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辻潤のひびき「辻潤 作品リスト」

辻潤のひびき参考資料>2.辻潤 作品リスト

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辻潤作品リスト
注:
・辻潤全集別巻 年譜および佐々木靖章の「辻潤の著作活動」等により構成したリスト。
 抜書きしたまででほとんどチェックなし、不完全。コメント追加。
・作品名を「」で、単行本、雑誌、新聞名を『』で括った。
・原則として初出のみ。
(Oct. 31, 1999)

辻潤作品リスト


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辻潤作品リスト
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一九〇六(明治三九)満22歳
十月  「暮鐘」 アンデルセン作 静美 『実験教育指針』第五巻第十五号 明治三九年・一〇・一五
一九〇七(明治四〇)23歳
    「影」(上) アンデルセン作 静美 『実験教育指針』第六巻第一号 明治四〇年・一・一五
    「影」(下) アンデルセン作 静美 『実験教育指針』第六巻第二号 明治四〇年・二・一五
    「おはなし」 せいび訳 『実験教育指針』第六巻第四号 明治四〇年・四・一五
     ※三編の小説。せいび訳とはなって居るが、辻潤の創作という。中の一編は、「一滴の水」として『浮浪漫語』に収載。
    「いぬかは」 静美 『実験教育指針』第六巻第六号 明治四〇年・六・一五
     ※(一九〇七年五月)執筆
      辻潤の処女作(「幻燈屋のふみちゃん」)
    「三ちやん」 静美 『実験教育指針』第六巻第八号 明治四〇年・八・一五
     ※(一九〇七年六月)執筆
    「はんもん一束」 静美狂生 『実験教育指針』第六巻第九号 明治四〇年・九・一五
    「たんたらす」 静美気訳 『実験教育指針』第六巻第十一号 明治四〇年・一一・一五
     ※末尾に(エマルソン)
    「消息」 静美生 『実験教育指針』第六巻第十二号 明治四〇年・一二・一五
     ※(一九〇七年十一月)執筆
一九〇八(明治四一)24歳
    「あるこおる」 静美生 『実験教育指針』第七巻第一号 明治四一年・一・一五
     ※(一九〇七年十二月)執筆
    「独白」 静美訳 『実験教育指針』第七巻第二号 明治四一年・二・一五
     ※末尾に(ぽう)
    「頸飾」(えりかざり) モウパンサン作 静美復訳 『実験教育指針』第七巻第九号 明治四一年・九・一五
    「即興」 せいび 『実験教育指針』第七巻第九号 明治四一年・九・一五
     ※次の四編、最後の二編は創作らしい
      「たそがれ」(散文詩)※末尾に(ツエレー)「シエレー」の誤植か。
      「うたいながら」(散文詩)※末尾に(メー、タアナー)
      「狂えどもはた叫べども」(夢の歌)
      「HIYAKASHI(YEDO-FU ICHI MEI KEIHAKUTAI)」 Seibi
       ※ローマ字詩
    「らゝびやた」 パウル、ハイゼ作 せいび復訳 『実験教育指針』第七巻第十号 明治四一年・一〇・一五
    「らゝびやた(承前)」 パウル、ハイゼ作 せいび復訳 『実験教育指針』第七巻第十一号 明治四一年・一一・一五
一九〇九(明治四二)25歳
    「盲(めくら)」 マアテルクンク作 静美復訳 『実験教育指針』第八巻第五号 明治四二年・五・一五
     ※メーテルリンク作
    「盲(承前)」 静美訳 『実験教育指針』第八巻第六号 明治四二年・六・一五
    「盲(承前)」 静美訳 『実験教育指針』第八巻第七号 明治四二年・七・一五
    「盲」(第七号の続き) 静美訳 『実験教育指針』第八巻第七号 明治四二年・七・一五
    「ひるねの歌」 静美狂生 『実験教育指針』第八巻第九号 明治四二年・九・一五
     ※短歌二十九首
    「楽のかがみ」 スタンレイ・マコウア作 静秋、都路静秋 『音楽界』二月号~七月号、九月号~十二月号
     ※The Mirror of Music, Stanley Makower
一九一三(大正二)29歳
五月  「響の影」 スタンレイ・マコウア作 『青鞜』第三巻第五号~第十号
     ※伊藤野枝の名で発表
一九一四(大正三)30歳
十二月 『天才論』 ロンブロオゾオ作 植竹書院
     ※The Man of Genius(L'homo di Genio), Cesare Lombroso
      序文が「おもうまま」として後に『浮浪漫語』に収められて居るが、一部省略されて居るようだ。
      序文日付(一九一四年十一月)
一九一五(大正四)31歳
九月  「ジプシイの話――Zincali」『科学と文芸』創刊号~第三号
十二月 「万物は俺にとつて無だ」スティルナー 『生活と芸術』第三巻第四号
     ※『生活と芸術』は土岐善麿編集
一九一六(大正五)32歳
一月  「自分だけのこと」 『科学と文芸』
     ※後に、半分以上削って一部を直し「書物と鮭」として『浮浪漫語』に収める
      「書物と鮭」日付(一九一五年十一月)
二月  「自由と所有」訳載。『科学と文芸』第二巻第二号
     ※雑誌の本文は未確認で、広告による。「唯一者とその所有」の「自我編」の冒頭の「所有」の項の訳であるらしいという。
    「フランシスコ・フェラアと近代学校」『世界人』第一巻第二号、第三号(二月号、四月号)
     ※五十里幸太郎、荒川義英が出していた。第一号の『平明』を第二号から『世界人』と改題。第四号(五月号)で廃刊。(小松隆二『大正自由人物語』)
五月  「のんしゃらんす」 『生活と芸術』第三巻第十号(終刊号)
     ※(一九一六年五月二十一日)
七月  「唯一者とその所有」 『科学と文芸』第二巻第七~十号
     ※「人間編」の「頭脳の錯誤」の二分の一強迄。
十一月  「父の霊にささぐ――『天才論』第五版を出すに就いて」 三陽堂書店刊『天才論』
     ※(一九一六年十一月 下谷にて)
      全集第四巻による

