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右胸さまにありがとう

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乳がんの経験を残しておこうと思って書いたもの、まとめました。
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記事一覧

安易な覚悟と判断じゃない。アレルギー一家が愛犬家になるまで

我が家は全員アレルギー体質。 動物が大好きだけど、飼えない。 残念だけど仕方ない。 みんなの体調が心配だし・・・ 何事もないのが一番だ。 そう思って、諦めていた。 このまま飼いたい気持ちを諦めて、安全に暮らすことを選ぶのか。 でも…体調不良の可能性もあるけど、みんなが望んでいる。 ネコアレルギーは陽性だったけど、イヌアレルギーは陰性だった。 もしかしたら、気をつければ一緒に暮らせるかもしれない。 だけど、やっぱり無理! 息子は小さい時から喘息があって、本当に大変だった。

リンパを取った私の暮らし

「微小転移であっても、リンパは全部取ってください」 私はそういう要望をした。 麻酔から覚めた時、先生は私に「リンパは取りましたよ」と言った。 まだ酸素マスクが付いていて、いろいろ管が付いていて。 ぼんやりしていてその時はあんまりよく分からなかったけど、 つまり、私の右脇には、リンパがないってことだ。 それだけ、おおまかに理解した。 腕は動く。 指も動く。 少し具合が悪そうな色合いをしているだけだけど、 でも、リンパがないってことだ。 それがどういうことか。 一生気を

私の乳がん治療はこうだった【後編】

乳がん治療は人それぞれ。 人によってタイプも違えば、治療法も違う。 私の場合はこうだった。 後編はホルモン治療と放射線治療についてです。 私の経験が、誰かの道のりを見通す材料になればいいなと思います! 前編はこちら👇 ③ホルモン治療 私のがんは女性ホルモンによって大きくなるタイプだったので、タモキシフェンという抗女性ホルモン剤を飲むことになった。 最初タモキシフェン(ジェネリック)を飲んでいたのだけど、これがまた私のアレルゲンを含んでいたようで、膝の裏とかお腹が痒く

私の乳がん治療はこうだった【前編】

乳がんといっても、進行度以外にもいろいろな種類がある。 検査を繰り返して正体や広がりを見極めて、治療方針を相談し、やっと戦いの火蓋が切って落とされる。 乳がんの種類は人それぞれで、効果のある治療も人によって違う。 だから私はおおまかな道のりだけであまり詳細には書かないけれど、今闘病に向かう誰かの先行きを見る手がかりになればいいなと思う。 現代医学はどうすれば乳がんをやっつけられるのかを知っている。 現代医学の知見と経験に委ねて、戦いに備えよう! ①検査の繰り返し とに

乳がん経験者の私がかけられて嬉しかった言葉

がんという病気は、とても怖い響き。 本人はもちろん、周りの人の心まで大きく揺さぶってしまう。 だけど、大事な人には伝えなくちゃいけない。 私ががんだってこと。 私も病気を知ったばかりで揺らいでいたけど、 がんを打ち明けられた人もきっと、なんて言えばいいんだろってすごく気を遣っただろうなと思う。 そんながん患者や周りの人のヒントになればいいなと思うので、私が感じたことを率直に書いてみる。 人によって感じ方は違うと思うので、参考までに…… ■嬉しかった言葉『私の周りでも乳

【検診に行こう!】自分で触診しても、それだけでは気づかないと思う!

乳がん触診モデルを触らせてもらったことがあった 初めて乳がん検診に行ったのは20歳を過ぎた頃だったと思う。 検診に行った病院には「乳がん触診モデル」というのがあって、それを触ることができた。 シリコンみたいな素材で出来ていて、弾力があった。 結構強い力で押してみても、奥の方には固い層があってよく分からない。 「もっと強く押さないと分からないよ」と先生は言った。 言われた通り、もっとぎゅーっと押すと、中にごろっとした塊を感じた。 これが乳がんの手触りなんだって。 自分の胸だ

右胸さまにありがとう

「もしがんだったら、右胸全部取ってやろうと思ってるんですよね」 悪性かもしれないからもっと詳しい検査をしないと、とお医者さんに言われた時、私はそう言った。 お医者さんは「ずいぶん乱暴なことを言うね」と笑ってくれた。 初めから、私は全摘することをあまり惜しんでいなくて。 大きな病院に移った後も、一貫して揺らぐことはなかった。 何度も聞かれ、その都度「全部取りたい」と言った。 部分切除が可能だとしても、全摘してしまいたいと思っていた。 なんとなく、そうなるだろうって予感がして