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204 米消費者物価統計に対する市場の反応

それは安堵だろう。前年同月比上昇率はほぼ横ばいで、ほぼ市場予想どおり。それでも、金利は下がり、それにつれてドル安になった。
総合は 3月 4.985%、 4月 4.930%
コアは 3月 5.590%、 4月 5.519%

市場にはいつもホンネの予想というものがある。
予想には、
一般的な予想 officially published consensus estimates
真の(ホンネの)期待値 whisper number
探りようもない推測値 whisper number two
の3つがある。
媒体に出てくるのは一般的な予想である。
真の(ホンネの)期待値は、通常表に出てこないが、今もあるのかどうか知らないが、Bloombergではホンネの予想を集計するページがあった。私も、時々入力していた、
そして、whisper number two、これが問題だ。ひょっとしたら・・・・という心のモヤモヤである。これはどこにも出てこない。

今回は、このwhisper number twoが作用したようだ。先日の雇用統計の失業率や前月比非農業部門雇用者数増加、賃金上昇率などを見て、ひょっとしたら、CPIは悪化した数値が出てくるのでは懸念していた。過去3か月の非農業部門雇用者数の増加数は低下しているところから、表面的には予想通りになるかなと考えていたが、万が一のことも想定してポジションをとっていたはずである。(ファンドマネージャーは、強気な予想でもポジションを控えめにするなど、言うこととやることが違うことがある。)
CPIの結果は、ほぼ予想通り、懸念していたようにはならなかった。この安堵感が金利を押し下げたのだろう。

実は、もう一つ理由がある。
パウエル議長は、昨年11月から Supercore inflation(=supercore services inflation)を重視していると述べた。エネルギーサービス、家賃を除くサービス価格である。これが確実に低下したのである。
最終的なターゲットはPCEデフレーターの上昇率が2%になることであるが、パウエル議長は supercore services inflation が2%になれば、他の項目については懸念していなくて、最終目標が達成できると考えている。

ところが、このsupercore services inflationを労働省は発表していない。自分で計算する必要があるが、それには情報が足りないように思う。エネルギーのうちエネルギーサービスのデータがないのである。しかし、「エネルギーサービスを除くサービス」のデータはあるので逆算はできるかもしれない。ヒストリーデータを得るにはかなり面倒な作業になると思う。私はgive upした。
幸いなことに、Bloombergが頑張って推計をしている。こういう点(データの加工)はBloombergは優れている。(今は知らないが、Bloombergは経済データの正確性、完璧さは力を入れていなかった。ISM指数の過去データがまちがっていることもあった。私はBloombergの経済データは信用していなかった。ただ、私が間違いを指摘すると比較的直ちに修正してくれた。なお、私は経済データはDatastreamを利用していた。)
そのBloombergのsupercore inflation推計値はBloombergを持っていなくても、twitterに掲載してくれている。次のtwitter account のフォローをお勧めする。(Bloombergを持っていれば、ECAN<Go>からたどれるようだ。)
Michael McDonough(@M_McDonough)さん / Twitter

長くなったので、ここで今回は止める。








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