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価格転嫁 公的な情報を活用し適正利益の確保を


税理士の高木です。原材料等の値上がりの中で価格転嫁は中小企業にとって不可欠です。その理由は適正な利益の確保にあります。適正な利益は、賃上げ、研究開発、設備投資などに必要な成長、発展に不可欠な原資になるのです。
このことを頭に置きながら、次の物語をお読みください。
それでは・・・

ある日のこと、大阪の町工場で働く中村さんは、最近の原材料費の高騰に頭を悩ませていました。彼の工場は部品製造を主な業務としており、大手企業からの注文に依存していました。

「このままじゃ、うちの利益がどんどん減ってしまう…」中村さんはため息をつきながら、同僚の山田さんに相談しました。

山田さんは、最近中小企業庁のウェブサイトで見た情報を思い出しながら答えました。「中村さん、価格交渉促進月間って知ってる?3月と9月に中小企業庁が行っているもので、価格交渉や価格転嫁の状況を調査して、その結果を公表してるんだ。」

「それは知らなかった。でも、具体的にどうすればいいんだろう?」と中村さんは興味津々に聞きました。

山田さんは続けました。「まず、政府や自治体が提供している情報を日頃からチェックすることが大切だよ。例えば、中小企業庁が発行している『価格交渉ハンドブック』には、交渉時のポイントや役立つツールが載っているんだ。」

「なるほど、でも具体的にどんな情報が役立つのかな?」

山田さんは図表を見せながら説明しました。「例えば、最近の調査では、発注側企業からの交渉の申し入れが倍増しているんだ。また、価格転嫁も少しずつ進んでいて、以前よりも全く転嫁できなかった割合が減少している。」

中村さんは少し希望を持ちました。「それなら、うちも価格交渉を頑張ってみる価値があるね。でも、どうやって交渉力を高めればいいんだろう?」

山田さんはにっこり笑って答えました。「それには、いくつかの戦略があるんだ。まず、1社に依存しない取引体制を築くこと。そして、原材料費や労務費などのコストを明確に把握して、発注者に示すことが大切だよ。また、価格改定の告知をウェブサイトで公表するのも効果的だ。」

中村さんはメモを取りながら、「確かに、そうすることで価格交渉がスムーズに進みそうだ。でも、それでも難しい場合はどうすればいいのかな?」

山田さんは真剣な表情で、「その時は、ぜひ税理士に相談することをおすすめするよ。小さなことでも気軽に相談することで、新しい視点や解決策が見つかるかもしれない。」

このように、中小企業が価格転嫁を進めるためには、政府や自治体の支援策を活用し、適正な利益を確保することが重要です。中村さんのように、情報を収集し、戦略を練り、必要であれば税理士に相談することで、価格交渉を成功させることができます。皆さんも、価格交渉の機会を逃さず、企業の成長と発展に繋げていきましょう!

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