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花ちゃんへ

いまさら言っても遅いかもしれないけど、私が花ちゃんのこと忘れたくないと思ったから、書くね。

私がテラスハウスを見始めたのは2015年のBOYS & GIRLS IN THE CITYからだったから、気付けばもう5年になろうとしているんだなぁ。

きっかけは、おしゃれな映像を勉強したかったから。
私は自分で写真や動画を撮ってそれを編集するのが好きなのね。それでよく友達から結婚式の余興やプロフィールムービーを頼まれることもあって。
その友達の希望を叶えるべくいろいろ調べたりヒアリングしたりするんだけど、自分一人でやることだからどうしても限界があって。たまたま2015年の秋に結婚式が2つ重なって、両方から動画作成を依頼されたのをきっかけに見始めたんだ。アイディアが欲しかったの。

最初はテラスハウスのこと、小馬鹿にしてた。台本は一切ありませんとか言ってるけど、こんなおしゃれな映像撮れる時点でリアルじゃないだろとか思ってたし(これは今も思ってる)、恋愛のことばっか考えてる美男美女なんて言い方悪いけどちょっとバカっぽいなって。

だけど、映像+字幕+副音声(スタジオトーク)で見始めたらこれがめちゃくちゃ面白くて。
山ちゃんの妬み嫉み、とっくんの的確なコメント、馬場園ちゃんの優しい寮母さん的発言、面食いトリちゃん、YOUのただの感想(笑)。まるでスタジオにいる人たちと一緒にこの茶番を見て突っ込みいれてるみたいで本当に面白かった。下世話な視聴者でごめんね。

それで、だんだんはまっていった私だったんだけど、そこに「半さん」が出現するんだよ。半さんのこと、花ちゃんも知っているかな。彼女がいるっていうのにテラハに入所してきて、めーっちゃくちゃ人間ができた仙人みたいな人。ミスターパーフェクト(半さんと結婚したAmiおめでとうでかした)。
ぶっちゃけ今思えば半さんは自分の名前を売るために出てきたんだろうけど、それにしてもこんなに素敵な人が存在するんだってことにびっくりしたし、こんな人がテラハに入所するんだってことでテラハのこと見直したんだよね。

出てくる人は、半さんを除いてみーんな未熟で幼くて(そりゃそうだ、だいたい年下だからね)。だけど、恋愛だけじゃなくて、仕事や夢について真剣に悩んでもがいていて。
個人的には、本当に台本ってなかったと思う。ただ、みんな当然カメラを意識してただろうし、売れたいと思っていただろうし、その打算でトラブル起こしたり好きでもないのに付き合ったり都合が悪くなったら卒業したりしてるんだろうなって思ってる。

そんな中、花ちゃんは登場したね。

花ちゃんの第一印象は「めちゃくちゃ明るくてピュアな子」。
こういう人がテラハに来るのは珍しいなって思った。
(男性陣で言えば、ギルティ侍はちょっと花ちゃんに似てるとこあったかも)

みんな自分の名前を売りたい、売れたいって思ってるんだろうなーって中、花ちゃんは「恋愛がしたい」「女子プロレスを人気スポーツにしたい」って思ってるんだろうなって感じたよ。

好きな人ができると途端に意識して顔も見れなくなっちゃう花ちゃん。
同じ人を好きになった女子の話もきちんと聞くことができる花ちゃん。
誰かを出し抜こうとか裏工作しようって発想がそもそもなさそうな花ちゃん。
誰にでも優しくて、だけど誰かに優しくされるとめちゃくちゃ喜んで甘えちゃう花ちゃん。

ピュアすぎてこの子は大丈夫かって思ったくらいだったよ。

私はNETFLIXじゃなくて、ローカル局の地上波放送を待っていたから、世の中で今騒がれているコスチューム事件については結局放送されないままで、その内容をまとめた記事を読んだだけなんだけど。

今、こうなった今、いろんなネットニュースが「木村花はリング上でのヒール役をカメラの前でも求められていた(だから制作側に問題がある)」って言うんだよね。でも私はそれには違和感を感じるんだ。

