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島流し3日目 その3【別れの握手】 最終回
★この内容は 2022/3/16 の記録です。
それぞれの場所での振り返りを終え、会議室へ集合。最後のシェアと振り返りをして、いよいよ島を離れていく。
※前回の記事はこちら
日常への接続
非日常の島の中で向き合った、自分の主観・自分のらしさを、いかに会社のらしさや(仕事を中心とした)日常に接続していくか。
これが振り返りのテーマとして提示されたお題目だった。
たった3日間で別人になれるわけではないし、急に大きな変革ができるようになるわけでもない。
それでも確かに、それぞれが自分自身や島と向き合うなかで、内なる変化が始まるのを感じていたし、
この島流しでの体験で感じたことを、どうにかして、少しでも今後に繋げていきたい。という雰囲気が満ちていた。
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それぞれの気づき、小さな一歩
会議室に集まり、車座に座ったメンバーが順に、フリータイムで自身と向き合ったことについてシェアを始めた。
人とコミュニケーションは苦手だと思っていたのに、"話しやすい"と言われたことが意外だった。
島も会社も個性の集まり。悪く見えるところも個性。ムラがあるのが自然なんだと気づいた。いままで心に蓋をしていたけど、もっと受け止めたい。
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会社と自分を分けられなかった。だから人が辞めていくことも自分のことのように辛かった。そういうことに気付けた。
社内には優しい人、挑戦する人が多い。エンジニア派遣という弱い立場の人を輝かせたい。
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新規事業を考えることが、少し独りよがりになっていたかもしれない。もっと会社で人を育てるということをやっていきたい。昨日の高校生に贈り物をしてあげたい。
もっと自分の主観、思ったことを口に出していきたい。私には技術はないけど、開発者の人たちを支えていきたい。
参加者の数だけ、自身との対話があった
全て書き切ることはできないが、メンバーの数だけ自身との対話があり、それぞれが、自分の"ないものはない(=あるもの)"に気付き、必死に言語化をしていた。
ひとつの正しい答えはなく、どれもが、それぞれにとっての正解なのだ。
多様性。会社への熱い想い
正直私は、組織や会社にそんなに熱い想い入れがあるタイプではない。"所詮は器" だとか、"ひとときのもの" だとか、そんな印象を持っている。
しかし今回の島流し全体を通じて、私の所属先に限らず、会社に対して涙するほど熱い想いを持った方がいることや、会社という組織は、それくらい大切な関係性を作ることができる場所でもあることと知った。
組織との距離感にもそれぞれ多様性があり、私自身の中にも多様な想いがあることを、発言を聞きながら感じていた。
苦悩があるのは尊いこと
全員がシェアを終え、フェリーへ向かう時間も近づいてきた。
最後に"風と土と"の阿部さんからの言葉。
『ペイン(苦悩)を感じるのは、理想があるから。
理想を持っていることは、尊いこと。
いつも順風満帆でなくていい。
順風満帆に見えたとしても、誰しも見えない悩みはある。』
私たちの背中を押してくれる言葉だった。
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菱浦港へ
阿部さんのお話を聞いていると、気がつけば出航まで30分ほどになっていた。
慌てて、菱浦港へ向かう。
急いで乗船票を記入し、きっぷを購入。
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最後に、集合写真を一枚。
全員、本当にいい表情をしていた。
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紙テープの別れ
船に乗り込み、手を振ってお別れをしようとデッキへ向かう。
そこにあったのは、紙テープ。
フェリーならではの出航シーン。テレビなどでは見たことがあるやつだ。
こんな準備してくださっていたなんて。
紙テープの片側を船に引っ張り上げて、
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デッキで紙テープを分け合う。
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岸とテープで繋がった。
この紙テープ、
『別れの握手』
と言うのだそうだ。
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そして出航
定刻になり、フェリーは離岸を始めた。
少しずつ、離れていく。
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紙テープは、どんどん延びていく。
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紙テープが届かなくなったあとは、
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ずっと手を振り続けていた。
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見えなくなるまで。
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すべてはひとりの想いから始まる
帰宅後に、"風と土と"長島さんから、
『私たちは、"すべてはひとりの想いから始まる" と信じています。』
というメッセージをいただいた。
今回のそれぞれがたどり着いたことは、一個人のなかの小さな想いにすぎないかもしれない。
しかしその小さな想いが、人生に影響を与え、組織に影響を与え、10年後,20年後には、大きな変化やうねりになっている。
それを目指して、小さな一歩を始めよう。
おわりに
全8記事。これにて島流しの記録は終了。
向かうのは、正解のない体験。
気づいたことや、感じたことを、報告資料でして文字にしてみたところで、どこかで見たような言葉にしかならないし、伝わらないはず。
そんなことを思い、出発前にこのアカウントを作っていた。
リアルタイムでの更新は全くできなかったが、『そのときに感じたこと』を思い返しながら、主観を大切にして書き綴った。
書き終えてから気づいたが、これは ナラティブ型の記録なのかもしれない。
ナラティブ型は、語り手自身が紡いでいく物語とされている。主人公は語り手となる私たち自身であり、物語は変化し続け、終わりが存在しない。
何か明確な結論があるわけではないけど、私目線の記録から、少しでも海士町を感じ、気づくことがあったならば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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