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rakugo1000 (45) : 林家彦いち「私と僕」

概要
下北沢を歩いている彦いちさん。ふと気づくと、みずほ銀行のハズの銀行が富士銀行だったり、無くなったはずのパン屋、アンジェリカがあったり。どうも街が昔に戻ったよう…。昔なじみだった定食屋「三福林」に入り、明太子オムレツをオーダーし、感慨にふけっていると奥で見たことのある後ろ頭の熱い青年が店主と喋っていて…。それって一体誰???
個人的に、たぶん一二を争うくらい、彦いちさんの創作落語のなかで好きな噺です。この噺にはペーソスがある、と言った人がいたけれど、それもそうだし…何年にも渡っての彦いちさんの内面(のもちろん一部だけれど)を聞いている側がタイムトラベルできるような噺。

今日聴いた噺
19/08/26 噺家になって30回目の夏なので、銀座で、祝ってもらいます
オープニングトーク 林家彦いち
清水宏
三遊亭白鳥 最後のフライト
林家彦いち という
春風亭昇太 マサコ
鼎談〜春風亭昇太、三遊亭白鳥、清水宏
林家彦いち 私と僕

プチメモ
今年は本当に思い出深い年になるんだろうな…と。4月に「渋谷に福来たる」で彦いちさんのお祝い会があったときもしみじみとこの噺家さんをもっと長いこと追っかけていたかったと思ったけど、今日もまたあらためて思いました。
30周年の彦いちさん。今日明日の博品館での会は、彦いちさんが本当に仲良しな人ばかりとのお祝いで、最上級の空気が生まれると思っていたけど、初日からほんと予想以上だった。
オープニングトークから彦いちさんは「らしい」感じだったし、そして清水宏さんがしょっぱなからすごいテンションにしてくれて(客席後ろから登場!そしてみんなを立ち上がらせるw)。あぁ、彦いちさんがこの人を呼ぶ理由わかるし、そして私もこの人が大好きだなぁ、と思ったよ。
白鳥さんも、もちろんあとを引き継いで、「最後のフライト」で無事に乱気流からw着地。お客さんを右重心、左重心で揺らせながら。主人公を修くんにして、彦いちさんにつなげてたw
彦いちさん自身が何を選ぶのだろう、と思っていたら仲入り前はここのところお気に入りな「という」。途中のジョンのくだりが今日は特別長くて、しかも特別可愛かったというw
仲入りを経て、多少は普通の落語会っぽくなってきたところに昇太さん。今日は結婚トークもほぼほぼ封印で。選ばれたネタは「マサコ」。この時期に、母の名前のこの噺をきけることをすごく嬉しく思ったし、やっぱりこの噺は私にとっては特別な噺だなぁ、とあらためて思いました。
鼎談という名の彦いちさん抜きのトークは、、、白鳥さんが暴走しそうになるのを残りの2人が諌めつつ、でもとにかくこの3人が彦いちさんを好きなことが伝わるいい時間だった。ずーっとずーっと聞いていたかったくらい…。「落語ジャンクション」という伝説の会を共有できなかったことがすごく切ない。この人たちが作り上げていくものを見ていたかったなぁ。
トリで、彦いちさんが「私と僕」を選んだことがわかったときは、それだけで感涙だったし、なんどもなんども感動で泣き出してしまいそうな気持ちをおさえたくらい、今日の会の趣旨にあっててね。この30年の彦いちさんを体現した噺。
明日もまだこの会があるなんて、いまでも信じられないけど…。楽しんでこようと思います。

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