2/26 人形の話
生まれてはじめて人形の雑誌を買った。
世の中に「人形」という大人の趣味があることは知っていた。初めて大人が遊ぶ方の人形をみたのは中学生の頃かな。当時はローゼンメイデン大流行時代、中2病真っ盛りだった私は初めてみるロリータファッションに大興奮していた。人形が主役の作品だからキャラクターのカスタムドールを作ってるオタクもちらほらいて、どこかで写真をみたのが最初だったと思う。そのときの印象は「なんか怖い」。そのあとしばらくは人形を目にする機会はなかったと思う(覚えてないだけかも)
大学に入って、人形が趣味のお友達ができた。その子は結構ディープにハマっている人でスーパードルフィーを中心にメチャクチャ人形の知識が豊富だった。私は自分の知らないものの話を聞くのが好きで、オタクの話を聞くのが好きだから、その子と会うたびにお人形の話を聞いていた。最初は「きれい」「かわいい」以外の感情があんまりなかったんだけど聞いていくうちに面白い世界だなぁと思うようになった。ある日地元でドルパやるからいこうよ~と誘われてホイホイついていってそこで初めて本当に深い沼をみた。ドールズパーティ、通称ドルパはお人形を作っているボークスという会社のイベントで、ボークス以外の人形は持ち込み禁止。限定ドールの販売やオークション、あとは同人誌即売会みたいな感じでディーラーさんによる展示販売も行っている。お友達は買い物ガチ勢&界隈の人との付き合いがあるので最初から別行動で、私は一人で会場をぶらぶらしていた。私みたいな外野の客もいるだろうけど基本的にみんなドールのオーナーで、皆ドールを持ち寄っている。会場の奥にオーナーが持参したお人形が飾られているスペースがあったのだけど、そのスペースの多幸感で完全に頭がイカレてしまった。他人のドール、マジでやばい。ボークスのショップや公式カタログをみたときには一切感じなかったヤバさを感じた。他人のドール、やばい、かわいい、かわいすぎる。机の上にいるお人形たち全員、オーナーからあらん限りの愛情を注がれているのがわかる。一人として同じ顔、同じ表情の子はいなくて、皆それぞれ生きているようだった。私、とにかく愛に弱いんですよ。他人の愛を、愛を浴びてキラキラ輝くものをみると胸がいっぱいになって涙がでてしまうんですよ。だから私は、ドールズパーティで泣いた………………愛のまぶしさに涙が止まらなかった。愛って最高!
あの日、他人のドールをみて激しく感動したんですけど、そのあとも人形をお迎えしようとはしなかった。理由の一つは高価だから。もう一つは、私が整理整頓のできない汚部屋住人だから!きっと私は人形を手にいれたことに満足して愛情注いであげられない。管理もできず、汚い部屋のすみっこで放っておかれるなんてお人形が可哀想すぎる!私が人間的に成長して、ちゃんとできるようになってからお迎えしよう!そう思って数年、いまだに部屋が汚い。当然人形はお迎えしていない。
そんな私がお人形の雑誌を買った。Dollybird vol.26。素晴らしくかわいい表紙だけど、観賞用ではなく実用のために買った。この号の巻頭特殊はフレームアームズガールで、FAガールがもっとかわいくなる組み立て方やカスタムのやり方、超かわいいワンピースのレシピなどがあり、なによりも写真がどれもかわいくて大満足の1冊だった。
ちなみにフレームアームズガールとは、コトブキヤからでている美少女プラモデルです。古いほうの武装神姫にハマっているお友達と一緒に難波のオタク店を見回っているとき、「マテリア」という子が目にとびこんできてなんだかすごく心に残ってしまった。あのあと3日くらいマテリアのことが忘れられなくてこんなにモヤモヤするならそんなに高いものでもないしいっそ買ってしまえ!といって買ってしまった…。ちなみにまだ組み立ててません。この本を実用できる日はくるのか…?
本を買ったはいいけど組み立てすら不安なのでカスタムなんてできる気がしない。なんで買ったのかというと、この雑誌のマテリアが着ているワンピースがほしかったからだ。マテリアと出会った日、コトブキヤの3階から1階に降りようとエレベーターに乗ったのだけど、途中で誰かが降りたときそこが1階かと思って一緒に降りてしまった。すると目の前にお人形のお店があった。そこはアゾンとか人形の服が売っているお店で、ショーケースの中にはお洋服をきているフレームアームズガールがいた。エッ!?プラモデルにもかわいいお洋服を着せられるんだ!?はじめてみるものだったので、軽くカルチャーショックをうけた。フレームアームズガールは戦闘機をモチーフにしたデザインだから少し武骨で、男性向け!って感じだから、かわいい衣服を身に着けてる様子はなんともいえず甘やかで、うっとりした。私もフレームアームズガールを買ったら絶対にお洋服を着せたい!っていうか黒白マテリアに色違いのベビードール着せたい!!お洋服を用意するところまでセットで楽しみたいと思った。
しかし私天才的に手先不器用なんだけどお洋服作れるかなぁ。頭も悪いので不安です。でもああしたいなこうしたいなって考えてる時間が楽しいからいいのかなぁ、それだけで価値があるよなって自分をなだめて今日も組み立ててません。大丈夫!そのうちやる(一生やらない人がいう言葉)
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