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BookReview 忘れてはならない日本の偉人たち



日本の危機を救った21人の偉人たち – 渡部昇一の『忘れてはならない日本の偉人たち』を読んで


渡部昇一の『忘れてはならない日本の偉人たち』は、歴史の中で日本の危機を救い、その国のかたちを守った21人の偉人たちを描いた人物伝です。知の巨人である渡部は、彼らの生き方を紐解き、私たちにその偉業と人間性を伝えています。この記事では、各章の主要な人物とその意義を紹介しながら、本書の魅力に迫ります。

国のかたちを守る

まず、『国のかたちを守る』という章では、和気清麻呂、藤原道長、楠木正成、吉田松陰といった偉人たちが取り上げられています。これらの人物は、それぞれの時代において日本の独立と統一を維持するために重要な役割を果たしました。

和気清麻呂は、神道と仏教の調和を図り、日本の宗教的な基盤を築きました。一方、藤原道長は摂関政治を確立し、平安時代の安定を支えました。楠木正成は南北朝時代の忠臣として名高く、その戦略と勇気は今なお称賛されています。吉田松陰は幕末の思想家として、維新の志士たちに大きな影響を与えました。

日本文化の広がり

次に、『日本文化の広がり』の章では、太安万侶、正宗、伊藤仁斎・東涯、二宮利右衛門が登場します。彼らは日本の文化や思想を広め、後世に大きな影響を及ぼしました。

太安万侶は『古事記』を編纂し、日本の神話と歴史を後世に伝えました。正宗は日本刀の名工として、その技術と美しさで世界に誇れる文化遺産を残しました。伊藤仁斎・東涯親子は儒学を発展させ、倫理観や道徳の教育に貢献しました。二宮利右衛門は経済思想家として、自助努力と倹約の精神を説き、農村の再生を図りました。

改革への気概

『改革への気概』の章では、上杉鷹山、橋本左内、渋沢栄一、木越安綱が紹介されています。彼らはそれぞれの分野で改革を推進し、日本の発展に寄与しました。

上杉鷹山は藩政改革を行い、米沢藩の財政再建に成功しました。橋本左内は幕末の志士として、政治改革を目指し、若くして命を落としましたが、その思想は今なお生き続けています。渋沢栄一は近代日本の資本主義の父と呼ばれ、数多くの企業や銀行を設立し、経済発展に大きく寄与しました。木越安綱は教育改革に尽力し、多くの優秀な人材を育成しました。

日本の名将たち

『日本の名将たち』の章では、乃木希典、宮崎繁三郎、今村均、中川州男、池田末男が取り上げられています。彼らは軍人として日本を守り、その名を歴史に刻みました。

乃木希典は日露戦争での活躍が有名で、その武勇と忠誠心は今なお語り継がれています。宮崎繁三郎は明治から昭和にかけて数々の戦場で指揮を執り、その戦術眼とリーダーシップが光りました。今村均中川州男は太平洋戦争での戦功が知られ、その指導力と決断力が多くの兵士を救いました。池田末男は陸軍大将として、多くの作戦を成功に導きました。

胆力と行動力

最後に、『胆力と行動力』の章では、勝海舟、東郷平八郎、佐久間勉、岸信介が登場します。彼らは、その胆力と行動力で困難に立ち向かい、日本の未来を切り開きました。

勝海舟は幕末から明治にかけて、外交と海軍の発展に尽力しました。東郷平八郎は日本海海戦での勝利により、その名を歴史に刻みました。佐久間勉は潜水艦の発展に尽力し、その技術は後世に大きな影響を与えました。岸信介は戦後の復興に尽力し、日本の経済発展を支えました。


渡部昇一の『忘れてはならない日本の偉人たち』は、日本の歴史と文化に対する深い理解を促す一冊です。各偉人の生き様とその背景に触れることで、私たちは過去から学び、未来に活かすことができるでしょう。この本を通じて、日本の偉人たちの偉大さとその教訓に触れ、彼らの遺した遺産を再評価することができます。歴史好きな方や教育者、そして未来のリーダーたちにとって、この本は必読の価値があるでしょう。

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