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クリームイエローの海と春キャベツのある家 : 本の感想

今日は、せやま南天さんの「クリームイエローの海と春キャベツのある家」の感想文です。

こちらの作品は、note主催の創作大賞2023の受賞作を、単行本用に改稿された本です。

裏面の帯には、noterさんの感想がビッシリと書かれています。noteを起点につくられた本というのがわかるので嬉しくなります。

本の内容を簡単にまとめてみます。

家事代行を仕事としている主人公「津麦」。シングルファザーの織野家の家事代行を通して、「仕事」「家事」「家族」について成長していく物語です。

まとめすぎたっ。
内容は、ぜひ本を読んで確かめてください。


まず、主人公の「津麦」がとても優しいです。

家事代行で家の中に入り、仕事をする津麦。
織野家の家事が追いついていない様子に困惑しつつも、織野家に向き合い、家事でサポートをしたいという津麦。

津麦の優しさに、お腹のあたりがじんわり暖かくなります。

仕事って本来は助け合いのはずです。
誰かが困っていることを助ける。

そこに津麦の思いやりがのっかると、なんて暖かいものになるのでしょう。

仕事というと、ついシステマチックになってしまいます。仕事上の関係だと、問題が起きてもどこか他人事。誰かの役に立つため、誰かを助ける、なんて思ってはいるものの、いざ仕事に取りかかるとどこかにいってしまいます。

躓きつつも織野家に真摯に向き合う。

そんな津麦の暖かさが染みます。



そうそう。織野家の次女、樹子が、家の汚さに苛立ちがつのり、暴れてしまうシーンがあります。

樹子は小学生だけれども、家が片付いていないイライラって経験したことがある人は多いと思います。

もちろん、わたしもそのひとり。

わたしは、細かいからはほど遠い、大雑把な人間です。
掃除や片付けが苦手。

寒がりだから冬物の毛布をまだ出しています。それは良いのですが、問題は、未だに小豆湯たんぽがベットの上に居座っていること。

小豆湯たんぽ君。
君の役目はもう終わったはずだ。

5月になるというのに、なぜまだいるのだい?

小豆湯たんぽを片付けるのなんて一瞬だ。
クローゼットを開けて冬用の衣装ケースにぽいっとするだけ。30秒、いや10秒もかからない。

面倒だからと、なんとなく放置されてしまっている。

そんな、なんとなくが、部屋のそこかしこで息をしている。

ちょっとでも忙しくなったり、体調が悪くなると、彼らはすぐに領土を広げはじめる。


津麦が、"本当は家事ができている人なんて、そんなに多くないんじゃいないか"ともらしていますが、

「そのとおりですっ!」

と鼻息が荒くなりそうでした。



また、この本では、

それぞれの家にはそれぞれの家の過ごしやすさがある。
家事は生活を手助けしてくれるもので、溺れるものではない。

と教えてくれます。

わたしは去年から実家に帰ってきて母と暮らしています。ですが、家事の細かいところでぶつかることも多いです。

大雑把とはいえ、わたしなりの家事があるのです。

例えば、お菓子の包装紙がすぐに捨てられていないとイラッとしますし、ゴミ袋は縛られていないと顔が歪みます。

最初の頃こそ、母もわたしもイライラすることが多かったですが、今では衝突はするものの回数は減りました。

お互いのこだわりは大事ですが、家事は暮らしやすくするためのもの。

包装紙は気がついたわたしがポイっと捨てれば良いのです。要望を伝えて、家事のすり合わせをすることも大事です。

家事は助け合い。

居心地よく過ごせたらいいですよね。


さぁーーーてっ、ベッドの上で波を作っている洗濯物を
片付けますか!


お読みいただき、ありがとうございます。
次の記事でお会いしましょう。

またねー!


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