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第1回公認心理師試験 問1

皆さん!こんにちは。
京都コムニタスの吉山です。
今回から公認心理師試験の解説をしていきます。
トップバッターは、やはり、第1回公認心理師試験の問1です!

第1回公認心理師試験 問1!

 記念すべき第1回公認心理師試験の第1問は、意外や意外(?)、今となってはスタンダードな出題とも言える、サイコロジカル・ファーストエイドからの出題でした。
 公認心理師法の問題から始まるのでは・・・と予想していた多くの受験生を良い意味で裏切ってくれた、易しくもあり、でも一瞬ドキッとさせるような問題でしたね。
 では、早速、その第1問を見てみましょう。


問1 サイコロジカル・ファーストエイドを活用できる場面として、最も適切なものを1つ選べ。
① インテーク面接
② 予定手術前の面接
③ 心理検査の実施場面
④ 事故現場での被害者の救援
⑤ スクールカウンセリングの定期面接



答えと解説を見てみましょう!

サイコロジカル・ファーストエイドは、公認心理師試験を運営している一般財団法人日本心理研修センターが出している「公認心理師試験出題基準・ブループリント」では、「⑯健康・医療に関する心理学」の心理的応急処置〈サイコロジカル・ファーストエイド〉に該当するキーワードです。
サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)は、戦争や自然災害、事故などを経験してその影響を受けた人たちに対する人道的・心理的な支援のことです。後掲の文献にも、「PFAは、安全なところであれば、どこででも行うことができます。多くはコミュニティのなか、つまり、事故現場、あるいは保健センター、避難所、学校や、食料・救援物資の配給所など、危機的な状況に見舞われた人びとが支援を受ける場所です」(p.16)とあり、この選択肢の中では正答は④になります。

ここを覚えておこう!ワンポイント!

 ここでは、サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)の活動原則を覚えておきましょう。
 後掲の文献の第3章 PFAを行う 3.3 PFAの活動原則-見る、聞く、つなぐ において、
「PFAの三つの基本的な活動の原則は、『見る』『聞く』『つなぐ』」(p.28)とあります。
「見る」とは、「安全確認。明らかに急を要する基本的ニーズがある人の確
 認。深刻なストレス反応を示す人の確認」です。
「聞く」とは、「支援が必要と思われる人びとに寄り添う。必要なものや気
 がかりなことについてたずねる。人びとに耳を傾け、気持ちを落ち着かせ
 る手助けをする。」です。
「つなぐ」は、「生きていく上での基本的なニーズが満たされ、サービスが
 受けられるよう手助けする。自分で問題に対処できるよう手助けする。情
 報を提供する。人びとを大切な人や社会的支援と結びつける。」となって
 います。
 まずは、基本原則となるこの活動原則の3つの言葉とその内容を覚えておきましょう!

文献情報

・世界保健機関、戦争トラウマ財団、ワールド・ビジョン・インターナショナル.心理的応急処置(サイコロジカル・ファースト・エイド:PFA)フィールド・ガイド.(2011)世界保健機関:ジュネーブ(訳:(独)国立精神・神経医療研究センター、ケア・宮城、公益財団法人プラン・ジャパン、2012)