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560 米国株のPER

いよいよ米国株(S&P500)のPERが話題になってきた。まだ懸念する必要はないと思うが、気に留めておく必要はあるようになってきている。

S&P500のPERについてだが、参考知識を、まず掲載する。

PERは株価をeps(一株当たり利益)で割ったものだ。株価は一つしかないが、epsは種々あるところが問題だ。どれも似たようなものなら大きな問題ではないが、かなり違うことも多々ある。

epsは公式なデータはない。いくつかのベンダーが集計したり、計算したりしている。巷間見かけるのには、次のようなものがある。これだけでも9種類もある。

・これ以外にもあるが、メジャーなのは上記だ。
・以前作った表だが、IBESは、今はロンドン証取の傘下にある。
・プロフォーマ利益とは、当期純利益から一時的な(非反復的な)損益などを排除add backして計算した経常的な利益。。

新聞などに米国のPERは**と書かれているが、その計算のもとになるepsは上記のどれであるかということをわかっていないと、誤解するときもある。
以上を説明していくと長くなるので、今回は省略する。但し、
・最もヒストリーが長いのがS&P社報告ベース。100年以上ある。
・昔ながらの人はIBESを使っている人が多い。FRBもIBESを利用している。
・機関投資にとって最も手軽なのは、Bloomberg予想ベース。何故なら、機関投資家でBlombergを利用していないところはないからだ。
・FactSetも時々見かける。直近の分析をWebで公開している。
なお、S&P社のデータを除いて、全て何らかの形で有料である。

さて、以下では、最もヒストリーが長いデータのS&P500報告ベース直近12カ月のepsで見ていく。

現在、S&P500のPERは28.25倍。通常の状態の22.2倍に比べかなり高い。
グラフで、山になっているところは、殆どが景気後退後にepsが大きく落ち込んでPERが高くなっているだけで、今回のように株価の上昇によりperが高くなったのは、1999年だけである。99年4月に34倍まで拡大している。

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