一九一七(大正六)33歳
四月  「新悪、不真面目」 スタンレ・マコウア作 『秀才文芸』第十七巻第四号
     ※佐々木靖章 「辻潤の著作活動」にカッサース作とある。
一九一八(大正七)34歳
五月  『阿片溺愛者の告白』 ド・クインシイ作 三陽堂書店
     ※Confession of an English Opium-Eater, Thomas De Quincey
八月  「流吉の日記から」 『潮』第一巻第二号
十一月 『響影』(狂楽人日記) スタンレイ・マコウア作 三陽堂書店
     ※The Mirror of Music, Stanley Makower
      序文「De Trop」
一九一九(大正八)35歳
一月  「無神論者の供養」 バルザック作 『世界公論』第十巻第一号
     ※五月号という記述も見える
七月  「どん底の人々」 ジャック・ロンドン作 『改造』
九月  『ド・プロフォンデイス』(獄中記) ワイルド作 越山堂
     ※De Profundis, Oscar Wilde
      十二月まで三版
一九二〇(大正九)36歳
一月  「Zadig the babylonian――(バビロン人ザデイック)」ヴオルテア作 『英語文学』第四巻第一号
    ※対訳。『英語文学』主幹は、初め平田禿木のち生田長江。
三月  「バビロン人ザディック」(続き) 『英語文学』第四巻筆二号
四月  「バビロン人ザディック」(続き) 『英語文学』第四巻筆三号
五月  「バビロン人ザディック」(続き) 『英語文学』第四巻筆四号
    『唯一者とその所有(人間篇)』マックス・スチルネル作 日本評論社
     ※The Ego and His Own, Max Stirner
    「『唯一者とその所有』を読む人々の為に」 『読売新聞』十五日号、十七日号~二十日号
六月  「バビロン人ザディック」(続き) 『英語文学』第四巻筆五号
七月  「バビロン人ザディック」(続き) 『英語文学』第四巻筆六号
    「ハインリッヒ・ハイネ」『英語文学』
九月  「「自由」という言葉」『自由人』T9.11 (本文未確認という)
     ※加藤一夫主宰自由連盟機関紙
一九二一(大正一〇)37歳
一月  「病理学的に見たポオ」 『英語文学』第五巻第一号
二月  「影――ある寓話」ポオ作 『英語文学』第五巻第二号
     ※対訳
    「西班牙のジプシイ」水島流吉 『英語文学』第五巻第二号
三月  「続西班牙のジプシイ」 『英語文学』第五巻第三号
    「性格破産者の手帳より」 『東京日日新聞』二十九日号
     ※『浮浪漫語』(著作集3)では(一九二一年十二月)
六月  「自然と氷島人との対話」 レオパルディ(レオパルジ)作 『英語文学』第五巻第六号
     ※対訳
      萩原朔太郎の「氷島」はここから取ったものという。
    「ボオドレエルと伝説」 水島流吉 『英語文学』第五巻第六号
    「"自由芸妓”の必要の急を提唱する」 『女の世界』第七巻第六号
     ※後「自由芸妓の話」として『浮浪漫語』に収める
      「自由芸妓の話」日付(一九二一年四月)
七月  「自然と氷島人との対話」(続き) 『英語文学』第五巻第七号
    「ボオドレエルと伝説」(続き) 『英語文学』
    「浮浪漫語」 『東京日日新聞』七日号、十日号、十四日号、十五日号
     ※(一九二一年五月二十九日)
九月  「ボオドレエルと伝説」(続き)『英語文学』第五巻第九号
十月  「一青年の告白」 ジョウジ・ムウア作 『英語文学』第五巻第十号
     ※対訳
      ,George Moore
    「註の代りに」 『英語文学』
    「ある日の文学問答――ジョウジ・ムウアについて」 水島流吉 『英語文学』
十一月 「自分だけの世界(再びステイルネルに就いて)」 『読売新聞』六日号、八日号、十二日号、十五日号
     ※(一九二一年九月二十日)
十二月 「謎の人ユイスマン」 『英語文学』
十二月 『自我経』(シュティルナアの「唯一者とその所有」の完訳) 改造社
    「よすぎる夢」「過失」アンリ・バルビュッス作 『地獄』 新潮社 二十三日発行
     ※『地獄』は「泰西 最新文芸叢書2」布施延雄訳 であるが、序の中で辻潤の手を煩わせたとある。
一九二二(大正一一)38歳
二月  「『自我経』の読者へ」 『朝日新聞』十九日号、二十一日号、二十二日号
三月  「想界漫歩」 グウルモン作 『人間』第四巻第三号
五月  「浮浪漫語の序詞」『東京朝日新聞』 十三日号、十四日号、十六日号
六月  『浮浪漫語』 下出書店
     『浮浪漫語』目次(著作集3巻)
     序詞
      ※序詞は朝日新聞に掲載。
       序詞の日付、一九二一年三月十九日。
     Tada=Dada
      Tada=Dada of Alangri-Gloriban
      一滴の水
      浮浪漫語
      自分だけの世界
      『自我経』の読者へ
      「自由」という言葉
      価値の顛倒
      おもうまま
      「性格破産者」の手帳より
      のんしゃらんす
      書物と鮭
      流吉の目記から
      ボヘミヤと詩人
      ボオドレエルと伝説
      病理学的に見たポオ
      ジプシイの話
      ある日の文学問答
      謎の人ユイスマン
      自由芸妓の説
      ふわんたじあ
      えきすとらばがんざ
      いぬかは
      三ちゃん
      あるこほる
      消息
      Me'langes

