見出し画像

603 ADP雇用統計も弱い

米ADP社が5日発表した8月の全米雇用報告では、民間部門雇用者数は9万9000人増と、2021年1月以来の低い伸びとなった。賃金上昇率も21年以来の低い伸びだが、安定しつつある。
企業は積極的な人員削減には動いていないものの、高金利に対応するため採用ペースを落としている

なお、というか但し、別途発表された先週の新規失業保険申請件数は、前週比5000件減少の22万7000件と、7月初旬以来の低い増加数となった。これは雇用堅調を示唆。

6日発表の非農業部門雇用者前月比の市場予想は+16.5万人だが、ADP雇用統計からの推計では10万人程度の増となる。一方、新規失業保険申請件数による推計では+20~27万人程度になる。

FRBは、インフレ抑制よりも、雇用市場サポートに金融政策の目標を転換している。9月0.25%利下げが濃厚。

FOMCは9月18日だが、9月7日からBlackout期間が始まる。Blackout期間直前のFOMCメンバー(特にFRBのメンバー)の発言が極めて重要。今日(9月6日)、誰か発言予定があるのだろうか?
9月5日にデイリー米SFは、「インフレは低下、景気は減速しており、FRBは金利引き下げるべき」と言っている。利下げは確実だ。たぶん、次のデイリー総裁の発言が、今のFRBの見方だろう。

「インフレは低下、景気は減速しており、FRBは金利引き下げるべき」
「9月の利下げ幅はまだわからない、雇用統計などさらなるデータが必要」
「FRBは変化する経済に合わせ政策を調整すべき」
労働市場は軟化したが依然として健全、悪化の証拠はみられない
「過度にタイトな政策は労働市場のさらなる軟化につながる可能性」
「米経済は転換点にあり、データは振れが大きくなる見通し」
「見通しが明確なら積極的な行動が可能だが、現在は不透明」

参照 2024-2026 FOMC Trading and External Communications Blackout Calendar



新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数(低下すれば雇用は堅調)は、一時雇用市場軟化を示していたが、ここにきて再び雇用市場が好調なことを示している。

新規失業保険申請件数と継続受給者数

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?