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「人」に出会い、「もの」に出会う。100年後も残る「うつわ」を届ける。そんなお店をつくります。

最近、テレビをつけるのがこわい。パラリンピックが始まったというのに明るいニュースは少なくて、意識的にほどよく距離を置かないと、ズーンと沈んでいってしまう。

こういうときは自分のなかで「いいなぁ」と思う時間を増やそうと思う。好きなものを愛でたり、ご飯をゆっくり食べたり、散歩したり。一瞬でもなにかに集中する時間をつくると、少しだけ気が紛れるもんだ。

これからはじめるお店も、そういう場所になったらいいなぁと思う。自分のペースを取り戻したり、大事なことに気づくような、そんな場所。
..というか、今は私が一番そういう場所を求めているのかもしれない。

ということで、お店のテーマを考えました。

「人」に出会い、「もの」に出会う。そんなお店をつくります。


誰かとの出会いが、価値観をガラッと変えてしまうことがある。

今まで聴かなかった音楽にハマったり、触れてこなかったジャンルの映画をみはじめたり。そこから派生して、自分の新しい「好き」に気付いたりすることがある。出会った人の生き方が、自分とは違うフィールドであればあるほど刺激的で、でも根っこは同じだということに気づいたときに、うれしくなったりする。

「もの」にも、同じことが言えると思う。

なんとなくいいなぁと思ったもの。つくり出した人が、自分にとって心地いいペースや価値観で暮らしている人だったら。自分が理想とする生き方、考え方をしている人だったら。そんな偶然の「出会い」にうれしくなって、動かないはずの「もの」が、急に体温を帯びてくることがある。使うたびにその人の意思がやんわりと伝わって、あたたかな気持ちになることがある。

よく言う、「ストーリー」という言葉ではおさまりきらないもの。誠実でしなやかな関係性をつくり、育てていくということ。

そんな、「人」や「もの」に出会う場所をつくれたいいなぁと思います。

100年後も残る「うつわ」を、届けたい。

私がうつわを選ぶときに一つの基準にしているのが、「100年後も残るかな?」ということ。せっかく高いお金を払って買ったもの。数年後に飽きてしまって処分して手放すなんて、もったいないと思う。
10年後、20年後、自分がおばあちゃんになっても愛しいなと思うもの。
誰が見ても「いいなぁ」と言ってもらえるようなものを、今から選んでおきたい。使い込んで年輪が刻まれていくかっこよさを、今から仕込んでおきたい。

長く長く残る「いいもの」って、昔から変わらない気がする。
200年後はもしかしたら価値観が大きく変わってしまうことがあるかもしれないけれど、100年後ならまだ想像がおよびやすい。

ちなみにここで言う「100年後」というのは、この記事にだいぶ影響を受けています。


私が文章を書くとき超お手本にしている本のお話。100年後も残ることを意識して本づくりをしていたことに、ものすごく衝撃を受けた。何度読んでも違和感なく、いい意味で教科書のような機械性をもってすーっと入り込んでくる。この本から感じる「普遍性」に出会ってから、私の選び方も少しだけ変わってきた気がする。

100年後に残るうつわってどんなものだろう。
考え続けながら、選び、届けていきたいなと思います。

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来週から、お店に並べる予定の陶芸家さん、うつわラインナップを少しずつ紹介していきますね。


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