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438 パウエル議長ご乱心

パウエル議長は、3月20日のFOMCで物価は沈静化に向かっていることは確かと何度も言った。そして、最も重要なのはインフレのデータだとも。
しかし、これだけインフレ沈静化には自信があると言いつつ、「インフレ率が2%に向かって持続的に低下していることを確信できるようになるまでは利下げしない」と。

FRBは二つの責務のうち、これまでインフレ抑制を最優先していた。多少、景気が悪くなってもインフレ鎮静化を優先すると。

しかし、
・労働市場データに大幅な弱さが見られたら、利下げのプロセスを開始する。
・昨年、雇用が堅調に拡大してもインフレ加速にはならなかった。雇用が急拡大しても利下げ見送りの理由にはならない。
とも。

方針転換したのか?

結局、今年は利下げしないかもしれない。しかし、インフレは鎮静化していると主張し、利下げ期待は高めている。なんだこれは??

こうした中で、FOMCで投票権を持つボスティック総裁は、インフレ率が2%に向かって低下し続けるという確信は「昨年12月時点よりも確実に薄れている」と語った。FOMCは3月20日で、ボスティック総裁発言は22日だ。
米FRBの今年の利下げは1回、アトランタ連銀総裁が予想修正

債券市場と為替市場は、今の米国金融政策を理解できずにいる。
株式市場は、もし、景気が悪化したら利下げされると、FRBプット復活を喜んでいる。
国民には「インフレの鎮静化が進んでいる。タイミングはさておき、利下げがなされる」と思わせている。

なお、私は、このままでは1回でさえ利下げはない。ただし、どこかの時点で混乱している商業用不動産市場絡みで大きな破綻があり、それをきっかけに利下げが行われると考えている。

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