    「『犬の死まで』その他」(一) 『東京朝日新聞』三十日号
七月  「『犬の死まで』その他」(二)(三) 『東京朝日新聞』一日号、二日号
七月  「『享楽座』のぷろろぐ」 『中央美術』 第八巻第八号
     ※詩
九月  「ダダの話」 『改造』
     ※(大正一一年八月)
十一月 「ゆうりか」 『極光』第一巻第三号
     ※『極光』中西悟堂の雑誌
十一月 「ゆうりか」(続き) 『極光』
十二月 「国民経済一夕話」 『資本と労働』
     ※『資本と労働』は、パンタライ社発行の新聞
    「ぷろむなあど・さんちまんたる」 『東京朝日新聞』二十一日号より二十三日号
    「ヴィヨンの詩より」 ヴィヨン作 『日本詩人』十二月十二日号
一九二三(大正一二)39歳
一月  「文学以外」 『改造』
     ※(大正十一年十一月)
    「ふわんたじあ」 『駄々』
     ※『駄々』は古賀光二編集の雑誌。二号でつぶれた、とある。
      『浮浪漫語』中のものを古賀が勝手に収載したものという(「陀々羅行脚」)
    「どこでもいいからこの世のほかへ」 ボオドレエル作 『極光』第二巻第一号
    「巻き毛の半球」 ボオドレエル作 『極光』
二月  「寓言と牧歌的」 『極光』第二巻第二号
    「蟾蜍」 『極光』第二巻第二号
    「あびばっち」 『中央美術』第九巻第二号
     ※題名は、阿ビ跋致からか。(ビ=革+卑)
      阿ビ跋致、avinivartaniya、不転または不退転と訳す。仏になることが定まっていて、菩薩の位より退転しないことをいう。
三月  「らぷそでいや・ぼへみあな」 『改造』
     ※(大正一三年二月)
    「パウンド・エヅラのばりあちおん」 『ダダイズム』三号
     ※これは『新興文学』七月号の「彼の墓地を選挙する為の歌」と同じもの。『ダダイズム』は十七歳の吉行エイスケ編集。
    「ダダの顔」 『極光』 第二巻第三号
    「さんぷる(DADA)」 ポオル・モラン作 第二巻第三号
四月  「らぷそでいや・ぼへみあな」 『改造』
     ※(一九二三年二月)
    「享楽の意義」 『中央美術』第九巻第四号
五月  「土なくもがな」 『女性改造』第二巻第五号
     ※(三月二十九日博多の松原で)
六月  「脱線語」 『純正詩社雑誌』第二巻第一号
     ※(一九二三年四月別府にて)
七月  「彼の墓地を選挙する為の歌」 『新興文学』
    「闇汁」 DADA辻潤 『純正詩社雑誌』第二巻第二号
    「漂泊者の歌」 DADA辻潤 アーサア・シモンズ作 『純正詩社雑誌』第二巻第二号
八月  「無根拠礼讃」 レオ・シェストフ作 『局外』
     ※『局外』神永文三発行、高畠素之編集・而立社刊
九月  「女詩人と天才と不思議な殺人」 ホフマン作 『女性改造』第二巻第九号
一九二四(大正一三)40歳
二月  「ふもれすく」 『婦人公論』第九年第二号
     ※(一九二三年十一月、四国Y港にて)
三月  「勉めよや春夫!」 『新潮』第四十巻第三号
六月  「きゃぷりす・ぷらんたん」 『婦人公論』
     ※(一九二四年四月二十九日)
七月  「夏の連想」 『改造』
     ※(六月二日)
    「惰眠洞妄語」 『読売新聞』朝刊二十二日号~二十五日号
     ※(大正十三年七月十三日)
    『ですぺら』 新作社 東京市外日暮里谷中一八番地
    『ですぺら』目次(著作集4)
     ですぺら
     ダダの話
     ぷろむなあど・さんちまんたる
     文学以外
     らぷそでいや・ぼへみあな
     あびばッち
     わりあちおん
     ふもれすく
     陀々羅断語
     享楽の意義
     きゃぷりす・ぷらんたん
     ぐりんぷす・DADA

