見出し画像

485 日本の国際収支(4) 再投資収益

日経記事
企業利益、海外に滞留10.5兆円 日本経済新聞
23年度の経常収支は+25兆3390億円。うち、外国投資で得た利益などを計上する第1次所得収支は+35兆5312億円と過去最高を更新した。
債券や株式投資など「証券投資」の利子配当収支が+12兆8169億円、海外子会社(=直接投資)からの配当金などの収益収支は+20兆7974億円だった。
但し、直接投資からくる収益収支のうち、海外子会社にとどまる利益(再投資収益=内部留保と日経は言っている)収支は+10兆5687億円と10年前の約3倍に達した。
外国での稼ぎを親会社に回さず、現地の設備投資やM&A(合併・買収)にあてる。海外留保分は国内に還元されていない。
(注)収支(ネット)とは、日本企業の海外投資から得られる収益から海外企業の日本投資家から得られる収益を引いたものという意味である。

日経新聞の記事はすべて収支(ネット)なので、わかりにくい。
(1)日本企業の対外直接投資からくる収益(受取)
(2)海外企業の対日直接投資による収益(支払)
(3) 以上の収支=ネット=(1)-(2)
に分けてみる。

(1)日本企業の対外直接投資からくる収益

(2)海外企業の対日直接投資による収益(支払)

(3) 以上の収支=ネット=(1)-(2)

気を付けることがある。
再投資収益なのだが、財務省(国際局為替市場課国際収支第1係)は、日本企業の海外子会社の決算書を取り寄せて集計している。とんでもない作業量だ。なので、数年に1回程度推計する程度で、その間、同額が続く。前回は2022年10月に改正された。


どこかに書いてあるのかもしれないが、私はどういうインターバルで、次回はいつ改定されるかは知らない。しかし、改定されれば、再投資収益は大幅に上方修正されると思う。

前回の改正では次のグラフのように倍以上に大幅改定された。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?