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「かきさく」に託された、新たな乃木坂のイメージ戦略【乃木坂46】

7月22日(水)深夜、新内眞衣がパーソナリティーを務める『乃木坂46のオールナイトニッポン』に秋元真夏、遠藤さくら、賀喜遥香がゲスト出演し、配信楽曲「Route 246」が初披露された。

この楽曲は、乃木坂46総合プロデューサーの秋元康と、超大物音楽プロデューサーの小室哲哉がタッグを組む楽曲で、大物同士のコラボということもあり注目度が非常に高かった。

そして昨日の『ミュージックステーション』にて、テレビを通してお披露目が行われた。

センターを齋藤飛鳥が務めることはあらかじめ告知されていたが、その他のメンバーは明らかでなく、「しあわせの保護色」以来の新曲(「世界中の隣人よ」はチャリティーの一環でOGが多く、卒業する白石麻衣も参加していたため除く)ということもあり、フォーメーションやメンバー構成にもファンの注目が集まった。

気になるフォーメーションとメンバーは以下のとおりである。

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選抜(?)メンバーは18人で、前列5人、中列6人、後列7人と並ぶ。

フロントの飛鳥、生田絵梨花、与田祐希は人気を考慮すれば順当な選出といえる。そして残り2枠に抜擢されたのが、遠藤さくら賀喜遥香という4期生の2人。4期生のツートップが両方フロントに抜擢されたのは正直意外だった。

乃木坂46の大きな欠点の一つとして挙げられるのは、長年の功績を買われ、いわゆる「聖域」と呼ばれるメンバーが多く、グループとしての新陳代謝がうまくいかずに、年功序列型の構成になってしまう点である。これは1期生を36人も取ったことでグループの変化に物理的な時間がかかることも理由の一つだが、それに付随して人気メンバーの卒業によるファン離れを阻止するために運営が慰留していることが大きな要因だろう。

乃木坂は大々的な変革をあまり行わず、安定路線の売り方をする傾向にあったため、フロント経験の多い山下美月、堀未央奈を二列目に下げてまで遠藤、賀喜を前列に配置するという乃木坂にしては大きな決断だった。

やはりこれには白石の卒業が大きなターニングポイントだろう。誰よりもグループに貢献し、乃木坂のルックスの高さを象徴する変えの効かない存在だった白石の卒業は非常に大きな痛手である。

乃木坂運営としても正直焦っているだろう。そこで起用したのが遠藤と賀喜である。

遠藤は他のメンバーと比べても小顔で等身の美しさに定評があり、雑誌「non-no」で専属モデルも務めている。身長も決して低くはない。本人談では162センチに伸びた、とのこと。

賀喜は166センチの高身長に加え、はっきりした顔立ちで、まさに「見映え」するタイプである。

(ここでは見た目だけの評価とし、個人のキャラクターや性格についての指摘は本稿の趣旨とずれるため言及しない)

このように身長があり、さらに人気もある2人をプッシュすることに、新たな乃木坂の構図が見えてくる。

乃木坂46がデビューした頃は、白石、西野七瀬など、顔の端麗さや上品さが評価されたメンバーが多い印象で、「顔面偏差値が高いアイドルグループ」として取り上げられる機会が多かった。

しかし、御三家(白石、松村沙友理、橋本奈々未)など一部のメンバーは背も高かったが、その分背の低い中心メンバーも多くいた。初代センターの生駒里奈や、フロントを務めていた星野みなみがその例である。その後加入した3期生も、お披露目センターの大園桃子と与田は背が高いほうとはいえない。与田に至ってはむしろ乃木坂の中で1,2を争う低身長のメンバーだった。また後輩グループの欅坂46に高身長のメンバーが多いこともあり、テレビを見ながら「乃木坂って小っちゃいな」と個人的に思うこともあった。

しかし4期生の加入を境に、その潮流に変化が生まれる。160センチを超えるメンバーがぞろぞろ出てきて、「顔の骨格」から「全身の見た目」を重視するよう転換したのではないだろうか。白石だけでなく、先日ラジオで中田花奈が卒業発表しており、この2人が抜ければ36人いた1期生は残り8人。4期生が倍の16人いることを考慮すれば、「新しい乃木坂」に変革する頃合いだろう。

身長については新4期生の5人にも同じことが言える。160センチを下回るのは158センチの佐藤璃果のみである。乃木坂志望と噂されていながら欅坂に配属された守屋麗奈と幸阪茉里乃はともに154センチであることから、メンバー選考にもグループの進む方向が表れているのだろう。

そして、顔のみならずスタイルも良い4期生の中から、遠藤と賀喜が代表としてフロントに立ち、「スタイルがいいアイドルグループ」へとシフトする一端を担っている、と考えた。乃木坂のメンバーはもちろん可愛いが、1期生の多くがすでに卒業したことで、従来の「上品さ」だけでなく、新たな魅力で勝負するときが来たのかもしれない。

遠藤が女性誌のモデルに起用されたり、バラエティ番組に賀喜が出演する機会が増えたりと、新たなイメージづくりはすでに始まっており、新曲のポジションにもその影響は色濃く映し出されている。

先輩メンバーにはあまりなかったともいえる「身長の高さ」を兼ね備えた2人が、どのように融合し、グループを作り上げていくのか、注目していきたい。

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