八月  「エイ・シャク・バイ」 『改造』
     ※(一九二四年六月)
九月  「錯覚したダダ」 『改造』
     ※(八月三日)
十月  「無信条に生きる」 『女性改造』
     ※(一九二四年八月)
    「どうおなりでしょう」 『売恥醜文』第六輯
十一月 『一青年の告白』 ジョージ・ムーア作 新作社
    「あぶさるど」 『詩を生む人』創刊号
     ※『詩を生む人』松本淳二編集雑誌
      詩、題名は英語 absurd から(村松正俊「著作集2 解説」)
    「『一青年の告白』に就いて」 『読売新聞』二十三日号
    「パピニの『自叙伝』を読む」 『東京日日新聞』二十四日号
十二月 「らんどむ・くりちこす」(1) 『読売新聞』三日号
     ※月評
    「らんどむ・くりちこすDADA」(2) 『読売新聞』五日号
    「らんどむ・くりちこすDADA」(3)~(10)、(完) 『読売新聞』六日号、七日号、九日号、十日号、十一日号、十二日号、十四日号、二十日号、二十一日号
    「陀々羅行脚」 『世紀』第一巻第三号
    「どうすればいいのか」 『世紀』第一巻第三号の特集「職業婦人の性的生活に就いて」
     ※(一九二四年十一月)
一九二五(大正一四)41歳
一月  『阿片溺愛者の告白』新版 春秋社
    「幻燈屋のふみちゃん」 『改造』
    「我同棲者の里親」 『婦人公論』 特集「妻の里」
     ※これは「里親」として『どうすればいいのか?』に収載
      (一九二四年十月)
二月  「島原と天草のグリンプス」 『東京』第三巻第二号
三月  「ペッ!!プセウ!!」 『改造』
     ※(一九五X年二月)
    「サンふらぐめんた」 『炬火』
     ※大阪巾の厳正批判社発行雑誌
    「無根拠礼讃」 シェストフ作 『炬火』
四月  「どりんく・ごうらうんど」 『改造』
    「PENペん草」 『聖潮』
     ※浅草の伝法院発行の雑誌
五月  「西村陽吉論」 『芸術と自由』
    「鏡花礼讃」 『新小説』「天才鏡花」号
     ※(大正十四年三月)
七月  「通俗陀々羅行脚――博多から長崎まで」 『新小説』
八月  「無根拠礼讃2」 シェストフ作 『虚無思想研究』第二号
    「こんとら・ちくとら」 『虚無思想研究』第二号
九月  「こんとら・ちくとら」 『虚無思想研究』第三号
    「石コロと豚の涙」 『改造』
十月  「あさくさ・ふらぐめんたる」 『聖潮』第二巻第十号
    「不思議な人格者」 『酒』創刊号
    「幻影の進化」 『虚無思想研究』第四号
    「こんとらちくとら」 『虚無思想研究』
    「無根拠礼讃3」 シェストフ作 『虚無思想研究』
九月  「私の切実な問題」 『改造』
十一月 「無題詩」 『文芸批評』
     ※詩。『文芸批評』は新居格編集の雑誌
    「こんちらぺくちら」 『虚無思想研究』第五号
    「無根拠礼讃4」 シェストフ作 『虚無思想研究』
十二月 「明日のユートピア」 『改造』
    「無なん茫沈(むなんぼうちん、「なん」は JIS にない漢字)」『改造』
    「仲介役として」 『婦人公論』第十年第十三号
    「こんとらちくとら」 『虚無思想研究』第六号
一九二六(大正一五/昭和元年)42歳
二月  「こんとらぢくとら」 『虚無思想研究』第二巻第二号
四月  「にひりすと(ERIKDORN)」 ベン・ヘクト作 『虚無思想』創刊号
五月  「無根拠礼讃」(続篇) シェストフ作 『虚無思想』第二号
    「虚無の対蹠に於て」 プレイズ・サンドラアル作 『改造』
六月  「閲覧聴聞月録」 『不同調』第二巻第六号
    「空々漠々」 『虚無思想』第三号
七月  「不協和音でarrangeされたMOZAIK」 『文芸市場』
    「ものろぎや」 『原始』第二巻第七号
八月  「インバリッド・ヴァニティ」 『変態心理』「反逆の女性」号
九月  「ものろぎや」(続き) 『原始』第二巻第九号
    「最初の自然」 『不同調』第三巻第三号
     ※(七月二十六日)
十一月 「ふあんたじあ」 『読売新聞』二十二日号
十二月 『天才論』の新版を春秋社より出版。
一九二七(昭和二年)43歳
二月  「火花の鎖」 『太平洋詩人』
三月  「にひるのあわ(「あわ」はさんずい+區、 JIS にない漢字)」上 『読売新開』三十日号
四月  「にひるのあわ」下 『読売新聞』一日号
     ※(一九二七年三月)
六月  「昔見た芝居」 『文芸公論』第一巻第六号
八月  「連環」 『大調和』
九月  「ヴァリエテ」 『文芸公論』第一巻第九号
十月  「ダダの吐息」 『悪い仲間』創刊号
     ※畠山清行編集雑誌
    「宮崎滔天を憶う」 『自由評論』
    「催眠剤が必要だ」 『文芸公論』第一巻第十号
十二月 「レオ・シェストフの言葉」 『悪い仲間』第三号
一九二八(昭和三)44歳
一月  「タンカ」 『悪い仲間』第四号
     ※詩
    「え゛りと・え゛りたす」 『読売新聞』十四日号、十五日号
     ※(一九二八年一月)
      題名は、仏語 ve'rite'、ラテン語 veritas (共に真実の意味)辺りに由来すると思う。
    「己が道を楽しむのみ」 『文芸公論』第二巻第一号
二月  「東方の神話」 『新青年』
    「古風な涙」 『婦人公論』
三月  「榛名丸の三等船室より」 『読売新聞』二十日号~二十二日号
四月  「巴里通信」 『読売新聞』八日号~十一日号
五月  「巴里通信」 『読売新聞』十四日号
六月  「ギュスターブルボン」 『近代風景』第三巻第六号
    「唯一者とその所有」について 付録月報「思想春秋」第五号
    『世界大思想全集』第二十九巻(シュテイルナアの「唯一者とその所有」収録)を春秋社より出版。
七月  「巴里通信」 『読売新聞』六日号~十一日号
九月  「苦熱の窓」 『悪い仲間』
十月  「パリで読んだ大菩薩峠の味」 春秋版『大菩薩峠』月報
一九二九(昭和四)45歳
一月  「帰朝漫談」 『読売新聞』六日号
    「西洋から帰って」 『読売新聞』二十五日号、二十六日
二月  「巴里こんにゃく問答」 『文芸春秋』
     ※無想庵と共同執筆
四月  『どうすればいいのか?』を『烏有叢書』第一篇として昭文堂文芸部より出版。
    『どうすればいいのか?』目次(著作集4)
     にひるのあわ (あわ=さんずい+區)
     無信条に生きる
     無なん茫沈 (なん=くるまへん+而+大)
     石コロと豚の涙
     ベッ!!プセウ!!
     錯覚したダダ
     エイ・シャク・バイ
     ダだ羅先生閉口の事
     平凡な切断面
     小説
     里親
     お化けに凝った
     どうすればいいのか?

