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約14年間頑なにカラーを拒んでいたわたしが、インナーカラーを入れた話

「髪の毛は絶対染めない」と心に誓った15歳の冬。
「インナー入れてみたい!」と心変わりした29歳の冬。

約14年ほど、頑なに髪を染めることを拒んでいたわたしが一転、インナーカラーを入れたお話です。

「髪の毛は絶対染めない」

そう心に誓った15歳のわたしは高校受験目前で、週2~3回塾に通いつめていた。
勉強もちょっとした相談も親身になって話を聞いてくれるチーフの先生が大好きだった。私が入塾した時から先生の髪色はブロンドカラーでそれはとても似合っていた。
先生の実生活は大学3年生。身近に大学生の知り合いがいなかったので、「大学生って髪色も自由なのか〜」と朧げながらに思っていた。

15歳の冬のある日。いつものように塾へ行くと、いつもと違う雰囲気の先生がいた。先生は就活を控えていたので、黒色に染めていたのだ。
ブロンドの髪を見慣れていたので、艶やかな黒髪の先生を受け入れるのには少々時間がかかった。似合っていないわけではなかったけれど、髪色でこんなに印象って変わるのかと、衝撃を受けた原体験だった。

もともと髪の毛を染める憧れはそこまでなかったけれど、大学生になって髪を染めて、就活で不自然な黒染めをするくらいなら染めたくないな、髪の毛傷みそうだしと、15歳のわたしは意気地に思ってしまった。
ここからわたしは髪を染めることへの興味を失い、染めることを拒むようになった。

頑なに染めなかった学生時代〜社会人

高校はカラー禁止だったので縁はなかったもの、大学では周りのほとんどがカラーを楽しんでいた。黒髪少数派の私は4年間の間で「染めないの?」といろんな人に聞かれたが「染めない」と頑なに言い放っていた。
就活の時期になると周りは渋々黒染めをしていた。わたしの地毛が濃いブラウンだったこともあり、就活セミナーで友人に「ねえ、髪色逆に目立ってるよ笑」と言われたのも良い思い出だ。

社会人になってからは、接客業ということもあり身だしなみが非常に厳しく、髪を染めることすらも厳しく制限されていた。そのため、髪の毛を染めるという概念は忘却の彼方へ消えていった。

転機は突然訪れた

時は経ち、2022年の12月。
インスタを眺めていたら、永野芽郁ちゃんの投稿が目に入った。
写真に写る彼女の長い髪。チラリと見えるブロンドのインナーカラーに目がいく。

「え、めっちゃ可愛い!わたしも入れようかな!」

インナー入れて永野芽郁ちゃんみたいになりたい!という気持ちではなく、ただただインナーカラーというものが可愛く見えたのだ。

思えば、コートやスーツの裏地によく目が行きがちだった。表のデザインだけでなく、裏地にこだわるって素敵だしセンスがあるなあと思うこともあった。髪の毛も同じで、全部染めるよりもチラリと差し色があるだけでうんと雰囲気と個性が出るんだなと、彼女のインスタで感じたのだ。
他の芸能人でも、周りの友人でもインナーカラー入れている人なんて何人もいるのに、なぜ永野芽郁ちゃんのインナーカラーに心を動かされたのかは、今でも不思議である。

背中を押してくれた美容師さん

インナーカラーを入れてみたいと思ったちょうど1週間後に、たまたま美容院の予約を入れていた。
「髪の毛を絶対染めない」という固い意志ををこれまで持ち続けていたので、一時の感情ではないかと疑っていた節もあったのだが、1週間たっても心は変わらなかった。ただ、ほんの少しの迷いもあった。これまで拒んできた挑戦に飛び込む怖さとドキドキがあった。

美容院に着いて開口一番「次回、インナー入れてみたい」と美容師さんに伝えた。
ここ6年ほどずっと担当してもらっている美容師さん。わたしの髪のことはもちろん、わたしのパーソナルな部分もよく知ってくれていた。
「髪染める以外のことは何してもいい」と毎度のようにオーダーしていたわたしが「インナーを入れたい」なんて唐突にいうから、「・・・急にどうした?」と案の定驚いた顔で言われた。

理由が理由なだけにお話するのは恥ずかしかったが、「永野芽郁ちゃんのインスタ見て、可愛くてやってみたくなった……」と正直に伝えると、「そんなんよくあることだから!いいじゃんいいじゃん!入れようよ!」と背中を押してくれた。染めたい気持ちはあったけど、あともう一押しがわたしは欲しかったのだろう。やってみようという気持ちに本格的にシフトし、その日はいつものように髪の毛をメンテナンスしながら、どんな色が似合うのかをインスタやピンタレストを見ながらあれこれ相談して終わった。

初カラー初ブリーチ初インナーを体験してから

そして1ヶ月後の1月末。
心が変わることはなく、ついにその日を迎えた。

3時間半〜4時間くらいかかるとは言われていたが、一体どんな手順なのか、どんな色になるのか、皆目見当もつかずに鏡の前に座った。
入れる幅の相談とカラーの相談をして、いざ施術開始。
初めてなので、まずはブリーチをかけ、ミルクティーベージュの色を耳後ろ〜襟足にかけて入れる。気にに入ったら他の色に挑戦したり、幅を広げればいいとのことだったので、言われるがままにお願いした。

薄いグリーンをした、ブリーチの薬剤をつけていく。みるみる色が抜けていく。まるで銀河鉄道999のメーテルみたいな金髪になった。

2度のブリーチを経てカラーを入れていく。最初は意外と地味?と思ったが、髪を乾かすとあら不思議、柔らかなミルクティーベージュの髪色が出来上がった。

ブリーチの段階からもう違和感満載で、鏡に映る自分が信じられなくなっていた。施術が終わってもしばらくは家の鏡を見るたびにあまりにも見慣れなかったのと、ついに髪を染めてしまった事実を受け入れきれずにソワソワしてしまった。
1週間経つ頃には随分と慣れて、髪を束ねても下ろしても「なんか、ちょっと新しい自分になれたな」と、インナーを入れた自分の姿を心底気に入ってしまった。
バージンということもあり、どうしても髪の色は少しずつ抜けていってしまうが、その過程すらも味があって、これはこれでいいのではとも感じている。インナー入れたせいか、着る服も1年前より明るい色を選ぶようになった。今ではすっかり、インナーカラーの虜になっている。

インナーを入れたら違う自分に出会えた

約14年、頑なに拒んできた、髪を染めること。
髪を染めようが染めまいが、日々の生活に変わりはないと思う。
ふとしたことがきっかけで、鉄壁を破って髪に色を入れたら、見える世界もなんだか変わっていた。
髪の毛を染めるだけで、こんなに気持ちが変わるなんて思ってもみなかった。

色を変えたら、また違った自分に出会えるのかもしれないと思うと、髪を染めるのも悪くないと今は思っている。

さあ、次は、何色のインナーにしてみようかな。

#髪を染めた日

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