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番外 東証のPBR1倍割れ改善要請

東証はPBRが1倍を下回る上場企業に、株価水準を引き上げるための具体策を開示・実行するよう要請した。
PBR1倍割れは成長性が投資家から評価されていないことを示すものと問題視したとのこと。
有識者においては「企業に資本効率への意識が乏しい」との指摘が多かったらしい。
PBRが1倍未満の企業は約1800社と全体の5割強を占める。トヨタ自動車も該当する。
企業の対応は自社株買いが中心になるようだ。日本企業は現金を持ち過ぎとの批判も多いので、ちょうどいいのかも。
しかし、東証が期待するのは「企業が資本コストや資本収益性を意識しながら、持続的に成長を目指す姿」で、「自社株買いなど一過性の対応を期待するものではない」とのこと。

私自身は、企業が東証にこんなことを言われる筋合いはないと思う。資本効率を高めるのはいいことだが、それをROEだけで計るのもどうかと思う。現金を持っておくのもそれなりの考えがあるだろう。

このほど来日したウォーレン・バフェットは日経のインタビューで、

――日本企業の半分がPBR1倍割れです。何を示唆しているのでしょうか。「純資産の簿価は(投資を決める)要素の一つではあるが、取り立てて重要なわけではない。私はビジネスを見ていて、それがどうなるかをみようとしている。企業の簿価を正確につかむことはできない。財務のいい企業に投資するなら、純資産はさほど大事ではない
――日本株の投資家として日銀に期待することは何ですか。
「必要なのは政府が民間産業を通じて経済の未来を発展させることに賛同していると感じられることだ。その点では米国も日本も心地よい環境だ」

PBR1倍割れがいいとも悪いとも言っていない。ただ、Book Valueは重要でないと言っている。
日銀も、政府も、東証も「必要なのは民間産業を通じて経済の未来を発展させることに賛同していると感じられること」が重要。企業に口を出すのではなく、環境を整えることが重要だ。
企業経営の評価は株主がする。「本当に経営に問題があると判断した場合はその会社は買わない。」ということだ。ウォール・ストリート・ルールという。やっぱり、これが本質だと思う。

ウォーレン・バフェット氏会見詳報 商社から協業提案「歓迎したい」 - 日本経済新聞

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