六月  「エレンブルクに会う」 『文学時代』 新潮社
     ※辻マコト名
七月  『阿片溺愛者の告白』を春秋社より春秋文庫第十七篇として出版。
八月  「英雄は過ぎ行く」 『改造』
    「Benjaman De Casseres 或ひは″インキ壷のタイタン″」 『読売新聞』
同月  『唯一者とその所有』を改造文庫の一冊として出版。
十一月 「ソレルと祖国運動」 『祖国』十一月号
     ※本当に辻潤作(訳)か? 百瀬二郎あたりの文章じゃないの?
    『一青年の告白』を改造文庫の一冊として出版。
十二月 「メカマをちどる」 『週刊朝日』
    「『虚妄の正義』を読みて」 『読売新聞』二十五日号
    『螺旋道』 新時代社
     ※訳文集、ヒュネカア「螺旋道」を除いた訳文は、すべて『浮浪漫語』にも収録
    『螺旋道』目次(著作集5巻)
     序詞
     螺旋道
      刹那
       刹那――カッサース――
       螺旋道――ヒュネヵア――
       エトランジェ――ボオドレエル――
       月狂叛逆者――ヒュネカア――
       忘れられたページ――マラルメ――
       影――ポオ――
       たんたらす――エマアスン――
       無神論者の供養――バルザック――
       フランシスコ・フェラアと近代学校――エンマ・ゴルドマン――
       自然と氷島人との対語――レオパルジ――
       想界漫歩――グウルモン――
       ハインリッヒ・ハイネ――レオン・シェストフ――
       閃光――ヒュネカア――
       虚無の対蹠に於いて――プレイズ・サンドラアル――

一九三〇(昭和五)46歳
一月  「楕円の月」 『グロテスク』
     ※詩
二月  「ふらぐまん・でざすとれ」 『改造』
    「ひぐりでいや・ぴぐりでいや」 『ニヒル』創刊号
    「否定の連祷」カッサアス作 『ニヒル』
二月  「ひぐりでいや・ぴぐりでいや」 『ニヒル』第二号
    「頭狂先進曲」 『ニヒル』
    「観法察度」 レ・ミ・ドウ・グウルモン作 『ニヒル』
五月  「ひぐりでいや・ぴぐりでいや」 『ニヒル』第三号
    「観法察度2」 『ニヒル』
    「ひとりの殉難者」 『歌と歌』創刊号 鴇田英太郎追悼集
     ※石巻の松山巌王編集雑誌
    「Mの出家とIの死」上、中、下 『読売新聞』二十九目、三十日号、三十一日号
十月  「癡人の独語」 『読売新聞』七日号、八日号、九日号、十一日号、十二日号
十一月 『絶望の書』 万里閣書房
    『絶望の書』目次(著作集1)
     絶望の書

     ものろぎや・そりてえる
     ふらぐまん・でざすとれ
     どりんく・ごうらうんど
     幻燈屋のふみちゃん
     陀々羅行脚
      博多から長崎まで
      島原と天草のグリンプス
     かれ等果して何を求めつつありや?
     うんざりする労働
     書斎
     無想庵のプロフイル
     Mの出家とIの死
     インキ壷のタイタン
     虚妄の正義
     メカマをちどる
     ふわんたじあ
     ※あとがきに、散文詩のつもりで書いたものだが、実は自分の見た夢をほとんどそのまま書いたものである、とある。
     こんとら・ちくとら

     巴里の下駄

     え゛りと・え゛りたす
     榛名丸の三等船室より
      やっと三分の一
      さまよえるギタア
      新手の刺青氏
      Three Monkeys
     巴里の十日間
      高いマッチ
      南方旅館
      アンチ・モデルヌ
     此処が巴里か
      葡萄酒と大菩薩峠
      十三時
     日本がいいよ
      無軌道電車
      ギャルソンヌ
      そうですかね
      ドームとエレンブルグ
     子供のいない巴里
      按摩上下二百文
      巴里のセムシ
      うるさいプール・ボアール
     無想庵との邂逅
     西洋から帰って
     帰朝漫談
     巴里コンニャク問答
     ※辻潤 & 武林無想庵

