見出し画像

リンパを取った私の暮らし

「微小転移であっても、リンパは全部取ってください」
私はそういう要望をした。

麻酔から覚めた時、先生は私に「リンパは取りましたよ」と言った。
まだ酸素マスクが付いていて、いろいろ管が付いていて。

ぼんやりしていてその時はあんまりよく分からなかったけど、
つまり、私の右脇には、リンパがないってことだ。
それだけ、おおまかに理解した。

腕は動く。
指も動く。
少し具合が悪そうな色合いをしているだけだけど、
でも、リンパがないってことだ。

それがどういうことか。

一生気を付けなければいけないことがいくつかある

◼︎怪我をしないこと

右腕は、バイ菌と戦うことができないので、
小さな傷でも大変なことになる可能性がある。

ささくれもできないようにすること。
土を素手で触らないこと。
掃除は手袋をして行うこと。
虫に刺されないこと。
火傷をしないこと。


怪我をしないなんてできるかなーと思っていたけど、
これは意外と何とかなる。
私が考えた対策は、とにかく手袋をすること。
単純だけど、1番いい。


⚪︎家事はニトリル手袋をしてやる
⚪︎紙に触る時もニトリル手袋をする
⚪︎外出するときは片方だけUV手袋をする

 (滑ってスマホを落としやすくなるので、スマホはストラップで斜めがけにするようにした)
⚪︎急がず過ごす
⚪︎長袖を着る

これで大丈夫。

◼︎無理をしないこと

右腕は、リンパ液の調節ができないので、
むくみ(リンパ浮腫)が起きてしまうとなかなか治らない。

スーパーの袋など重いものを持たないようにすること。
腕を下にして寝ないこと。
使いすぎないこと。

そうなってくると、家事は大変だなあと思った。
スーパーの袋の重さでダメなら、ほとんど何も持てない。

⚪︎基本的にはネットスーパーを使う
⚪︎重いものは左手が頑張る
⚪︎寝る時は右腕に枕をする
⚪︎疲れを感じたらすぐマッサージをする

これで大丈夫だ。

全然大したことじゃない

大変だね、と言われることがある。

できないことはいくつもあるけど、できるようにする方法があるし、
慣れてしまえばそれがデフォルトになる。

生きていく代償だと思えば、すべて、全然大した事じゃない。
戦って乗り越えた証だと思えば、むしろ、右腕を労ってあげたいと思える。

私の胸の傷あとも、右腕を宝物のように扱わなければいけなくなったのも、
全然、大した事じゃない。
本当にそう思うんだよ。

だから、心配はいらないよ。



乳がん体験記の始まりはこちらです⇩
読んでくださると嬉しいです♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?