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291 米雇用市場は軟化 2023年8月

(1)非農業部門雇用者数の増加は縮小
直近3カ月で44.9万人増えたが、うち、医療・社会扶助従事者が28.3万人。その他が16.6万人。雇用市場は、かなり軟化してきているようだ。

なお、今回発表の雇用統計では、映画業界のストライキ(ハリウッド俳優労組によるスト)と大手陸運会社の事業閉鎖(トラック運送会社イエローの破綻)で合計5万4000人の雇用減少があった。これらがなければ、雇用者数はさらに増加していた可能性がある。
という見方もあるので、医療・福祉従事者、映画業界、トラック運輸業界を除いた民間雇用者の3か月増加数の推移を見ると、C19パンデミック前の水準よりも低くなっている。雇用市場はかなり軟化しているようだ。

(2)雇用全体に対して先行性がある人材派遣業の雇用者数は減少続く
雇用市場はひっ迫した状態から緩和状態へと向かっている。雇用全体に対して先行性がある人材派遣業の雇用者数が既に減少している。

(3)賃金増加率も低下
時給の伸び(前月比、年率)は大きく低下した。前月比はフレが大きいので、3か月前比で見ても、着々と増加率が低下している。但し、過去の平均的な水準まではまだ遠い。

(4)雇用とFF金利
以上のように、賃金上昇率はまだ高いが、雇用者の増加数はかなり減速している。雇用者数の増加だけ見ていれば、経験的にFF金利の利上げはない可能性がある。

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