比物価上昇率は下方に歪められる。
総合物価上昇率は高止まりしているようだが、エネルギー価格上昇(紫色の部分)で支えられており、日銀が重視するサービスは一段と低下。サービスが低水準なのは高校授業料無償化の影響だが、前月(6月)よりも低下している。
*日銀は、特にサービス価格の動きに注目している。サービス価格の上昇は賃金上昇の源泉になりやすく、賃金上昇を伴う物価上昇につながるからだ。
日銀は、輸入物価上昇により物価が押し上げられる形態から、賃金上昇が押し上げる物価上昇(賃金と物価のスパイラル上昇)に移行することが目標だ。
ノイズをつくるエネルギーも除いた、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」を見ると、7月は+1.1%となった。東京都は高校授業料無償化の影響があるので低くなっているが、7月の全国も低下するのは間違いない。
こうしてみると、利上げは7月は見送られ、当初予定通り9月になりそうだ。デフレは脱却しているのは間違いなさそうだが、2%の物価目標達成は見えてこない。
デフレは脱却していることから金利のある世界(少なくとも0.25%)にはなろうが、このままでは、そこから先の利上げは大きくはなりそうにない。
なぜ、物価上昇がもたつくか? 消費税増税(すでになされたこと、および今後の懸念)、継続的な社会保険料引き上げが最大の要因であることは間違いないだろう。
付録
ここから先は
0字
/
1画像
Kecofin 全マガジン記事の倉庫 非売品
30,000円
技術的な理由で作成した過去の相場記事の倉庫です。購入はできますが、販売を目的としていません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?