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第1回公認心理師試験 問2

皆さん!こんにちは。
京都コムニタスの吉山です。
前回の問1に引き続き、今日は問2です!

第1回公認心理師試験の第2問!

「おっ、虐待の問題ね、オッケー。児童虐待について、ふむふむ、緊急一時保護・・・緊急一時保護!?」となった受験生は多かったはず。
ただ、児童虐待の種類や児童虐待防止法の通告義務は勉強してきていても、そして、一時保護という言葉は知っていても、「緊急一時保護」まではその領域で働いている人以外は、詳しくなかったであろうし、ここまで勉強していなかったであろう出題です。


問2 児童虐待について、緊急一時保護を最も検討すべき事例を1つ選べ。
① 重大な結果の可能性があり、繰り返す可能性がある。
② 子どもは保護を求めていないが、すでに重大な結果がある。
③ 重大な結果は出ていないが、子どもに明確な影響が出ている。
④ 子どもは保護を求めていないが、保護者が虐待を行うリスクがある。
⑤ 子どもが保護を求めているが、子どもが訴える状況が差し迫ってはいる。



答えと解説を見てみましょう!

 選択肢を見て、微妙な違いは解れども、どれが緊急一時保護かを判断するのは難しい。
 ただ、ここで、虐待が関連する「緊急」という言葉から子どもの命に関わる、命の危険性があるという判断が緊急であると考えられたかが選択肢を絞り込めるかどうかにつながる思考法になります。
 そして、その意味での「緊急」という日本語から消去できそうな選択肢を消去していくという手順がまず先になります。つまり、緊急そうではない選択肢をまず消すことから始めることです。
 となると、選択肢③・④・⑤のような「重大な結果」という日本語が文章に含まれないものは、緊急一時保護をするまでにはいかないであろうと判断できる、と考えられれば、あとは、2択でどちらが正解か・・・というところまでたどり着けます。

 「子どもの虐待対応の手引き」内、第5章一時保護(P.102)において、下の図のフローチャートがあります。
 これで問題を見てみると、次のように判断することができます。
①フローチャート内の⑤にあたることから、「発生前の一時保護を検討」となります。
②フローチャート内の③にあたり、「緊急一時保護を検討」となるため正答です。
③フローチャート内の⑥にあたることから、「発生前の一時保護を検討」となります。
④フローチャート内の⑦にあたることから、「集中的な援助」、「場合によっては一時保護を検討」となります。
⑤フローチャート内の①にあたりますが、状況が差し迫ったものではなく、重大な結果がない等のことから⑧に該当し「継続的、総合的な援助」、「場合によっては一時保護を検討」となります。

覚えておこう!ワンポイント!

 今回覚えておくのは、下記の一時保護に向けてのフローチャートです。
 どのような場合に、どのような検討をするのか、一度見ただけですぐに覚えられるわけではないが、このフローチャートの出題が緊急一時保護以外で見られる可能性が今後十分に考えられます。
 つまり、このフローチャートは覚えておくものだという認識を持っておくこと大事になります。