徒歩補な温泉巡り・・・『吉松温泉郷①〜ステルス温泉つつはの湯』

 しばらく更新が止まっていましたが、温泉巡りをやめてたわけではなく、地道に温泉を巡って情報をストックしていました。
 少しまとまって来ましたので、改めて記事を書きたいと思います。
 今回取り上げるのは、鹿児島県の宮崎県との県境付近にある「吉松温泉郷」になります。
 吉松駅から宮崎県の京町温泉との間には、地域に根ざした公衆浴場型の温泉、いわゆる「ジモ泉」が徒歩県内に多数点在しています。
 その中で、吉松駅に近い部分を「吉松温泉郷」と呼ぶようです。
 個人的なイメージとしては、川内川に沿って分散配置されていますので、古墳のように「吉松温泉群」と呼んでもよいように思います。
 基本的には黒色のモール泉のはずですが、色の濃さや臭気に違いがあり、無色透明に近いものからコーヒー色というべき黒さまで幅が広いです。
 その中から今回は「つつはの湯」を紹介します。
 特筆すべきは、その存在の「ステルス性」です。
 普通に道路を歩いているだけだと、屋根に掛かっている青いビニールシートが木立の間から見えているだけなので、ほぼ見付けられないと思います。

中央付近の青いものが屋根のブルーシート

 事前にマップで位置を確認して、GPSに誘導してもらっても、温泉らしい建物が見えません。
 唯一、屋根にブルーシートが掛かっているあばら屋があるだけです。
 耳をよく澄ますと、その建物から水音が聞こえてきます。
 また、出入り口に小さく「男湯」「女湯」の表示があります。
 もしやと思って扉を開けてみると、脱衣室があり温泉だとわかります。

これが目指す温泉です

 脱衣室に入って左側の壁に、組合員以外の入浴者は200円を支払うように表示されています(しかも2箇所も)。しかし、肝心のお金を入れる容器が見当たりません。仕方ないので、表示の下の棚状になっているところにおいてきました。
 脱衣室は床がかなり傷んでおり、うっかり変な場所を踏むと抜けそうです。そのため、慎重に歩を進め、年期の入った木製の脱衣棚にたどり着きました。
 浴室は先客一人。地元の方らしく、鹿児島弁ネイティブで話をされるので、最初は季節の挨拶でもされているのかと思いましたが、よくよく聞いてみると、どうやら昨晩発射されたH3ロケットがここから見えなかったということのようです(そんな地元の人しかわからないような話を振られても・・・)
 お湯自体は、それほど色濃くないモール泉です。かなり熱めで、先客の方が「熱かろう」というニュアンスの言葉を発せられましたが、寒さ厳しい早朝でしたので、私的にはちょうどいい案配でした。
 源泉掛け流しかどうかは表示がなかったように思いますが、どう見ても温泉をそのまま注いであふれさせているだけですので、ほぼ間違いないと思います。
 浴室内の雰囲気は、外観ほどではないですが、ほどよく寂れていて、とても落ち着きます。
 乗り換えのバスの時間が迫っていたため、そそくさと出てしまいましたが、時間に余裕があれば、お湯に出たり入ったりを繰り返して、雰囲気を楽しみたかったです。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?