見出し画像

【ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND】L'Arc〜en〜Ciel at 国立競技場代々木第一体育館

L’Arc〜en〜Cielを見てきました〜
言うまでもなく、日本のロックシーンにおいては格別の存在であるこのバンド。しかし、自分がこのバンドを知ったのは活動が鈍化していた2010年代後半。高校生の頃、当時組んでいたバンドのメンバーに勧められ、『Clicked Singles Best 13』をツタヤで借りたのが全ての始まりでした。
そこから、なんとなくシングル曲をいくつか知っている状態が続き、大学へ進学。そこで入った軽音部の先輩とラルクのコピーバンドを組むことになり、さらに聴き込むようになりました。
とは言ってもまだまだにわかファンであることには違いないのですが、いつかライブで観れたらなあと思っていたL’Arc〜en〜Ciel。この度、その大学の先輩に何枚もチケットが当たったということで、誘ってもらい、L’Arc〜en〜Cielを見る機会にありつきました。
自分と同行者が今回の会場、代々木第一体育館に到着したのは14:30ごろ。周辺は既にかなりの人出で、なんの列だかよく分からない列が沢山。グッズとかも見れたらな…と思っていましたが、諦めて入場口へ向かいました。バケットハット欲しかったなあ。
開場は15時。開場待ちの列が大方はけた頃にスルッと入場。席は南側の一階席の前方。ということで、いざ席へ向かうと、まあステージが近い。
今回のライブはアリーナの中心にステージがあるということで、確かにアリーナのど真ん中に円形のステージと、そこから4本の花道が伸びていたのですが、このステージと席の距離が本当に近い。10000人規模の会場とは思えないほどコンパクトでした。
開演は16時を少し過ぎた頃。ステージの真上に取り付けられたスクリーンに、森に雨が降り注ぐ映像が延々と流れていたのですが、ここでそれがようやく変化。照明がゆっくり落ちていくと共に、鳥がホグワーツ城のような怪しい古城に入る映像がスタート。視点はその城の中へと移っていき、そこには4人のメンバー達が…という流れでした。
そんなこんなでピアノのイントロが流れ始め、ライブは「THE BLACK ROSE」でスタート!!!!
ステージには薄い幕が貼られ、その内側でのパフォーマンスでした。中が透けて見えるような幕だったため、メンバーは割とはっきり見えましたし、加えてメンバーの影が幾重にも幕の内側に投影されて、何か神々しさまで感じました。
続く「EXISTENCE」では幕も降りて、本格的にライブ開始。
序盤は今ツアーの目玉でもある、今まで演奏機会が少なかった曲が中心。にわかファンである自分も予習の成果を発揮し、しっかり楽しみました。
今から考えると、この前半に演奏された曲は、発表時期はバラバラながら、系統としては共通していた気がします。
前述した曲に加え、「砂時計」や「Taste of love」など、一曲通して淡く優しく影があり、そして美しい曲、と言ってわかってもらえるでしょうか。
このバンドには「HONEY」や「STAY AWAY」など強烈なヒット曲が山ほどありますが、その辺とは違う毛色のナンバー。初期はこの雰囲気を纏う曲が多い気がします。
実際、この前半では演出も暗め。照明も暗色系のものが中心でしたし、メンバーの衣装もシンプルでした。
その流れが変わるのは、「Vivid Colors」から。シングル曲であり、初期の淡い美しさとポップセンスを兼ね備えた名曲は、hydeのタイトルコールからしめやかにスタート。会場は今日イチの盛り上がりを見せました。自分も大学時代にバンドでコピーしただけに、感慨深いものがありました。記憶の中の自分達の演奏と重ねながら、懐かしさを感じると同時に、当時悩んだ箇所の答え合わせをするような気分で聴きました。
大学時代、自分はギターでこの曲をコピーしていたのですが、バンドメンバーに”kenはもっとライブでのアレンジが多いから自由に弾いてくれ”と言われたのですが、この日の「Vivid Colors」では割と音源通りに弾いていて、なんやねんと思う一幕もありました。
そこからは「flower」や「Blame」など比較的メジャー(多分)な選曲が続き、「叙情詩」で本編は終了。
メンバーがはけたと思ったら、ラルクイズなるイベントがスタート。結構盛り上がり、気付けばまた会場が暗転していました。
アンコールの一曲目は「GOOD LUCK MY WAY」。ここからはメンバーの衣装も派手かつ照明も明るく、一気にキラキラした印象に。自分の中にある後期ラルクのイメージのようになっていました。
途中MCを挟みつつ、「ミライ」など比較的新しめの曲を演奏しながらアンコールは進行。
締めは「MY HEART DRAWS A DREAM」。合計2時間半ほどのライブでした。
さて、ざっくりとした印象としては、やはり熟練のバンドは経験値が違うということ。
そもそも演奏に余裕がある。若いバンドのように、ここに全力投球、という勢いではなく、落ち着きと脱力感があるプレイなんですよね。
それでいて、割と演奏はかっちりしていたように感じました。もちろん、あれっという部分もあったりしたんですが、次のフレーズではバチッと全体が合っていて、その修正力には驚かされました。
yukihiroの機械的なドラミングにヌルヌル動くtetsuyaのベースラインと、カッティングとディレイをふんだんに使うkenのギターが巧みに絡み合う様は、緻密に計算されたものではなく、お互いに共有しているグルーヴの存在を強く感じるものでしたね。hydeも含めて、あれだけ長年共にプレイしていると、そこに生まれる空気感なんてものがあるのかなあと思いました。
それでいて、MCは気の抜けたもので、hydeなんて全くノープランの人みたいなリアクションをしていました。あと、tetsuyaとkenってこんなに喋るんだなあとも思いました。kenはMCで下ネタばかり言ってる(?)という噂も聞いていましたが、それもしっかり回収できて満足です。
加えて、音のクオリティもこのライブの良かったことのうちの一つですね。とりわけ、バンド内の音の棲み分けが巧みだと思います。yukihiroのドラムが結構硬い音(スネアもパンという甲高い響き方をするし、バスドラは抑えめ)で、kenのギターも低音が豊かに響くタイプではありません。そのためか、tetsuyaのベースが下からバンドを支えるかのように、バンドサウンドの厚みを生む役割に徹していたように感じました。
個人的には、あれだけ動き回るベースラインですし、バンド内でもどんどん前に出てくるのではないかと思っていたため、これはかなり意外でした。
それでも、そのおかげで、バンドとしての一体感は格段に向上していました。そして、この上にhydeの甘く深いボーカルが乗ってくると、ああラルクだなあ…と思わせるサウンドに。hydeの声も、十分なリバーブによってより厚みを感じさせるものになっていました。やはりバンドメンバーのみならず、スタッフもベテラン揃いなのでしょうか。hydeの声質を熟知しているが故の技を感じました。
以上、L’Arc〜en〜Cielのライブの感想でした。
やっぱ何十年も音楽やってる人たちのパフォーマンスは格別ですね。若いバンドの溢れるエネルギーとはまた違った良さがあります。
しかし次見る時までにはもうちょっと知識をつけてから行きたい…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?