    「詩人としてのゴールキー」 『ゴルキー全集月報』八号 改造社刊
一九三一(昭和六)47歳
一月  「迷羊言」 『読売新聞』四日号
四月  「風狂私語」 『碧落』第一巻第二号
     ※西谷勢之介編集句誌
      全集年譜による。全集第四巻の「風狂私語」には、『純正詩社雑誌』と、選集には『生理』年代不明、とある。
五月  「おうべるまん」 セナンクウル作 『星雲』第三号
     ※武者小路実篤編集雑誌
六月  「えふえめらる」 『がめれおん』創刊号(一号で休刊)
     ※ephemeral という英語から。(一日限りの)(村松正俊「著作集2 解説」)
    「無想庵に与ふ」 『がめれおん』
    「おうべるまん」(続き) セナンクウル作 『星雲』
七月  「交友観――+×……」 『作品』第二巻第七号の「作家・批評家・画家・ジャーナリスト交友録」
    「おうべるまん」(続き) セナンクウル作 『星雲』七号
八月  「阿保律(アホリズム)」 『茶太楼新聞』二日号
     ※弘前市から発行、古木名均編集新聞
    「おうべるまん」(続き) セナンクウル作 『星雲』八号
九月  「食客問答」 『犯罪科学』
     ※置候辻潤、居候ト部哲次郎
十一月 「癡人の手帖より」 『古東多万』
     ※佐藤春夫編集雑誌
十二月 「自己完成への道――あぼうじゃETC」 『読売新聞』十日号、十一日号、十二日号
一九三二(昭和七)48歳
一月  「惰眠洞放言」 『自然』
     ※尾山篤二郎編集雑誌
二月  「もう・てんとあかん」 『である』第一巻第二号
    「Epper Si Muove」 シュム一ス・B・キャベル作 『古東多分』第二巻第二号
    「James Branch Cabell」 カッサァス作 『古東多分』第二巻第二号
    「智的漂泊――或はインテリゲンチャの為の弁」 フロイド・デル 『古東多分』第二巻第三号
     ※Intellectual Vogabondage, Floyd Dell
三月  「木ッ葉天狗酔家言」 『である』
四月  「自分と音の世界」 『である』
    「あさくさふらぐまんたる」 『読売新聞』十五日号、十六日号、十七日号
六月   句八句 『素面』
七月  「天狗になった頃の話(一)――気の狂ったは不思議でない」 『読売新聞』二十八日号
    「天狗になった頃の話(二)――貧困と過度の飲酒から」 『読売新聞』 二十九号
    「天狗になった頃の話(三)――死線を突破した深刻な体験」 『読売新聞』 三十一日号
八月  「流吉の日記から」 『潮』第一巻第二号
     ※山田忠正編集雑誌
一九三三(昭和八)49歳
一月  「変なあたま」 『近代』
五月  「ダダ文学雑感」 『書物展望』第三巻第五号
六月  「驚嘆」 デ・カッサアス作 『生理』第一冊
     ※萩原朔太郎編集雑誌(昭和十年二月、第五冊で廃刊)
七月  「だだをこねる」 『自由を我等に』
     ※田戸正春編集雑誌
      (昭和八年五月)
八月  「のつどる・ぬうどる」 『生理』第二冊
九月  「瘋癲院の一隅より」 『時事新報』二十八日号
十月  「瘋癲院の一隅より」 『読売新聞』三日、四日、六日号
     ※「瘋癲病院の一隅より」と同じものか。『癡人の独語』中の作品の末尾(昭和八年十月西郊慈雲堂病院にて)
十一月 「宇宙は蒸発する」 デ・カッサアス作 『生理』第三冊
一九三四(昭和九)50歳
五月  「弁疏」 ジェムス・ハネカァ作 『生理』第四冊
     ※訳文集『螺旋道』ではヒュネカアとなっている
六月  「まんごりあな(一)」 『オール女性』No.6号 オリオン社刊
七月  「自分はどの位い宗教的か?」 『現代仏教』
    「まんごりあな(二)」(続) 『オール女性』No.7
     ※稿のおわりに"石の巻にて"とある
十一月 「天狗だより――奇仙洞通信」 『シャリバァリ』第一巻第三号 無門社発行
     ※(気仙沼在尾崎にて)
一九三五(昭和一〇)51歳
六月  「オリ賃に窮する」 『読売新聞』十九日号
     ※(五月三十一日)
七月  「なにを書いたらいいのか」 『無風帯』
     ※西山勇太郎編集雑誌
    「少年時代の読書」 『書物展望』第五巻第七号
八月  『癡人の独語』 書物展望社
    『癡人の独語』目次(著作集2)
     「いずこに憩わんや」
      ※『癡人の独語』序 (昭和十年八月)
      錯覚した小宇宙
       錯覚した小宇宙
       錯覚自我説
       あるばとろすの言葉
       えふめえらる
       ぺるめるDROPS
       ふらぐめんたる
       ダダの吐息
       ダダの言葉
       サンふらぐめんた

      おうこんとれいる
       おうこんとれいる
       迷羊言
       自己発見への道
       自分はどのくらい宗教的か?
       和尚はどうして「明徳」を明らかにしたか

      妄語
       惰眠洞妄語
       癡人の独語
       癡人の手帖より
       「英雄」は過ぎゆく
       あまちゃ放言
       もっと光を!

      かばねやみ
       天狗になった頃の話
       だだをこねる
       変なあたま
       瘋癲病院の一隅より
       木ッ葉天狗酔家言

      ひぐりでいや・ぴぐりでいや
       ひぐりでいや・ぴぐりでいや
       のつどる・ぬうどる
       天狗だより
       かばねやみ

      I + X
       鏡花礼讃
       無想庵に与う
       交友観

      れみにせんちゃ
       ものろぎや・そりてえる
       あさくさ・ふらぐまんたる

      あぶさるど
       不協和音でarrangeされたMOZAIK
       あぶさるど
       「享楽座」のぷろろぐ
       楕円の月

      陀仙辻潤君 斎藤昌三

十月  「なにを書いたらいいのか? なにか書いてみよう」 『無風帯』
十一月 「あやかしのことども」 『文芸』改造社
    「孑孑以前」 『文芸放談』十一月号
     ※「歳末所感」による
一九三六(昭和一一)52歳
一月  「海笛のカケラ」 『渋谷街』
     ※(昭和十年十二月十日) 『渋谷街』は桑原国治編集
    「夢幻を吹く者」 ヒュネカ作 『書物展望』一月号~四月号
二月  「シェストフに就て」 『生活』二号 芝書店
三月  「夢幻を吹く者」のつづき『書物展望』
四月  「生田長江氏のことなど」 『生活』第四月号
     ※(昭和十一年三月二日)
    「ふりぼらす・りてらりや」 『文芸汎論』
五月  『孑孑以前』(ぼうふらいぜん) 昭森社
    『孑孑以前』目次(著作集5巻)
     「れざんどらん――序にかえる――」
      ※『孑孑以前』序(昭和十一年陽春)
      PENべん草
       ぼうふら以前
       PENぺん草
       仏家の思想教化に就いて
       惰眠洞放言
       もう・てんとあかん
       シンガポールの夢
       のつどる・ぬうどる

