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島流し3日目 その1【海士の海岸で愛を叫ぶ】

★この内容は2022/3/16の記録です。

9人の仲間と濃厚な時間を過ごした、非日常の時間も本日まで。

島から出れば、それぞれ、いつもの慌ただしい日常に押し流されていくだろう。

この島で感じたことを、気づいたことを、どう日常に接続していくか。それが最終日のテーマ。

※前回の記事はこちら


明屋海岸へ

朝食を済ませまず向かったのは、島の北東部の明屋海岸。

素潜りをすればサザエがいくらでも採れてしまうような青く澄んだ海岸で、夏場はキャンプ場にもなるという。

ぼんやりと想いを巡らせるには最高の場所だ。

遠くには隠岐諸島最大の島、島後島(隠岐の島町)も見える。

ペアウォーク

最初のアクティビティはペアウォーク。2人一組になって海岸を散策しながら、2日間で感じたことや今の気持ちをシェアしあう。

私がペアになったのは、ぐっちゃん(坂口さん)。初日の過去現在未来のアートワークでも同じグループ。

彼はそのワークで話したときから、とても多彩な印象。

私から見ると、仕事ができるだけじゃなく、音楽に没頭したり、フルマラソンで4時間を切ったり、自転車もやったり、色々なことにトライして視野を広げていたが、

初日の彼は、"どれも中途半端で誇れるものが無い" という悩みを口にしていた。

しかし昨日の海士町の方や高校生との対話を通じて、実はそんな自身の活動も、他人からは驚かれたり、自分ならではと言えることなのだ、自分のなかの"ある"="ないものはない"に気づいたのだそうだ。

そう話している姿を見て、シャッターを押した。

とても晴れやかな表情だった。

"社会をこうしたい"という目線

彼と会話をしていてると、私は全然だなぁと思う点は他にもあった。

それは社会に目が向いている点だ。

彼は目薬という商品に関わっていたりするけど、その売上とか、もしくは自分の収入や暮らしをもっと良くしたいとかそうではなく、

『子どもたちの目を良くしたい。現代は目が疲れているはずなのに、疲れていることさえ気づけなくなってる。何かできないか。』

『昔はタワマンに住んでみたいとか思ったけど、そう思わなくなった 』

のように語り、"社会を良くする" レベルのことを考えていた。


翻って私はどうだろうか。

"自分がより良くなりたい" ことしか考えられていないのではないか・・・。

社会なんて目線とはほど遠くて、晴れやか どころかモヤモヤしていた。

"ある"ことに気づく

そんなモヤモヤを口にしていたら、彼からとても嬉しい言葉をいただいた。

『土井ちゃんは、写真を生かして新しい人たちの輪の中に入って行っている。自分にはそういうことができない。きっと、どんな場所に言っても同じように、人に囲まれていると思う。羨ましい。』

たしかに私は、どんな人たちの集まりの中でも、こんなことをやっている。

思い立って1週間 半断食をしにいったときや、様々なセミナーに参加したときも、はじめまして の人たちと共に行動するときいつもやっている。

何も考えず、自然にとっている行動。

それをユニークなものと言ってもらえるなら、それこそが、私にとっての "ある" なのかもしれない。

海士町のスローガン【ないものはない】の、2つ目の意味、
『"無いもの" なんて、ひとつもない。 必要なものはすべてある。』が意図することを、改めて感じた瞬間だった。

心理的安全性がある場所

ペアウォークを終えて、全員集合。

改めて、今の気持ちをシェアし合う。

それぞれ、その人ならでは、気づきが語られる。

  • 心が若返ったと思う。

  • 同じ体験をみんなでやることで、それぞれの違いや多様性がわかった

  • もっと、みんなと話したいと思った。

  • 誰しも、綺麗なストーリーの裏には苦労や苦悩がある。そういうのを知れて愛おしくなった心がすっぴんになった

こんな発言、仕事の中じゃなかなか出ないし、人によっては家庭でも出ないのではないだろうか。

船に乗る前は、全員はじめましてだったのに、

同じ体験を共有し、真剣に対話を重ねる時間を過ごしたことで、こんな感情をシェアしあえる関係になれた。

『心理的安全性がある場所』

って、こういう状態を言うんじゃないだろうか。

海士の海岸で愛を叫ぶ

気づきをシェアしていくなかで、メンバーの一人がある行動をとった。


海の方を向き、





『みんな、大好きだー!!!!』



そして数人が続く。


『大好きだー!!!!』


冷静に考えてみてほしい。

平日の午前中に、

アラサー~アラフォーの人たちが、海に向かって叫んでいるのだ。

愛を叫ぶは言い過ぎだったかもしれないが。


でも、その場ではジーンと来てしまった。

本当に。

そんなことを恥ずかしげもなく、海に向かって叫べてしまう間柄になっていた。






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