みんなのうた、トゲめくスピカ考察

【"トゲめくスピカ"考察】
NHKの「みんなのうた」で放送された「トゲめくスピカ」。これは、ポルカドットスティングというグループによって歌われる曲です。今回はこの放送された映像の"アニメーション"の内容の考察をしていきたいと思います。
この映像には、主人公と思われる若い男性と黒いネコのようなキャラクターが出てくる。ざっくり説明すると、男性がネコのようなキャラクターと共に海に眠る様々な物を釣り上げていく内容である。

映像の前半で注目したいのがまず、"棘(トゲ)"、である。曲のタイトルにもなってるように、この映像にも、多くのトゲの様なものが出てくる。それらは全て、釣り上げた物に刺さっている。釣り上げた後に、トゲを抜いてあげると、彼らは元あった場所と思われるところに消えて無くなってしまう。

このシーンでは、時計、ミニカー、ウサギのぬいぐるみが描かれているが、それらは全て持ち主があたかも探し物をしていたかのように、思いもよらない場所に現れる。この事から、釣り上げた物はきっと、全て、誰かの"忘れ物・無くし物"なのではないかと考えられる。
つまり、この男性とネコ?は誰かの大切な思いわ出や宝物を釣り上げては返してあげてると考えられる。

映像の後半では、大きくストーリーに変化が訪れる。いつも通りに誰かの無くしものを探し、釣りをするのだが、この日はオレンジ色のコップとスプーンしか釣り上げることができなかった。いつも通りトゲを抜いてあげると思いきや、何故かその前にネコが何かに少し気づいたような不思議な顔をするシーンがある。このアニメーションでは、曲のサビで男性とネコが回りながら背景が目まぐるしく変化するシーンがある。その中に男性が住んでいたと思われる部屋が写る。そのシーンの左側の机の上にオレンジ色のコップが置いてある。恐らく、このネコはこの釣り上げたコップが男性のコップであることに気づいたのではないかと思われる。

その日の夜、男性はあることに気がつく。
隣で幸せそうに寝ているネコの頭に三日月の形をしたトゲが刺さっていることに。
これを見た、男性はかつて彼の自宅だったであろう、「みかづき診療所」を遠目に眺める。
次の日の朝、ネコが起きると、普段誰かの忘れ物を集めていた光のリングの中にいることに気づく。起き上がると男性が、ある方向を指差す。

朝日に照らされる「みかづき診療所」だ。

ネコがそこに気を取られている隙に、頭のトゲに釣り針をひっかける。ネコはそれに気付き、やめてといわんばかりにくびを振って見せる。しかし、男性は迷うことなくその"トゲ"をとってみせた。するとネコの纏っていた服の様なものは消え、体は透けて、空へ消えていきそうになる。ネコは離れたくないと、必死に動き、目には涙を浮かべながら、男性のことを呼ぶが、その思いは叶わない。最後に男性はネコに近づき微笑みかける。このときに男性を覆っていた包帯や帽子も消えて彼の素顔が明らかになる。

その後、診療所の一部屋にちいさな光と共に、黒いネコのルアーが現れる。そのネコが見ていたのは彼がこのルアーと共に魚を釣り上げた一枚の写真であった。

彼はネコが居なくなった後も、一人で釣りを続けていた。すると、彼の後ろに再び、あのネコが現れた。

彼の帽子と共に。

ここまで話してきた間に気づいた方もいるかもしれないが、男性の話は全て"過去形"で話してきた。その理由は、この男性が既に"亡くなっている"と考えられるからである。このように考えるのにはいくつかの理由がある。

まず、一つ目。
部屋に飾ってあった写真である。
考えても見て欲しい。自分の部屋に家族と写ってるならまだしも自分一人の写真を飾るだろうか。恐らく、飾る人は少ないと思われる。この部屋にはもう、彼は住んでいないと考えられるからである。
二つ目は、千羽鶴である。
写真の横にはカラフルな千羽鶴がぶら下がっているのがわかる。千羽鶴で連想するのは、恐らく病気になってしまった子供への贈り物などだろう。
この、診療所がアップで写ったときに、看板には、内科・小児科と、かかれている。
きっとこの男性も、この病院で入院をしていたのかもしれない。
三つ目は、この映像のモデルとなった場所。
「奈良俣ダム」である。
この、アニメーションではオレンジのコップを見つけるときに、ネコが水面に顔をつけて何かを見つけるシーンがある。このシーンで、水中が描かれているのだが、これをよく見てみると、左右には丘や平らな土地、学校の様な建物、そして、川の様なものや橋が真ん中に描かれている。そのうち右上には黄緑色に光る何かが写っている。ここで、シーンが切り替わると、なんと、そこには、水中に沈んでいた先程の平らな場所に自転車を停め、バッグを地面に置いた緑色にに光る男性の姿が写し出されていた。
ダムはよく、当たり前のように人々が生活し、鉄道が走っていたところに作られ、全てを沈めてしまうことがある。
きっとこの映像にもあったように、この水中には、かつてこの男性と一緒に釣りをしていた、思い出の土地があったのかもしれない。
この事を踏まえると、今まで吊り上げていたものは、かつての住まいや土地で忘れてきたものや大切なものを釣り上げては、引っ越しをした先のかつての住民などに届けていたのではないか、と考えると自然である。
最後は、この男性自身である。
最後、一人で釣りをしているシーンでは、彼の体が透けてしまっているのがわかる。釣り上げた様々なものやネコからトゲをとったときも同じように透けていたことから、この男性も海に沈んでいたのではないかと考えられる。特にこのシーンでは彼は身に付けている洋服が真っ白で無地のものであることから、この男性が病気で入院していたのではないかと考えられる。

これらのことから、私が導きだした答えは、、


彼はかつて、この街の住民で、毎日のように、大切なネコのルアーを手に、釣りを楽しんでいた。しかし、ある日病気になってしまった。白い洋服に身を包み、入院をし、治療をするも、その命は助からず、若くして亡くなってしまった。その後、彼の墓が作られたが、しばらく経ってダムの建設が決まり、彼の遊んでいた町や墓は全て海の底に沈んでしまった。彼の自宅であっただろう「みかづき診療所」には彼のよく使っていた自転車、かばん、首飾り、千羽鶴、そして、ネコのルアーの釣竿が置いてある。きっと、彼の家族が大切に、彼の部屋ごとそのまま残しておいてあるのだろう。

いつでも彼が帰ってこられるように。

彼は幽霊の様な形でダムに沈んだ後の町に訪れずて、大切なネコと共に誰かの大切な物を見つけては届けている。

彼は、今でもだれかのために"大切な探し物"を釣り上げ続けているのだろうか。

彼は、いつか、、

自分のトゲを見つけることが出来るのだろうか。

====================


いかがだったでしょうか?

私の意見に、共感、納得するところはあったでしょうか。
これらは全て私個人の意見であり、NHKやこの動画を制作した神風動画さんとは一切関係ありませんので、その点はご了承下さい。

今回、私が伝えたかったことは、神風動画さんのつくる動画は相変わらず神!神風だけにw

ってことです!
曲ももちろん大好きで、歌詞に注目しても、ものすごいいいのですが、私は特にサビの声色が変わって印象が変わるところに、はじめて聞いたときは鳥肌がたつ様な、感動やカッコいいという感情を覚えました。皆さんはどこが好きでしょうか?

では、最後まで読んでくださりありがとうございました!ヘ(≧▽≦ヘ)♪


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?