      あむぷれっしょん
       宮崎滔天を憶う
       ひとりの殉難者
       海笛のカケラ
       生田長江氏のことなど
       シェストフに就いて

      夢幻と逆説
       観法察度――ダウルモン――
       無根拠礼讃――シエストフ――
       白癡は予言する――ヘッセ――
       Epper Si Mouve――キャベル――
       James Branch cabell――カッサース――
       頭脳と世界――カッサース――
       驚嘆――カッサース――
       宇宙は蒸発する――カッサース――
       スピノザ――カッサース――
       ギュスターブ・ル・ボン――カッサース――
       弁疏――ハネカア――
       夢幻を吹く者――ハネカア――
      辻潤と低人教――跋にかえて――萩原朔太郎

    「牧野氏に関聯して」 『生活』五号 牧野信一氏追悼号
    「ふりぼらす・りてらりや」(続き) 『文芸汎論』
十二月 「妄人のことば」 『大阪毎日新聞』十九日号、二十二日号
一九三七(昭和一二)53歳
三月  「旅便り」 『書物展望』第七巻第三号
四月  「第一信――近時心境」 『日本学芸新聞』一日号
    「第二信――文学と人生と」 『日本学芸新聞』十日号
五月  「第三信――生きること」 『日本学芸新聞』二十日号
五月  「歳末所感――或いは我牲」「消息」「馬込雑筆」「妄人の秋」「浮生随縁行――或いは極楽寺だより」など 『無風帯』七号(終刊号) 辻潤特集号
     ※これらは西山が随時書いてもらっていたものである。「極楽寺だより」は岡山の『炬火』に送っている。
      「歳末所感」(昭和十年十二月三日)
      「消息」(昭和十一年二月十七日)
      「馬込雑筆」(昭和十一年三月二十六日)
      「妄人の秋」(九月二十五日、二十八日、十月二十六日)
      「浮生随縁行」(昭和十二年春、伯耆、極楽寺にて)
七月  「第四信――精神病院から」 『日本学芸新聞』十日号
九月  「なめくぢだより」 『大気新聞』十二日号
     ※宮城県気仙沼から発行
一九三八(昭和一三)54歳
四月  「まだ生きてゐる」 『詩歌文学』第二巻第六号
     ※西山勇太郎編集雑誌
     句四句 『大気新聞』
一九三九(昭和一四)55歳
六月  「東光寺だより」 『大気新聞』
一九四〇(昭和一五)56歳
二月  「天狗の麦飯」 『食道楽』二月号
     ※『食道楽』大阪で発行
四月  「あほだらり」と「闇汁」 『すべてはながる』第一冊
     ※西山勇太郎編集雑誌、『色即是空』を「すべてはながる」と読ませた。
    「癡人の手帖――その一」 『茉莉花』第二十四輯
     ※大阪の十二段家書房発行、北村千秋編集
    「体面」 デ・カッサアス作 『茉莉花』第二十四輯
五月  「大原だより――ふらぐめんた」 『オール女性』No,74号
六月  「癡人の手帖――その二」 『茉莉花』第二十六輯
     ※一部の日付(昭和十五年八月八日)(『選集』による)
    「あかたれぷしい」 デ・カッサアス作 『茉莉花』第二十六輯
    「未完成烏有叢書の序」「ヴィヨンの詩より」「即興」 『すべてはながる』第二冊
     ※「ヴィヨンの詩より」「即興」 『茉莉花』第二十五輯か?
      「未完成烏有叢書の序」(昭和十五年四月二十日)
九月  「癡人の手帖――その三」を『茉莉花』第二十九輯
十月  「阿呆旋律――その二」 『すべてはながる』第四冊
十一月 「神の手記」 バピニ作 『茉莉花』第三十一輯
一九四一(昭和一六)57歳
一月~六月 「神の手記」(続き) バピニ作 『茉莉花』新年号(第三十三輯)~第三十八輯
     ※『茉莉花』雑誌統合整理により廃刊
四月  「訳詩集」『三千年』(『すべてはながる』改題、第五冊から)第七冊
十月  「廃刊の文章」『三千年』第十冊(終刊)
一九四二(昭和一七)58歳
十一月 「癡人の独語」 『書物展望』
一九四三(昭和一八)59歳
    「水鳥流吉覚え書」 『書物展望』八月号および九月号
一九四四(昭和一九)60歳
    「続水鳥流吉の覚書」 『書物展望会報』六月・九月(一冊・二冊)
     ※全集第四巻による