だって、花ちゃんはヒール役なんかじゃなかった。
花ちゃんはかわいかったし、確かに情緒が安定しないときもあったけど、それも含めてただの「乙女枠」だったと私は思ったよ。
その花ちゃんが、自分にとって本当に本当に大切にしていたものが元に戻らなくなってしまって、怒りをぶつけるのがそれを直接おこなってしまった快にだったっていうこと、納得しかない。

もちろん、花ちゃんにも落ち度はあったと思うんだけど、そういうことを言ってるのではなくてね。花ちゃんは、そういう人だとわかるよってこと。
これまで見てきた私には、花ちゃんはあの時ショックと悲しみとで混乱してどうにかしたいのにどうしようもできなくて、うわーーーーーってなっちゃって、それをぶつける矛先としてメンバーを選んだ、そう見えた。誰かのせいにするのが一番簡単で手っ取り早い発散の仕方だから。

きっと時間がたてば、それは数日、数週間とかじゃなくて、半年とか、数年とかのスパンで。
ああ、あのとき私は怒りを快に想いのままにぶつけてしまったけど、自分にだって落ち度があったし、共同生活だし、カメラも回ってたし、なんであんな態度とってしまったんだろ、もっとやり方あったのに。って、きっと思える未来が来たと思うんだ。時間さえあれば。
だって22歳だよ?そりゃ怒るよ、叫ぶよ、泣くよ喚くよ手も出るよ。なんでそれを殴られたわけでもないただの他人が批判するかな。人格否定するかな。本気で意味が分からないよ。

花ちゃん。
私はとても悔しい。
私は花ちゃんの大ファン、ではなかった。と思う。
でも、好きだった。花ちゃんのこと。
いなくなって、会ったこともないのに、こんなに哀しくて淋しくて、やりきれないよ。

こういうただの視聴者が、SNSに一言
「花ちゃん、好きです!」「応援してます!」
ってコメントしていれば、今とは違う未来があったのかな。
視聴者である私も、花ちゃんを殺した一因になってしまっていたのかな。
言葉で人を殺せるなら、言葉で人を救えたのかな。
そんなことをずっとずっと考えているよ。

花ちゃん。花ちゃん。花ちゃん。

何度心の中で呼びかけても、戻ってこないのは分かってるんだ、大人だから。

それでも、呼びかけてしまうよ。

花ちゃん。
もうつらくないですか、哀しくないですか、苦しくないですか。

花ちゃん。
自分で自分を殺してしまったこと、後悔してますか。
後悔していないなら良かった、と思う自分と、後悔していてほしい自分がいます。

死ぬほどの苦しみは、本人にしかわからない。だから、その決断すらも否定してしまったら、花ちゃんの生きざまを否定してしまうような気がする。だから、花ちゃんが後悔していないなら、あなたの行動を、私は否定しない。

だけど、後悔しているなら。優しい花ちゃんはきっと、自分の大切な人たちがめちゃくちゃ苦しんで哀しんでいる今の状況をみて、きっと後悔しているような気がするから。
それなら、そんな花ちゃんに、「ばかだね」って優しく声をかけたい。
「ばかだね、こんなに大勢の人に愛されていたのに、気付くことができなくて、ばかだね。でも、気付かせることができなくて、ごめんね、本当にごめんね」
そういって、抱きしめてあげたい。

こんなタラレバは意味ないけど、きっとコロナによるこの状況がなければこんなことにはならなかったとも思うんだ。花ちゃんもいろんな人に会って気も紛れただろうし、みんなも花ちゃんの異変に気付けたと思う。
そこは、本当にタイミングが悪すぎて誰も悪くなくて責めどころもなくてものすごくもどかしい気持ち。コロナさえなければ。

でも、コロナだろうとなかろうと、花ちゃんがひどい言葉に傷つけられることに変わりはないから、やっぱり変わるべきはウィルスじゃなくて私たち人間だね。

私に何ができるかわからないけど。
これからもきっと花ちゃんのこと忘れない。
花ちゃんが傷つくような言葉を使わない、使わせない、少なくとも私の身の回りで。
そういう気持ちの人が増えてくれれば、今より少しだけ優しい世界になるかな。

花ちゃん。

淋しいよ。哀しいよ。
でも、私は生きていくね。
そっちの世界で会えた時には、ちゃんと直接伝えるね。

花ちゃん、大好き。

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