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494 日本のGDP

2024年1-3月期のGDPが発表された。
実質GDPの前期比年率は2.0%減だった。品質不正問題による自動車の生産・出荷停止の影響で消費や設備投資が落ち込んだ。

そういうことなのだが、自動車メーカーの認証取得をめぐる不正問題を別としても、そもそも冴えないような気がする。気がするというのは、どうもよくわからないのだ。

実質GDPが停滞しているのは間違いない。実質とは数量ベースということだ。この数量には品質の向上も含まれる。自動車を買い替えても、品質が向上していればそのぶん、実質GDPは増える。品質の向上が含まれているにもかかわらず、実質GDPが停滞しているというのは、冴えないということだろう。
人口が減少したり、高齢化の影響もあろうが、数年ではそれほど影響があるわけはないだろう。
なお、GDP算出に当たり「品質の向上」をどのように計算しているかは知らない。
知らないというのは、自分でやったことがなく、なんかよくわからないということだ。実務的にどういうようにしているかは次を参照。
Ⅲ 第2 比較時価格の算出時における品質調整 pdf
統計局ホームページ/消費者物価指数に関するQ&A(回答)

いったい、GDPがどうであればよいと言えるのか?今は、名目GDPが安定的に3%成長することが目標だ。そうであれば、税収も順調に伸び、増税なしでも財政のバランスもとれてくる、金利も適度に上昇し、過度な為替変動(円安)もおさまる、賃金も適度に上昇し、購買力も維持される、物価上昇もマイルドと考えられている。
日銀はその実現を目指して必死だ。

名目GDPは97年から22年まで横這い。失われた25年。それが22年第4Q から物価とともに急速に高まっている。いよいよ脱デフレか?という状況である。

失われた25年は、名目GDPの拡大よりも雇用者報酬の拡大の方が低かった。そして、名目GDPが低下⇒賃金は硬直的なので落ち方は鈍い ということで、両者の関係は続いてきた。
今、名目GDP拡大(3%拡大)⇒雇用者報酬拡大(3%拡大)⇒・・・という連鎖が起きるか?
とりあえずは、それは秋口から試される。
1-3月期のGDPは気にせず、7-9月期以降の雇用者報酬の動向に注目したい。

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