一九四七(昭和二二)
    「水鳥流吉の覚書」 『ダダ』五月

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初出不明または雑誌未発表
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 一九三五年には、「「丹波」の牧歌を読む」を掲載誌不明に、「炬火」という同人雑誌および「素面」に俳句を投じたと「歳末所感」にある。
「平凡な切断面」
「れざんとらん」
「仏家の思想教化について」
「お化けに凝った」
 ※(一九二四年十月)
『浮浪漫語』収載
 序詞には、未発表のものが沢山あるとある。
「Tada-Dada of Alangri-Gloriban」
 ※末尾の(March, 19th, 1939.) の年号は明らかにおかしい。
「価値の顛倒」
「ボヘミヤと詩人」 『英語文学』
 ※原題「Bohemiaと詩人」  一九二〇年~二一年、月不明。
「えきすとらざがんざ」 カッサース作
「Me'langes」
「レトランヂェ」
「月狂反逆者」
「忘れられた貝」
『癡人の独語』収載
「錯覚した小宇宙」
「錯覚自我説」
「あるばとろすの言葉」
 ※(昭和六年九月)
「ぺるめるDROPS」
 ※pall mall ペルメルは昔ヨーロッパではやった一種の球技だが、乱雑なものの意だろう。(村松正俊「著作集2 解説」)
「ふらぐめんたる」
「ダダの言葉」
「おうこんとれいる」
 ※仏語 au contraire (反対に)から(村松正俊「著作集2 解説」)
「のつどる・ぬうどる」
 ※『生理』第二冊掲載とは別のもの。掲載雑誌は、中の文章には、この「きゃめれおん」とあるし、「ニヒル」の方が流布されているという意見に従ったとも書かれて居る。末尾は(「ニヒル」昭和六年六月)だが、年がおかしい。
 題名は、noddle(あたま)とnoodle(バカ、お人好し、あたま)を掛け合わせたものか(村松正俊「著作集2 解説」)
「自己発見への道」
「和尚はどうして「明徳」を明らかにしたか」
「あまちゃ放言」
 ※(昭和七年二月)
   題名は、amateur と甘茶をかけた(村松正俊「著作集2 解説」)
「もっと光を!」
 ※(昭和六年三月六日)
「ものろぎや・そりてえる」
 ※題名は、monologia(ラテン語風モノロギア:独白)+solitaire(仏語:孤独な)(村松正俊「著作集2 解説」)
『ですぺら』収載
「ですぺら」
「わりあちおん」
「陀々羅断語」
 ※(十一月三日)
「ぐりんぷす・DADA」
 ※(一九二四年二月、日向宮崎)
『絶望の書』収載
「かれ等果たして何を求めつつありや?」
「うんざりする労働」
「書斎」

『どうすればいいのか?』収載
『ぼうふら以前』収載

アンケートなど

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アンケートなど
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一九一七(大正六)33歳
一月 アンケート「年頭所感」を回答。 『文芸公論』一月号
一九二三(大正一二)39歳
 一月 『新興文学』第二巻第一号にアンケート「文壇に対する要求」に、「今の気持では……」を回答。同号の「大正十二年最新文士録」に自歴を提出。
 二月 辻の編集で『ダダイスト新吉の詩』中央美術社より刊行。跋を書く。
    アンケート 「文壇書家――一月五日の日記」 『文学世界』
    ※全集別巻による。全集年譜には、『世界文学』とある

文芸諸家 ― 一月五日の日記

 いつもの通り正午頃に起きる。フトンの中で眼をパチパチさせながら、前の晩に見た夢のことを考えて一人で笑う。あの金持ちが己に莫大な資本を提供するから、支那へ仙人の修業に出かけようというのだ。するとそこへかねてなじみの伯昏夢人という仙人が現われて――早速己を上海へ連れて行ってくれて――修業の方は万事ひき受けるから――その金を二人で一晩に費い果たそうというので――恐ろしい豪奢をきわめた、湯に入って飯をくって机の前にすわったら、午後四時頃になった。夜は白蛇姫の像へ冷水一杯に水仙をたてまつって、恭々しく南華心経を読誦した。
(「文学世界」大正十二年二月)
一九二四(大正一三)40歳
 十一月 「児孫のために蓄財するの可否」 『女性改造』
一九二五(大正一四)41歳
 七月  この不景気をどう観るか?(九)に回答。 『読売新聞』二十六日号
一九二六(大正一五/昭和元年)42歳
 八月 アンケート「あなたの近況は如何」に回答。 『婦人運動』第四巻第八号の
    『婦人運動』は奥むめお編集・発行
一九二七(昭和二年)43歳
 三月 アンケート「プロレタリア文壇の分裂と結成に就いて」に回答。 『解放』第六巻第四号
一九二九(昭和四)45歳
 六月 林芙美子の処女詩集『蒼馬を見たり』に序文を寄せる。
一九三一(昭和六)47歳
 一月 「反ソヴェト戦争起らば」に回答。 『ナップ』第二巻第一号
一九三六(昭和一一)52歳
 二月 「オール女性」No.25号の①あなたはどんな夢を一番多くご覧になりますか?②今迄に見た一番珍しい夢はどんな夢ですか?というアンケートに、①小生は食い吝坊のせいか、一番飲んだりたべたりする夢を見ます。時に眼が醒めて後まで味覚が残っていることもあります。それからやたらに飛ぶ夢をみるんですが、これは性の放浪性のしからしめるところだと思っているんですが、こないだ精神分析学会主催の活動写真を見て、変態性欲だというフロイドの説明をきいて成程とうなずきました。②孔雀の群れが落日の空を円形をつくって舞い飛んでいるのを見ました。まだ他に色々面白い夢を見てましたが、いずれ追い追い作品の形にして発表する考えです。――と回答。
※②の詳細は「ものろぎや・そりてえる」にある。
一九三九(昭和一四)55歳
 七月 『低人雑記』に扉絵と序文を寄せる

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